シロクマの屑籠

p_shirokuma(熊代亨)のブログです。原稿に追われてブログ記事はちょっと少なめです

現代人がSNSの影響を受けるといっても色々で……

20240704 - 退屈なエピローグはつづく 2024年初頭、まだ寒い京都のカフェで私は上掲リンクの筆者、ちろきしんさんにお会いする機会を得た。その前には、ちろきしんさんの同人誌制作を少しお手伝いするご縁もあって、その同人誌は90~10年代ぐらいにかけての…

RE:郊外都市には文化が無い (……本当に?)

anond.hatelabo.jp 「郊外都市には文化が無い」、というタイトルの文章がはてな匿名ダイアリーを読んだ。 タイトルが、なんだか大きな釣り針だ。ただし、この名古屋近郊に住んでいる筆者はあるていど誠実だ。というのも、 この街の文化と呼べるものに触れ合…

「向精神薬で自意識や虚無感の悩みが治る?」&「近代に根ざした自意識や虚無感は時代遅れでは?」

物語のパターンは既に出尽くしてる問題に絡めてだけど、近代に流行した鬱屈とした自意識や虚無感、20世紀後半にいい薬がたくさん発明されたおかげで「心療内科にいってお薬を飲めばいいのに」で解決してしまって、物語としての強度を保てなくなってる。— 小…

わかってもわからなくても、信仰は生活のなかにあるよ

blog.tinect.jp 黄金頭さんが、books&appsにて「おれたち日本人には『信仰』がわかるのだろうか」というタイトルの文章を寄稿してらっしゃった。そこに登場する宗教の話は、前半はドーキンスや無神論とその周辺の話、後半は吉本隆明や鈴木大拙などを引用した…

良いところも悪いところもあった映画『トラペジウム』

※この文章は映画『トラペジウム』のネタバレを平然と含んでいます。心配な人はブラウザバックしてください※ 『トラペジウム』、褒めてる人もみんな微妙に褒め方違うし、違うのにみんな凄く思い入れと自信があるし、なんか感想がだんだん自分語りっぽくなっち…

「ひきこもり」は現在も増え続けているのか?

最近、忙しくてブログがなかなか書けないなか、面白そうな話題がTLを駆け抜けていった。togetterに、それがまとめられている。 togetter.com 「昔の方が暴力が横溢していたのに、なぜ今になって不登校やひきこもりが増えているのか」について、いろんな人が…

年を取って、不健康な食事でターボがかかるようになってしまった

「年を取るにつれて、自分の健康を気にかけるようになる」、とよく言われる。実際、20~30代の頃には健康だった人が、40~50代と年を取るにつれて高血圧や高コレステロール血症と診断されてにわかに健康リスクを気にしはじめるのはあるあるだし、「改心」し…

「一か月名医」「一年名医」「十年名医」

※この文章は「シロクマの屑籠有料記事」に当てはまります。※ 名医、とはなんでしょうか。また、not 名医とはなんでしょうか。 いろんな定義や答え方があるでしょう。「後医は名医」という言葉もあります。「後医は名医」とは、誰かが既に診た患者さんを後か…

井芹仁菜と後藤ひとりという"野生動物"

ガールズバンドクライの井芹仁菜もぼっちざろっくの後藤ひとりも、どちらもセロトニンが乏しくアドレナリンやコルチゾール多そうな雰囲気をまとっていて、社会の家畜になりきれないキャラクターってところは似ているわけですが、— p_shirokuma(熊代亨) (@twi…

電信は令和のインターネットに届かなかった──『ヴィクトリア朝時代のインターネット』を読む

ヴィクトリア朝時代のインターネット (ハヤカワ文庫NF)作者:トム スタンデージ早川書房Amazon 前々から読みたかった『ヴィクトリア朝時代のインターネット』を購入して、最優先で読んだ。電信というひとつのテクノロジーの栄枯盛衰を描いたノンフィクション…

取引みたいなコミュニケーションは、誰にとって都合良いのか

今、研修医時代ぐらい忙しくて生きた心地がしない&働きすぎで急速に老け込みそうだと感じていますが、そうしたなか、書評のお仕事をいただきました&こなしました。 gendai.media 書評させていただいた作品は村雲菜月さんの『コレクターズ・ハイ』。上掲リ…

過去「を」生きる。過去「で」生きる。それが今の私

木曜日の夜は昔のアニメを観る - シロクマの屑籠シロクマ先生っていつも、とても、過去を引っ張って今を生きているなと勝手に思う。このエントリ以外からもそんな印象を受ける。2024/04/19 14:00b.hatena.ne.jp text:シロクマ先生っていつも、とても、過去…

初代ファイナルファンタジーの思い出

news.denfaminicogamer.jp リンク先は、ファミ通のサイトにアップロードされた、初代『ファイナルファンタジー』(ピクセルリマスター版)の記事だ。タイトルに"実はSFだった(?)"的なことが書かれているためか、はてなブックマークには賛否さまざまな声があが…

木曜日の夜は昔のアニメを観る

木曜日の夜は昔のアニメを観る。いや、観るというよりダラダラ垂れ流して、眺めたい時だけ眺める。そのとき選びがちなのは『フルメタルパニックふもっふ』『鋼の錬金術師』『ガンダムUC』『Fate/Zero』あたり、新海誠の『天気の子』『言の葉の庭』『秒速5セ…

