シロクマの屑籠

はてな村から引っ越してきた精神科医シロクマ(熊代亨)のブログです。

社会の進歩は人間の動物性とどう折り合いをつける?

ダメと言われても「夜の街」に繰り出す人は何を考えているのか 「コロナ疲れ」「コロナうつ」は当然だ | PRESIDENT Online(プレジデントオンライン) 上掲の、プレジデントオンラインさんの寄稿テキストでは、新型コロナウイルスの蔓延を防ぐための、いわゆる「新…

神様みたいだった1996年のバトルガレッガ

(※写真は、ゲーメスト1996年5月15日号、バトルガレッガ攻略記事より) note.com 上掲リンク先は、傑作シューティングゲーム『バトルガレッガ』を20年越しにクリアした方の文章だ (おめでとうございます!)。 20年前に一度諦めたゲームをもう一度手に取り、チ…

中年ナルシストの道は狭く険しい

これから「中年ナルシストの道は狭く険しい」という小話をするが、私は小心者なのでおことわりを入れておく。 私は、自分のことをナルシストだと思っている。 だってそうだろう、二十年以上もインターネットで自己表現……といえば聞こえはいいけれども、自分…

あの頃私は買いだめして、本能を充たし不安を防衛していた

暑いのか秋っぽいのかわからない夜長に眠れなくなってしまった。少し前の思い出を書きたくなったので、新型コロナウイルスの脅威がいちばん切迫していた頃の思い出話を書く。 まず、参考までに3月19日付けのヤフーの記事へのリンクを貼り付けておく。 新型コ…

"本当は正しくない『となりのトトロ』"が、受け入れられている

となりのトトロ [DVD]発売日: 2014/07/16メディア: DVD 『となりのトトロ』は子どもが妖怪に出会う物語だ。 妖怪が出るような、よくわからない場所が間近な生活圏にあったということだし、よくわからない場所に子どもが出入りする自由があったということでも…

桜の償いはこれからも続く──劇場版『Fate/stay night』雑感

www.fate-sn.com お盆の終わりに劇場版『Fate/stay night』を見に行った。映画館は満席になっていて、さまざまな世代のファンが集まっていた。本来、今年の春に公開するはずだった本作がようやく公開された爪痕がパンフレットに残っていて、その広告欄には劇…

お盆に還ってきた元ブロガーさんへ

※この文章は、はてな村と呼ばれたブログコミュニティで活躍した元ブロガーへの手紙です。興味のない人は畳んでください※ インターネットで表舞台に立たなくなってから、もうずいぶんと長い年月が.. [B! 増田] 諸般の事情によりブログをやめざるを得なくなっ…

『健康的で清潔で、道徳的な~』のたのしい参考文献たち

健康的で清潔で、道徳的な秩序ある社会の不自由さについて作者:熊代亨発売日: 2020/07/09メディア: Kindle版 おかげさまで、『健康的で清潔で、道徳的な秩序ある社会の不自由さについて』は重版となりました。8月10日現在、Amazonでは売り切れ状態となってい…

コンテンツに出てこない"強い女性"について

昨日、非モテ昔話をしたので、もうちょっと陰気な話を続けたくなった。そうする。 強い女性、強い男性、といった言葉を人は使う。 では、強い女性とはどういう女性のことなのか。 先日、この「強い女性とはどういう女性のことなのか」について、辛口ツイッタ…

社会が非モテ論壇に追い付いてきた(という不幸)

恋心すらセクハラ…若い男性が抱える「新しい生きづらさ」(清田 隆之) | FRaU 若い男性が恋心を持つのは簡単ではない、ハラスメントに相当するような恋心を抑えながら恋心を持つのは難事業になっている、といった内容のウェブ記事を見かけた。 サークル内の…

自分自身の動物性と和解しながら生きる

いくらカネを稼いでも、真の友人や配偶者を求める「我々の動物部分」は決して幸せになれない。 | Books&Apps 「いくらお金を稼いでも、人は、それだけでは幸せになれそうにない。」 はじめに私がこの疑問を持つようになったのは、バブル景気の真っただ中の19…

朝日新聞朝刊にて『健康的で清潔で、道徳的な秩序ある社会の不自由さについて』をご紹介にあずかりました

www.asahi.com 今朝(7月25日)の朝日新聞朝刊の読書面のコーナー「著者に会いたい」にて、『健康的で清潔で、道徳的な秩序ある社会の不自由さについて』に関してご紹介にあずかりました。朝日新聞を購読してらっしゃる方、是非読んでみてやっていただけたらと…

編集者という種族とコミュニケーションできなかった頃の話

昨日、twitterの片隅で「書籍を出版することについて」の問答を見かけた。 出版社をとおして書籍を出版したいと思う程度は人それぞれで、私は自分の考えていることを書籍にして、ぜひ世に伝えたいと思っていた。けれどもなかなか出版には至れず、ヤキモキし…

少子化の根っこにあるのは資本主義・個人主義・社会契約の浸透だと思う

BBCジャパンで、「世界じゅうで出生率が下がっていく」という話題を見かけた(以下参照)。 世界の出生率、驚異的な低下 23カ国で今世紀末までに人口半減=米大学予測 - BBCニュース 少子化は、ヨーロッパ諸国から東アジアへ、次いでそのほかのアジアへ、やが…

上京し、コロナ騒動で奪われていた楽しさを思い出した

先週末、上京していろいろな人に会って打合せなどをこなしてきた。 報道では、東京では新型コロナウイルスに感染している人が再び増えているという。特に若い人の感染率が高いのだとか。そういったこともあって、戦々恐々としながら出かけた。ただ東京は随分…

