シロクマの屑籠

p_shirokuma(熊代亨)のブログです。現在、忙しいうえブログは実験モードに移行しています。

『月姫 -A piece of blue glass moon-』備忘録

月姫 -A piece of blue glass moon- - SwitchアニプレックスAmazon 我が家にもswitch版『月姫R』がやってきて、合計3本のエンディングを読み終わるのに1か月ぐらいかかった。すごい分量、すごい演出、すごい歳月を感じた。この『月姫R』がトータルでどうな…

書評を書くのに必要なもの──ダイジェスト化と、エモーションと

anond.hatelabo.jp 作業が一段落した時に、こんなはてな匿名ダイアリーを見つけてきた。曰く、「書評が書けない」と。この「書評はどうすれば書けるのか」の答えは、 ・どういう書評を書くのか ・何をもって書評と呼ぶのか ・誰が読むような書評なのか によ…

『心はどこへ消えた?』で振り返るコロナ禍、世間、私の臨床

心はどこへ消えた? (文春e-book)作者:東畑 開人文藝春秋Amazon 刺激的なタイトルの本が出版された。私は心理学者や公認心理師ではなく精神科医だが、この本を読み、いろいろ感じ入ったり思い出したりしたことがあったので紹介してみる……つもりだったのだが…

適切な言葉遣いは、身を助ける防具にも敵を排除する武器にもなる

blog.tinect.jp 上掲リンク先の文章は「適切な言葉遣い」の重要性について書かれたものだ。混同しそうな言葉のひとつひとつを丁寧に、面倒くさがらず、厳密に選択していく必要性が経験談とともに紹介されている。 だが上司は、非常に言葉にうるさかった。 例…

「本物の社畜」が生まれようとしている

www3.nhk.or.jp 今週、NHKのサイトで"在宅勤務中も禁煙"を求める企業の動きについての報道があった。野村ホールディングスは、出社している社員に加えて在宅でリモートワークしている社員にも、就業時間中は禁煙を求めるのだという。 こうした動きは社員の健…

『ただしい人類滅亡計画 反出生主義をめぐる物語』の感想というか

ただしい人類滅亡計画 反出生主義をめぐる物語 (コルク)作者:品田遊コルクAmazon 週末、縁があって『ただしい人類滅亡計画 反出生主義をめぐる物語』を読んで楽しかったので感想文を書き残すことにした。 はじめはそれほど興味を感じなかった。この本は、人…

シンエヴァンゲリオンは教科書に載るようなアニメじゃない

www.youtube.com タイトルで内容を言い切っているので、タイトルしか読まない人はここで回れ右を。わざわざブログに書いたのは、知人に「ブログに書く」と約束してしまったからだ。 そもそも教科書に載るような作品、資料集に載るような作品とは 1.表現様…

記念日のワインを誰かに薦めるとしたらこんなワイン

#はてな村 のソムリエ、シロクマ先生 @twit_shirokuma に公開質問状を送る! - 玖足手帖-アニメブログ- こんにちは。公開質問状などと書かれ、ぎょっとしてしまいました。また、そのような文言で送られた文章にリアクションを行うべきか迷いました。nuryougu…

お盆を迎え、アンチエイジングに思いを馳せる

お盆が来たので、アンチエイジングとお盆についてボソボソ書きます。 究極のアンチエイジングとは子孫を残すこと。出産とは自分の遺伝子が入ったヴィークルを新車に乗り換える、ということ。新品のクルマがある人は古い方のクルマにガタがきたり見た目がオン…

匿名ダイアリーのような空間は、結果として自由連想法として働く

「はてな匿名ダイアリーのような、誰にも干渉されずに自由に文章が書ける空間で何かに言及すると、結果として空間が自由連想法のように働き、言及対象をとおして筆者自身のコンプレックスや願望が炙りだされることがある。」 誰にも干渉されない・誰にも反撃…

初心者には、シャンパンよりもヴァン・ムスーのほうが美味いのでは

久しぶりにヴァン・ムスーを飲んで思い出したけど、ワインにまだ慣れていない頃はシャンパーニュよりヴァン・ムスーのほうが飲みやすく、美味いと感じられた。シャンパーニュにありがちな苦みと強面な酸が飲み慣れない頃は苦手だったからだ。ワインに慣れて…

傑作『トップをねらえ!』と過去の自分、それと『エヴァ』

Amazonプライムに『トップをねらえ!』が入っていたので、週末に食い入るように視聴した。 トップをねらえ! Blu-ray Box Complete Edition (初回限定生産)日髙のり子Amazon とにかく傑作というしかない。ストーリー、SFとしての面白さ、丁寧というより執拗…

アイデンティティのあり方、昭和→平成→令和を追う

何者かになりたい作者:熊代亨イースト・プレスAmazon 本を書いてしばらくすると、本で書き足りなかったこと・もっと強調すれば良かったことなど思いつきがちだ。6月に発売された何者かになりたいにしてもそうで、「自分はこういう人間である」を規定してく…

自己責任社会に阿弥陀様は輝く

先日、くたびれた頭でツイッターを眺めていたら以下のようなツイートが流れてきた。 「56億年後に死の星と化した地球に弥勒菩薩が現れて過ちに満ち満ちた人類史を漂白剤に浸けて綺麗にしてくれると信じてるよ」 弥勒菩薩、いいよね。 私は、(ゆるい)在家の…

伝わりすぎる、伝えすぎる、このネットという場所について

これから書くことは個人的なエッセイだが、そのエッセイがネット上に置かれるため、タイトルにあるように、伝わり過ぎてしまうかもしれない。文章が指し示した内容どおり伝わるかは定かではないし、私が書いている際に考えていたとおりに伝わるのかも定かで…

「僕たちの文明では感情は精神疾患」まであと何歩?

