塵
インターネットをとおして私はいったい何人と縁を結び、やがて別れていったろうか。 人生の半分以上を、インターネットと共に生きてきた。 いまどき、人生の半分以上がインターネットと共にあるなど珍しいことでもあるまい。が、四半世紀以上をインターネッ…
今日は、いぬじんさん(id:inujin さん)への返信という体裁で自分が書きたいことが湧いてきたので書きます。書きなぐりなので、「ですます」調はここだけなのであしからず。 最短で最小の労力で確実に最大の成果を得なければいけない時代に、求められているこ…
これはある日の朝食の写真だが、昼食や夕食が似た感じになることもある。 これぐらいの食事で構わない、いや、これぐらいの食事がいいんだよ、と思うことが増えてきた。 子育てを始める前、私にとってうれしい食事とは肉や魚がしっかりある、ボリューミーな…
時折、うちのインターネットの観測範囲内には「風呂と戦っている」「風呂との戦いに勝利した」といったメッセージが流れてくる。世間で「風呂は命の洗濯」などといわれるのをよそに、風呂を戦いの対象とみなし、一定の労力というかヨッコラショ感を伴ったか…
新年あけましておめでとうございます。このブログをいつも読んでくださる常連さん、たまに読んでくださるリピーターさん、いつもありがとうございます。 しかし私は、今年もブログがあまり書けないでしょう。忙しすぎるからです。 でもブログを長く書いてい…
秋も深まり、高い山では紅葉が始まろうとしている。夕暮れ時のひつじ雲。今年度ももう後半になった。空を見上げながら、人生の残り時間を思う。 『山月記』を書いた中島敦は「人生は何事をもなさぬにはあまりに長いが、何事かをなすにはあまりに短い」という…
緩募:「煮詰まった中年男性」の気分転換の方法 - いつか電池がきれるまで うちのブログにリンクが貼られていることに気付き、どうお返事するのが適切だろう? と数日考えました。 fujiponさんにはfujiponさんの、私には私の中年期があるのだから、私が返事…
今年は八月の中旬ごろからだろうか、真っ青な空や雄大な入道雲を見かけなくなり、秋雨前線と見まがうような低い灰色の雲が垂れ込めるようになった。久しぶりに晴れたかと思ったら、早くもオレンジ色に染まった羊雲が並んでいる。なにが小さい秋見つけただ、…
長くブログや本を書いていると、いろいろな相談のお手紙が舞い込んでくる。そうしたもののすべてに応えることはとても無理だし、精神医学にまつわる相談、特に医療行為に直結した相談は原則お断りさせてもらっている。 そうは言ってもなかなか無視しづらいお…
times.abema.tv 先日8月3日、ABEMA Prime さんにて「中高年のうつ病」という特集があってゲストとしてお邪魔させてもらった。思っていた以上に中高年のうつ病についての話が真面目かつ広く取り扱われて、限られた放送時間のなかでいろいろな話題が出て良かっ…
例年、本格的な夏の頃には体重が落ちてくるのだけど、今年はなかなか落ちてこない。なぜだろう? と思って生活を振り返ったら、リングフィットアドベンチャーをやっていなかったことに気が付いた。 リングフィット アドベンチャー -Switch任天堂Amazon 私は…
同業の人が学会に集まろうとしている季節に、「いま、精神分析に意味があるとしたらそれは何か」などというお題をネットのopenな領域に投げるのは蛮勇すぎるのですが、ある集まりで「今、精神分析に意味はあるの?」という問いをいただき、持ち時間100分ぐら…
人生のある時点で最高・最強だからといって、長い人生が最高・最強とは限らない。 多くの場合、人生のある時点で最高・最強だった人は、その前は劣悪な環境でもがいていたり、精彩を欠いていたりする。一時代に栄華をきわめた人のかなりの割合も、一時代に栄…
私は石川県の出身で、たぶんいろいろな大乗仏教、特に当地で大きな割合を占めている浄土真宗の影響下で育った。それでもって、無意識のうちにその宗教観や宗教文化をプリインストールされてきた、のだと思う。仏教なんて、浄土真宗なんて、と思う人もいるか…
人生はゲームなのだろうか? ――〈答えのなさそうな問題〉に答える哲学 (ちくまプリマー新書)作者:平尾昌宏筑摩書房Amazon 上掲リンク先の本に気が付いたのは、発売される直前ぐらいだったように思う。 「人生はゲームなのだろうか?」。 ゲームを愛好し、さ…
