シロクマの屑籠

p_shirokuma(熊代亨)のブログです。現在、忙しいうえブログは実験モードに移行しています。

帰ろう、はてな村(的などこか)へ。

インターネットの大海原とそこでの消耗、消耗の回避についてざっと意見申し上げてみます……という体裁で書きたいことを書かせてください。 書くのが「怖い」とか「めんどくさい」という気分になることが多くなってきた - いつか電池がきれるまで Twitterとは…

生きるって本当はこういうことだ──『すずめの戸締り』雑感

※途中からネタバレがあるので、気になる人は引き返してください。 小説 すずめの戸締まり (角川文庫)作者:新海 誠KADOKAWAAmazon 雨降る日曜日、すずめの戸締りを観に行くことになった。事前に知っていたのは新海誠が監督だということ、それだけだった。 ぜ…

ひつじ雲を見上げ、今日も明日も生ききろうと思う

秋も深まり、高い山では紅葉が始まろうとしている。夕暮れ時のひつじ雲。今年度ももう後半になった。空を見上げながら、人生の残り時間を思う。 『山月記』を書いた中島敦は「人生は何事をもなさぬにはあまりに長いが、何事かをなすにはあまりに短い」という…

おれたち、黙って死んでくれると思われてませんか?

togetter.com 上掲リンク先は、「氷河期世代が高齢になった時、若い世代のために切り捨てられる」的な話題のtogetterだ。私のタイムラインではよく見かける話で、実際、氷河期世代が高齢者になった時、今までどおりの社会保障が支えづらくなるのは多くの人が…

ワインがホームランを打つ、とはどういうことか

先日のワイン会で「ブルゴーニュのピノ・ノワールが苦手な人は意外と多い」という話が出て、「ブルゴーニュは三振かホームラン」という話になり、最終的に「ブルゴーニュのピノ・ノワールは元広島のランス(打率.218 HR39)」という話に落ち着いたの面白かっ…

中年がスプラトゥーン3をやりこむ際に注意すべきこと

スプラトゥーン3 |オンラインコード版任天堂Amazon 世界じゅうでゲーム愛好家に楽しまれている『スプラトゥーン3』が我が家にやってきて、1か月が経った。 我が家は夫婦・親子そろってこれをプレイしていて、部活動のように励んでいる。雑貨屋のパル子をはじ…

行き詰った時、ときめきやきらめきを

緩募:「煮詰まった中年男性」の気分転換の方法 - いつか電池がきれるまで うちのブログにリンクが貼られていることに気付き、どうお返事するのが適切だろう? と数日考えました。 fujiponさんにはfujiponさんの、私には私の中年期があるのだから、私が返事…

上等な百合アニメだった──『リコリスリコイル』、雑感

ねんどろいど リコリス リコイル 錦木千束 ノンスケール プラスチック製 塗装済み可動フィギュアグッドスマイルカンパニー(GOOD SMILE COMPANY)Amazon リコリスリコイルを上質な百合アニメだとみなすようになったのは、いつ頃からだっただろうか。 「そんな…

時代は「自分のアタマで考えるな」だと思う

今の世の中、自分のアタマで考えないほうが良いターンになっていると思いませんか。 犬も歩けばフェイクに当たる これはアウト。物理的にありえない水の動き、現実的ではない家の配置、画質と画像サイズ。AIが作成した写真です。熊本地震の際にライオンが逃…

ゲームで高まるエモーションのかけがえなさ──スプラトゥーン3と思秋期

スプラトゥーン3 -Switch任天堂Amazon 9月9日、待ちに待った『スプラトゥーン3』がリリースされて、家族総出でプレイしている。ファミ通によれば、発売から三日間で345万本が売れたのだという。しかも国内に限った数だから怖ろしい。 そんなスプラトゥーン3…

アブラゼミ 蟻がたかって 砂を積み

今年は八月の中旬ごろからだろうか、真っ青な空や雄大な入道雲を見かけなくなり、秋雨前線と見まがうような低い灰色の雲が垂れ込めるようになった。久しぶりに晴れたかと思ったら、早くもオレンジ色に染まった羊雲が並んでいる。なにが小さい秋見つけただ、…

ウマ娘プリティーダービーにハマった。以来ずっと養分をやっている。

ウマ娘プリティーダービーにハマった。 以来ずっと養分をやっている。 2021年から2022年にかけてあなたがハマったゲームは何? と聴かれたら、私は『ウマ娘プリティーダービー』と答えなければならない。ここでいうハマったとは、「熱中した」という意味だけ…

『リコリコ』のかわいさ・気味悪さ、それからいまどきの搾取

(※この文章は『リコリス・リコイル』のネタバレを含んでいるので読みたくない人は回れ右をしてください) anond.hatelabo.jp はてな匿名ダイアリーに、アニメ『リコリス・リコイル』(以下、『リコリコ』)の気味悪さを指摘する文章が書かれていた。気持ち悪い…

『ほんとうの医療現場の話をしよう』──医学部という進路に悩む人におすすめしたい本

長くブログや本を書いていると、いろいろな相談のお手紙が舞い込んでくる。そうしたもののすべてに応えることはとても無理だし、精神医学にまつわる相談、特に医療行為に直結した相談は原則お断りさせてもらっている。 そうは言ってもなかなか無視しづらいお…

「中年に惑ったら、髪型を変えろ、車を変えろ」

times.abema.tv 先日8月3日、ABEMA Prime さんにて「中高年のうつ病」という特集があってゲストとしてお邪魔させてもらった。思っていた以上に中高年のうつ病についての話が真面目かつ広く取り扱われて、限られた放送時間のなかでいろいろな話題が出て良かっ…