私の気持ちは、誰のもの?(熊代亨:精神科医)#もやもやする気持ちへの処方箋|「こころ」のための専門メディア 金子書房 リンク先は、金子書房さんのnote記事に寄稿させていただいた「私の気持ちは誰のもの?」という文章だ。 社会から不適切な感情がどん…

梅雨の雨、雲、におい、どれも好きだ

雨の降る季節はあらゆるものにカビが生え、洗濯物が乾きにくくなり、水害が起こることもある。気圧の変化や温度の変化のせいで、私の場合、自律神経も失調気味になってしまうからいただけない。生活する、という点でみれば梅雨は厄介な季節でしかない。 けれ…

「日本スゴイ」や「ネトウヨ」にみる、アイデンティティの間隙

blogos.com リンク先はBLOGOSさん向けの書き下ろし記事です。拙著『何者かになりたい』の後半章に関連した、中年期~老年期のアイデンティティの話題を記しています。BLOGOS編集部さんから「中年の危機」に重心を置いて欲しいとリクエストいただいたので、そ…

シロクマの閉塞について──アジコさんからお手紙をいただき気づいたこと

個人的なお手紙にご返信くださり、ありがとうございました。ゆうべ眠れず0時半ぐらいにPCを開いたら以下のタイトルが目に飛び込んできて、びっくりしました。 orangestar.hatenadiary.jp 再読し、ありがたいものをいただいたと感じました。私はアジコさんと…

今だけ人に戻ってアジコさんにお手紙を

orangestar.hatenadiary.jp こんにちは、小島アジコさん。はてな村・はてな界隈についてこういう文章を書く人はすっかり減りました。なので私はアジコさんあてに手紙を書きます。書いた理由は、書きたかったからです。 (上) 昔、アジコさんは『はてな村奇譚…

2021年のガンダムの見せ方、それとテロリズム──『閃光のハサウェイ』

gundam-hathaway.net 『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ』の映画版をふと、見に行きたくなったので見に行った。 『閃光のハサウェイ』は、もちろん小説版が出た頃に読んでいる。つまらなかったわけではないけども深い印象は残らなかった。そもそも小説版…

「何者かになりたい」人に必要なコミュニケーション能力

何者かになりたい作者:熊代 亨イースト・プレスAmazon おかげさまで、熊代亨『何者かになりたい』が本日発売されました。若い人をメインの想定読者とした本ですが、後半パートの「中年期から先の何者問題」の箇所はアラサー・アラフォー世代によく刺さるよう…

「倍速視聴はオタクじゃない」わかった。じゃあ理想のオタクって何?

gendai.ismedia.jp 講談社ビジネスに掲載された『「オタク」になりたい若者たち。』という記事に批判が集まっているのをtwitterとはてなブックマークで見かけた。 記事曰く、現代の若者は普通がなくなった状況のなかで無個性を嫌い、オタクになりたがるのだ…

ネットサービスによって「何者かになりたい」気持ちが(結構)変わる話

kensuu.com 先週末、ネットサービスを作っているけんすうさんが"「何者かになりたくなる」SNSはそろそろ衰退していくのではないか"、というタイトルの記事をnoteで書いておられた。 タイトルにもあるとおり、これは予測ではなく予感として読むべきものなのだ…

もし書くことがなくなったら、俺らは一体なんなんだ

書くことがなくなった - phaの日記 リンク先の文章がアップロードされた時、半目でそっと、逃げるように全文を読んだ。読んではいけないものを読んだ気分になった。 それから丸一日が経ち、寝る前に再び「書くことがなくなった」というタイトルを思い出して…

スーパーカブ、頭文字D、ゆるキャン△、それぞれが描いた景色

supercub-anime.com 先日、アニメ『スーパーカブ』を見始めて、描かれている景色にガツンとやられた。物語が進展していくうちに少し和らいだと思いかけたけれども、修学旅行編を見るにつけても、いやいや、やっぱり『スーパーカブ』は2021年のある側面を上手…

『FILT』さんに、佐藤優さんとの対談記事が掲載されました

filt.jp webマガジン『FILT』さんにて、作家の佐藤優さんとの対談記事がアップロードされています。この対談記事は、拙著『健康的で清潔で、道徳的な秩序ある社会の不自由さについて』に近いもので、時代が変わると社会の通念が変わり、生きづらさも変わって…

『何者かになりたい』が出版されます

何者かになりたい作者:熊代 亨発売日: 2021/06/12メディア: 単行本(ソフトカバー) このたび私は、「何者かになりたい」という願い、「何者にもなれない」という悩みについての本を出していただく運びとなりました。 SNS時代の「何者」とは、いまどきのアイ…

社会適応や役割が嘘や自己否定になってしまう人の世界と、そうでない人の世界(のわかりあえなさ)

ta-nishi.hatenablog.com リンク先の文章には、弱者男性論者は社会適応に対してあまりにも潔癖すぎる、といったタイトルになっている。が、タイトルどおりの内容ではなく、 ・筆者自身の社会適応に対する潔癖性の話 ・過去の脱オタクファッション (略して脱…

悪くいうメンションが20%を超えないネットライフを心がける

(※画像は悪くいうメンションが高まりすぎたネットライフのイメージです)これから書くことは、以前にも書いたかもしれないし、20%という数字も思いつきのものだ。厳しい基準を好む人は10%で、緩い基準がいい人は30%にしてもいいかもしれない。 twitterやは…