日本のサブカルチャーとイタリアワインは素晴らしいガラパゴス

日本の漫画やアニメやゲームはガラパゴスなのか? - 狐の王国 少し前、twitter上で「日本のアニメ・ゲーム文化はガラパゴス(だから良い/悪い)」といった言い合いのようなものを見かけた。これについて、上掲リンク先のこしあんさんは、「日本の漫画やアニ…

たぶん、幸福を管理される未来をみんなは受け入れる

アプリによって相手の幸せにどれだけ貢献したかを計測され行動の改善も促されるこれ会社でやらされたら怖い pic.twitter.com/kelXtwnaat— ゆるふわ怪電波☆埼玉 (@yuruhuwa_kdenpa) 2020年6月29日 すげーディストピア感あってテンション上がるこれによりハピ…

世代の違いと、語り口や言い回しのキツさの違い

「うまく言えないけれど、あの年上の語り口はキツくて受け入れられない」 話は西暦2000年頃にさかのぼる。私がウェブサイトを作り始めていた頃、しばしば年上の文筆家、ライター、ウェブサイト管理人の文章に嫌悪感をおぼえることがしばしばあった。 彼らが…

「生きづらさ」の根源をもっと深く突き詰めてみる

生きづらいのは「資本主義」や「自由主義」のせいなのか。 | Books&Apps 『健康的で清潔で、道徳的な秩序ある社会の不自由さについて』を読んでくださり、ありがとうございました。また、それに関連して生きづらさについてご意見をいただきました。 「役割が…

アニメも観ずに『孤独のグルメ』を観るばかりの午後8時

ここ最近は特に無為に過ごす時間が異様に少なくなっていて、実際的なことだけをやっているので、ツイートすることがますます無くなってくる。— 5mm / 5Agape (@pycl) 2020年6月24日 「無為に過ごす」のはもったいない、でも豊かな時間だと思う。自分自身のバ…

「まともな人間の条件」と、そこからはみ出す自分自身について

健康的で清潔で、道徳的な秩序ある社会に潜伏しています。 - 犬だって言いたいことがあるのだ。 はてなブログで付き合いの長かったいぬじんさんから、『健康的で清潔で、道徳的な秩序ある社会』についてお便りをいただきました。ありがとうございます。せっ…

アスカの声はこれからも聞こえるか──キャラクターと一緒に年を取ることについて

新著が昨日発売されたので宣伝になりそうな文章を書いたほうがいいのだろう。が、そういう時に限って無視しづらいものが目に飛び込んでくる。 プラグスーツ模様の入った弐号機色ちゃんちゃんこ(惣流モデル/式波モデル)— ym404 (@ym404) 2020年6月18日 殺し…

テレビがまとめサイトに見える

ゴールデンアワーのバラエティ番組が、周回遅れの「話題の動画」を放送していた。NHKの、それよりは若干真面目そうな番組が、twitterのネタをテレビっぽく切り取って放送しているのも見かける。テレビで動画やtwitterの切り貼りをみると、なんだかまとめサイ…

続・発達障害のことを誰も知らなかった社会には、もう戻れない

anond.hatelabo.jp 5月29日にはてな匿名ダイアリーに投稿された『発達障害やグレーゾーンの人の適職って?』という記事*1に、たくさんのはてなブックマークが付いていた。 文中で挙げられている"逐一支持しても単純作業しかできない人(もしくは単純作業も難…

4月5月は"やっている感"のハイシーズン(だからしんどい)

日本社会では成果よりも「みんなと一緒に」という美徳が信頼の源泉になっている。 | Books&Apps books&appsさんに、"やっている感"について寄稿させていただいた。 「みんな一緒に」の同調圧力が強まりやすい職場や現場では、仕事の効率や成果とは別に、みん…

「釣りの終焉」と「フェイクの時代」

インターネットスラングに「釣り」というものがあった。たとえば00年代の2ちゃんねるでは、「釣り」「釣り乙」という言葉がしばしば用いられた。釣りを釣りだと理解していることは、ちょっとしたネットのリテラシーだったものだ。昔の2ちゃんねるの管理人…

新型コロナウイルスと、呪術で戦っていませんでしたか

※今日、書くことはエビデンスを踏まえたものではありません。感染対策に貢献するものでもありません。私のエッセイ、いや思いつきでしかないことをあらかじめ断っておきます。※ (※出典:『肥後国海中の怪』(京都大学附属図書館所蔵)) 人々は、新型コロナウ…

親が教師のかわりに教えることと、親子のソーシャルディスタンス

今が人生でいちばんハッピーなんじゃ。|こゆるぎさん|note リンク先のnoteには、在宅勤務になって子どもと過ごす時間が増え、コミュニケーションがたくさんできるようになった喜びが記されている。こうした在宅勤務がなくなって元の勤務体制が戻ってくるの…

現代人の超自我と、逃れられない「こころ」の問題

最近は見かけることも少なくなったが、かつては神経症とかノイローゼとかいった「こころ」の病名をよく見かけた。 これらはフロイト以来の精神分析にかかわる「こころ」の病名で、おおざっぱにいえば「こころ」の内面の葛藤やこじれに関するものだった。1990…

あの頃のネットは貧しい土地で、俺らは火事花みたいなものだった

パイオニア樹種、という言葉をご存じだろうか。 パイオニア樹種とは、まだ植物が地面を覆っていない空き地や荒地にいち早く適応する、そういう樹木のことだという。火事の跡地などをいち早く緑で覆うのはこのタイプの植物だ。しかし、土地が緑でいっぱいにな…