一本400円の安ワインでは高級ワインの偽物にはならない

はてな匿名ダイアリーにも色々あり、以下のはてな匿名ダイアリーは「ツッコミビリティの高さ」がたぶんウリなのだと思う。たいした長さではないので、全文コピペしたうえでコメントをしたい。 anond.hatelabo.jp ただの高級なワインじゃない、一本で何万もす…

今が「推し活」の最盛期という気持ちで、今を楽しんでおきたい

bg-mania.jp リンク先は、東京バーゲンマニアさんにアップロードされた、本屋B&Bさんのトークライブイベントの記事です。このときご一緒した藤谷千明さんの 『藤谷千明 推し問答! あなたにとって「推し活」ってなんですか? (TOKYO NEWS MOOK)』がすごく面…

その支援はインクルージョンか、分離や排除や透明化か?

president.jp リンク先の文章は、前半はほぼ拙著『人間はどこまで家畜か』からの抜き出しで、とにかくも社会や環境が進歩した結果として精神医療のニーズは高まっていて、たとえばSSRIのようなセロトニンを補う薬が必要とさいれたり、ASDやADHDといった神経…

不特定多数に開かれた社会適応メソッドと一子相伝の社会適応メソッド

今日の文章も、いずれ詳しくまとめたいけれども下書きしてみたかったものなので、有料記事コーナーを使って練習することにする。ただ、不特定多数に開かれた社会適応メソッドまでは、誰でも読める状態にまとめておく。 今も昔も、社会適応のためのメソッドに…

限界編集者さんと過ごした日々

これから、ある編集者さんと本づくりをしていた頃のことを書いてみる*1。あらかじめ断っておくと、これは私個人の感想であって客観的な論述ではない。すべての編集者さんがそうだとも、そうであるべきだとも思えない。ただ、私はその編集者さんに引っ張られ…

40代の終わりに、年の取り方について私が考えていること

残り時間がどれぐらいかわからないなかで、どう日々を過ごし、年を取っていくか。 1975年生まれの私は、今、40代最後の時間を過ごしている。40代のはじめのうちは、中年になったことの驚きがあり、そこに今までに無い面白さを見出していた。その驚きと面白さ…

「生だけでなく死まで管理してようやく、生政治は完成する」

以下に書く文章は完成度が低い。 もうしばらく調べものをしてから書き直したいと思っているものだ。 なので重要部分は有料記事エリアに格納して、壁打ちモードにしておく。 命は生誕で始まり、死によって終わる──その命がどうであるべきかは、昔から議論と実…

現代人は本当に思想に飼われている

president.jp リンク先の文章は、拙著『人間はどこまで家畜か』を一部引用しつつ、ひとまとまりの読み物として再編成しプレジデントオンラインさんに載せていただいたものだ。私たちは資本主義にいいように飼い馴らされ、その資本主義をますます充実させるた…

本屋B&Bさんにて、藤谷千明さんとの「推し」関連トークイベントがあります

【来店・リアルタイム配信イベント】 3/21 THU 19:30- 熊代亨×藤谷千明 「よく推し、よく推され、よく生きる」 『「推し」で心はみたされる?』(大和書房) 『推し問答!あなたにとって「推し活」ってなんですか?』(東京ニュース通信社)W刊行記念イベン…

「ゲーオタと専門家にとってコスパとは何か」

先日、とある集まりで「ゲーオタにとってコスパとは何か」という話が出た。これについてボソボソ書きたいことを書くが、これは、単体有料記事として買うほどではないと思うので、サブスクリプションに登録している人だけ読んでくださるのがおすすめです。

丸善京都の熊代亨選書フェア@はてなブログ編

・丸善京都本店、『人間はどこまで家畜か』刊行記念・熊代亨選書フェア ご好評いただいている『人間はどこまで家畜か』にまつわる本や問題意識が近い本を集めたフェアを、丸善京都本店さんで開催していただいています(ありがとうございます!)。そちらで紹…

反出生主義という人類滅亡のミーム

※この文章は、黄金頭さんへの返信のかたちをとった、私なりの反出生主義についての考えをまとめた文章です※ blog.tinect.jp こんにちは黄金頭さん、p_shirokumaです。拙著『人間はどこまで家畜か: 現代人の精神構造 (ハヤカワ新書)』をお読みくださり、あり…

裏日本出身者から見た東海道新幹線の車窓風景

裏日本出身者から見た東海道新幹線の車窓風景の感想を一言でまとめると、「どこも豊かですね」となる。 ビジネスで大阪と東京の間を行ったり来たりしている人にとって、東海道新幹線の車窓風景なんて一生懸命に眺めるものではあるまい。ありふれた風景がどこ…

私たちは、自己家畜化をこえて"社畜"になる

p-shirokuma.hatenadiary.com 続き。 いつの世にも苦しみや悩みはあるし、その社会・その時代に最適な人もそうでない人もいるでしょう。アフリカの狩猟採集社会に最適な人と、幕末の日本の農村に最適な人と、2024年の東京に最適な人はそれぞれ違っています。…

高度な社会の一員になれていますか。これからもなれますか

「高度な社会は、それにふさわしい高度な人間を要請する」。 それが言い過ぎだとしたら、「高度な社会に適応するためには相応の能力や特性が求められ、足りなければ支援や治療の対象になる」と言い直すべきでしょうか。 少し前に「SNS上では境界知能という言…

あのとき推していた人は、今もここで生きている

ここから書くことは『「推し」で心はみたされる?~21世紀の心理的充足のトレンド』よりも未来の出来事、「推し」の最盛期から時間が流れた後のことや、「推し」に相当する人と別れた後についてです。 先日、拙著について相次いで感想をいただきました。あり…