戦争時に「国家のために死んでください」と呼びかけてもなかなか戦ってくれない。しかし「戦争に反対する人は非国民です」と呼びかけると、あ、早めに従軍しようか、となる。言葉かけのちょっとしたデザインで行動が変わる。 https://t.co/thow9oB7Mu— EvoPs…
blogos.com 先日、さまざまなブログからの寄稿記事やオリジナル記事の一大集合体である「BLOGOS」が閉鎖されるというアナウンスメントを見かけた。BLOGOSが開闢したのは2009年で、その名からブロゴスフィアという語彙を連想するのは、00年代にブログを読み書…
シロクマ先生がある時期から妙に規則正しい生活について言及されていて、若かった当時の僕は「加齢による死への恐怖からの抗いなんかな」くらいにしか思ってなかったんだけど、最近自分がどんどん忙しくなり、規則正しい生活をしないとQOLも生産力も維持でき…
最近ブログを書く気持ちになれなくて、二週間近く放置してしていた。こんな時は誰かが与えてくれるお題に沿ってみるのがいいのかなと思い、【はてなブログ10周年特別お題「10年で変わったこと・変わらなかったこと」】にかこつけ、この10年で変わらなかった…
先日、くたびれた頭でツイッターを眺めていたら以下のようなツイートが流れてきた。 「56億年後に死の星と化した地球に弥勒菩薩が現れて過ちに満ち満ちた人類史を漂白剤に浸けて綺麗にしてくれると信じてるよ」 弥勒菩薩、いいよね。 私は、(ゆるい)在家の…
雨の降る季節はあらゆるものにカビが生え、洗濯物が乾きにくくなり、水害が起こることもある。気圧の変化や温度の変化のせいで、私の場合、自律神経も失調気味になってしまうからいただけない。生活する、という点でみれば梅雨は厄介な季節でしかない。 けれ…
個人的なお手紙にご返信くださり、ありがとうございました。ゆうべ眠れず0時半ぐらいにPCを開いたら以下のタイトルが目に飛び込んできて、びっくりしました。 orangestar.hatenadiary.jp 再読し、ありがたいものをいただいたと感じました。私はアジコさんと…
orangestar.hatenadiary.jp こんにちは、小島アジコさん。はてな村・はてな界隈についてこういう文章を書く人はすっかり減りました。なので私はアジコさんあてに手紙を書きます。書いた理由は、書きたかったからです。 (上) 昔、アジコさんは『はてな村奇譚…
ゆうべ、twitterをぼんやり眺めていた時に、哲学者の千葉雅也さんの何気ないツイートが流れてきた。今日は、そこから色々と考えさせられたことをログとして残しておきたい。 学校をサボって昼に出かけていた、だがヤンキーではない、というのが僕にはわから…
芽吹いてきた新緑を眺めていて、ふと、昔話がしたくなった。 別に珍しい話ではない。 一人の研修医から見た、就職氷河期当時の思い出話についてだ。 1. 私が研修医になる前から、それは始まりかけていた。私は医学部にこもりっきりなのが性に合わなくて、…
インターネットは明るくなってしまった | Books&Apps goldheadさんの文章がbooks&appsに投稿されていた。約半分は「インターネットが明るくなった」話で約半分は「ブログでも動画配信でもなんでもいいから、自分の刻み付けたライフを見せつけろ、時代に傷を…
2020年12月、はてな匿名ダイアリーに地方の公立校と中学受験についての話題を起点に、関連した話題が次々に投稿された。 中学受験について、匿名でないと書けないことを伝えたい 「多様性が大事」と叫ぶ同僚が私立中学受験させるらしい [B! 教育] まぁこんな…
「正しさ」や生産性のために、人間はどこまで治療され、改造されるべきのか - シロクマの屑籠最近のシロクマ先生の書き物、多くは「社会整合的パーソナリティへの過剰適応と、そこからの逸脱の病理化」への懸念をモヤッと仄めかす体裁になっていて、何か迫力…
子供が泣き出したら、隣の乗客が耳栓を... 「悲しくなった」母親の訴えに反響: J-CAST ニュース【全文表示】 【追記あり】子供の泣き声に耳栓されて心が折れた 最近、2018年にわずかに話題になったはてな匿名ダイアリーへの投稿についてのJ-CASTのニュース記…
子育てには、人生の二週目のような味わいがある。子どもが新しいことを覚え、新しい遊びをおぼえるたびに、ずっと昔に自分がそうしていた頃を追体験できるからだ。それから虫取りや海水浴といった、大人になってやらなくなった遊びも子どもによってリブート…