新型コロナ対策というトロッコ問題と民主国家の責任問題を考えていたらわけがわからなくなった

新型コロナウイルス感染症が第七波を迎えているとのことで、医療機関を中心に危機感が高まってきている。他方、先日の祇園祭の写真が示すようにコロナ禍以前の日常を取り戻す活動も目立ってきた。ワクチン接種が進み、重症者の割合が下がっていることも含め…

50代がさっぱりわからない

ゆうべ、文章をなにも書かなくなった夢を見た。無気力な、何をすればいいのかわからなくなった未来の自分が、消極的に、もっと本業に取り組むかと呟いているのが物悲しかった。もちろんこんなのは本業に精力的に取り組む人々には当てはまらない、私の文脈内…

『三体X』のジェンダー観の懐かしさ

※この文章はSF小説『三体』の抽象度の高いネタバレを一部含み、その二次創作的位置づけの『三体X 観想之宙』についてはほぼネタバレは含まないと思います。ご承知おきください。※ SF小説が無性に読みたくなるのはだいたい疲れている時だ。で、先週末はとても…

形骸と形式になり果てた夏でも、夏は夏だ

ニイニイゼミがおそるおそる鳴き始めて、2022年の夏が幕を開けた。 梅雨が本当に明けたのか半信半疑だし、いきなり猛暑なので、20世紀の思い出の夏とはだいぶ違う。そんな夏でも夏は夏だ。私は夏が好きだ。透明すぎる直射日光と深緑の山。そして青い海と生き…

リングフィットアドベンチャー無しでは保てない身体になっている

例年、本格的な夏の頃には体重が落ちてくるのだけど、今年はなかなか落ちてこない。なぜだろう? と思って生活を振り返ったら、リングフィットアドベンチャーをやっていなかったことに気が付いた。 リングフィット アドベンチャー -Switch任天堂Amazon 私は…

日本人にかかる性淘汰圧と、その行方を想像する

はてな匿名ダイアリーと一部のtwitter界隈で、「現代の恋愛は、告白すれば告ハラ扱いされ、付き合う前に口説こうとすればセクハラやストーカー扱いされる」、という文章が注目されていた。関連して、「ぬいぐるみペニス(略してぬいペニ)」というネットスラン…

いま、精神分析に意味があるとしたらそれは何か

同業の人が学会に集まろうとしている季節に、「いま、精神分析に意味があるとしたらそれは何か」などというお題をネットのopenな領域に投げるのは蛮勇すぎるのですが、ある集まりで「今、精神分析に意味はあるの?」という問いをいただき、持ち時間100分ぐら…

「点の成功」と「線の成功」の話

人生のある時点で最高・最強だからといって、長い人生が最高・最強とは限らない。 多くの場合、人生のある時点で最高・最強だった人は、その前は劣悪な環境でもがいていたり、精彩を欠いていたりする。一時代に栄華をきわめた人のかなりの割合も、一時代に栄…

努力しているか否かでなく、努力でアタリを引ける確率・努力できる回数が問題ではなかったか

blog.tinect.jp 恵まれているか、恵まれていないか。 命がけといえるほど努力しているか、努力していないか。 努力するポテンシャルがあるか、努力するポテンシャルがないのか。 これらは相対的で、総論的すぎて、細やかさを欠いた比較ではある。 とはいえ親…

石川県、浄土真宗、黒川仏壇店のCMのある風景

私は石川県の出身で、たぶんいろいろな大乗仏教、特に当地で大きな割合を占めている浄土真宗の影響下で育った。それでもって、無意識のうちにその宗教観や宗教文化をプリインストールされてきた、のだと思う。仏教なんて、浄土真宗なんて、と思う人もいるか…

ロボットやアリとして「現代人らしく生きる」ということ

anond.hatelabo.jp 冒頭リンク先の文章は、結婚や子育てをするでなく、仕事→給料→趣味という生活のうちに自己実現が欠如している、その実存的悩みを吐露したものだ。 文中から察するに、結婚や子育てが自己実現の一環をなし、実存的な悩みを解決してくれるよ…

キリトとアスナの新婚生活は現在のオンラインゲームでも可能か

ソードアート・オンライン1 アインクラッド (電撃文庫)作者:川原 礫KADOKAWAAmazon 2020年代になって『ソードアートオンライン』も遠い昔の作品、ライトノベルの古典に思えるようになった。で、同世代のオタクな人と会話になった時に、「今、オンラインゲー…

残り時間を気にしながらいつも走っている

president.jp 4月に入ってからいろいろ忙しいため、しばらく読むのを後回しにしていたけれども、読んで得心するものがあった。そうか、私はこれを読むのを怖がっていたわけだ。 リンク先の文章は『裸の大地 第一部 狩りと漂白』という書籍からの抜き出しであ…

現代社会プレイヤーとしての私が語れる言葉/語れそうにない言葉

II-3 男性にも「ことば」が必要だ – 晶文社スクラップブック 男性から「ことば」を奪っているのは男性自身ではないか - あままこのブログ 上掲リンク先のやりとりを興味を持ちながら眺めた。そこで展開されている、男性に言葉があるかなきか、男女双方がど…

『人生はゲームなのだろうか?』──思考演習なのはわかる。でもゲーム観が古く読みにくい

人生はゲームなのだろうか? ――〈答えのなさそうな問題〉に答える哲学 (ちくまプリマー新書)作者:平尾昌宏筑摩書房Amazon 上掲リンク先の本に気が付いたのは、発売される直前ぐらいだったように思う。 「人生はゲームなのだろうか?」。 ゲームを愛好し、さ…