シロクマの屑籠

p_shirokuma(熊代亨)のブログです。原稿に追われてブログ記事はちょっと少なめです

シロクマの屑籠有料記事

記事や原稿として正式にまとめる前のドロドロした思念、日常雑記、はてなブックマーク等への裏コメントなど。

2025年春の読書振り返り(個人的備忘録)

2025年も半分が過ぎた。この半年間は、とにかく色々なところでおしゃべりやプレゼンテーションをした。そういうことには幾らか慣れたのは良かったが、長い目で見れば「もっと勉強をしなければ」という思いが膨らんだ半年だったと思う。 この文章は、この2025…

カラーがマチュを商館にくべた件について

2025年6月4日未明に放送された『機動戦士ガンダムジークアクス 第九話 シャロンの薔薇』は完璧な興行だった。私のタイムラインはたちまちガンダムおじさんたちのしゃべる場となり、いつものようにタイムラインがガンダムネタにジャックされた。地球に降下し…

どんなにAIが利口になっても、選挙をAIに任せてはいけない

p-shirokuma.hatenadiary.com AIの脅威は色々あるけど、現在の私には、民主主義や個人の自由にとっての脅威が一番気になる。AIに意見を言わせる振舞いが増え、社会のなかで当たり前になったら、それってヤバいやつなんじゃないか? って意見を上掲リンク先に…

アジコさんからマッチョだと言われてしまった件について

普通でない人生で普通になりたい人と、人生をゲーム化する人と - orangestarの雑記 3月の終わりから4月にかけ、気温の変化が急激で風邪をひいてしまいました。こうなると難しいことは考えられないし、難しい本を読み進めることもできない。こんな時にできる…

私も100日修行をやって、違った心境になってみたい

元来、ブログは日記や随筆めいたものをズラズラ書ける場所だったはず。そしてここは私のブログなので今日は日記です。でも、日記って常連さん向けなんじゃない? とも思うので有料エリアに隔離することにしました。 日記を書きたくなった発端はこれ↓。 blog.…

創作のための健康管理法&ドーパミン維持について──私の場合

[]創作のための健康管理法&ドーパミン維持について──私の場合 p-shirokuma.hatenadiary.com blog.tinect.jp 頑丈な人間とそうでもない人間が存在する話と、ドーパミンを味方につけつつドーパミンに頼り過ぎない活動の話を、続けてアップロードした。 これら…

2025年も結局忙しい+『「推し」で心はみたされる?』から始まる継続審議

2024年は私にとって甚だ辰年らしい一年だった。今年だけは身体に負荷を省みず、昇龍を目指せ。で、2024年が終わった。やるべきことをやってやりたいことができたと思う。そして2025年が始まった。巳年にあやかり脱皮できる一年にしたいものだけれど。 そんな…

私が経験した縦の旅行/横の旅行(らしきもの)

先日、books&appsさんに寄稿した『エリートたちには「縦の旅行」が足りない | Books&Apps』という文章ははてなブックマークだけにとどまらない反響があり、それを読んで糧にした。ただ、こんなに読まれた理由はタイトルのおかげもあったのだろう。私の寄稿記…

精神科状態像についてのまとめ

そういえば、日本の精神医療では頻出ワードだけれど世間ではあまり知られていない「状態像」について、ちょっと資料づくりしたくなったので、はてなの有料記事スペースを使ってできるだけ簡潔にまとめてみようと思います。常連読者の方以外が読むものではな…

2024年に全力疾走したが体力が限界だ

2024年も残り3か月。短い、という人もいようけど、私は全力疾走してきたので、やっと2024年が終わってくれる、という感覚のほうが強い。今年はとにかくやった。がんばった。気張った。しかし人には限界というものがある。2024年、特に中盤のペースで活動し…

「若者よ、欲しいの全部手に入れろ」(有料記事)

人間の命と能力では、この世のすべてを手に入れることなどできない。 たとえばオリンピックで金メダルを取り、なおかつなんらかの分野でノーベル賞を取るのはたぶん無理だ。 それでも人間の可能性と学習能力は高い。デッキの組み方次第ではかなり広い範囲の…

「一か月名医」「一年名医」「十年名医」

※この文章は「シロクマの屑籠有料記事」に当てはまります。※ 名医、とはなんでしょうか。また、not 名医とはなんでしょうか。 いろんな定義や答え方があるでしょう。「後医は名医」という言葉もあります。「後医は名医」とは、誰かが既に診た患者さんを後か…

不特定多数に開かれた社会適応メソッドと一子相伝の社会適応メソッド

今日の文章も、いずれ詳しくまとめたいけれども下書きしてみたかったものなので、有料記事コーナーを使って練習することにする。ただ、不特定多数に開かれた社会適応メソッドまでは、誰でも読める状態にまとめておく。 今も昔も、社会適応のためのメソッドに…

「生だけでなく死まで管理してようやく、生政治は完成する」

以下に書く文章は完成度が低い。 もうしばらく調べものをしてから書き直したいと思っているものだ。 なので重要部分は有料記事エリアに格納して、壁打ちモードにしておく。 命は生誕で始まり、死によって終わる──その命がどうであるべきかは、昔から議論と実…

「ゲーオタと専門家にとってコスパとは何か」

先日、とある集まりで「ゲーオタにとってコスパとは何か」という話が出た。これについてボソボソ書きたいことを書くが、これは、単体有料記事として買うほどではないと思うので、サブスクリプションに登録している人だけ読んでくださるのがおすすめです。

ちょっと昔の精神医療思い出話4(有料記事)

こちらの続きです。 前回、精神科の診断トレンドと社会の移り変わりについて書き過ぎてしまったので、今回は思い出話に寄せています。私の停滞期であり、ゲームも停滞、精神科医としての研鑽も停滞、人生も停滞、といった時期がありました。あまり長くないテ…

ちょっと昔の精神医療思い出話3(有料記事)

こちらの続きです。今回は精神分析やドイツ精神病理学の言葉から、アメリカ精神医学や(DSMやICDといった)操作的診断基準に基づいた言葉へと精神医療の現場の言葉が変わっていった、そんな移り変わりについて書いてます。発達障害の診断頻度が高まっていった…

ちょっと昔の精神医療思い出話2(有料記事)

2023年11月23日現在、ブログを書いてられる状況ではなくなってきているので、事前に書き溜めてあったこちらの続きをアップロードします。時代は1999年~2000年頃、私が研修医をやっていた頃の季節です。サブスクしている常連読者のかただけ、どうぞ。

ちょっと昔の精神医療思い出話1(有料記事)

これから有料記事スペースを使って、「ちょっと昔の精神医療思い出話」と銘打った小話を3~5か月ほどかけて連載してみようと思う。二十余年という月日は精神科医という職業のなかではそんなに長いものではないけれども、ここらで昔を振り返って、自分のこと…

娑婆ウォッチ・精神科医も見た目は大事

当面、毎月一回は同業者や常連さんだけにしゃべりかける文章をつくってみたい。 で、今回のお題は「精神科医も見た目は大事(か否か)だ」

ゲームで自分を治す人々と、自分のためのゲーム/世間から逃れるためのゲーム

※前半の「ゲームで自分を治す人々の話」は無料です。後半の「自分と戦う依存症と世間と戦う依存症」は、読者を絞りたいので有料です。 ohtabookstand.com 松本俊彦先生の記事はいつもすごく面白い。ご自身もニコチン依存的である先生の記事には、依存症につ…

精神科外来の運行と「リズム」について

この文章は同業者の人以外にはほとんど意味をなさないものだと思っていいと思います。

誰もが表現者になれる時代はとっくに終わってるんだよ

今回の内容は、以前にも誰かが書いていたかもしれない。でもこれから私が書くことを一字一句違わず書いた人はいないはずだから、誰かに届くかもと期待しながら記してみる。 インターネットの普及期と現在を比較して、違っているところを挙げるとしたら何が挙…

書評『眠りつづける少女たち』(の続き)

眠りつづける少女たち――脳神経科医は〈謎の病〉を調査する旅に出た作者:スザンヌ・オサリバン紀伊國屋書店Amazon 今年の6月、共同通信さんのご依頼でスザンヌ・オサリバン『眠り続ける少女たち』の書評を書くミッションに挑んだ。7~8月にかけて全国の新聞に…

今、私が承認欲求と所属欲求について書きたいこと

承認欲求と所属欲求については、これまで、たくさんのことが語られてきた。 特に承認欲求については90年代から四半世紀近く、手垢がつくまで語られまくったと言える。 それはなぜだろう? ひとつにはマズローが90年代の段階でよく知られていたからだろう。マ…

「蛙化現象」は健全か不健全か

orangestar2.hatenadiary.com “蛙化現象”について、アジコさんが漫画+文章を描いてらっしゃった。漫画パートでは昔からの意味である「好きな相手が自分のことを好きだと知った瞬間に恋が醒める」が記されているけど、文章パートでは最近の意味である「相手…

娑婆ウォッチ「デパスやマイスリーの処方が減らない本当の理由」

デパス(エチゾラム)・ソラナックス(アルプラゾラム)・ワイパックス(ロラゼパム)・マイスリー(ゾルピデム)。精神医療の世界では、こうしたベンゾジアゼピン系の薬はできるだけ減らしましょう……とずっと言われ続けていた。依存性があり、副作用もいろいろある…

娑婆ウォッチ「萌えや推しはどこまで宗教で、どこから宗教ではないか」

オタクは昔も今も色々なキャラクターに親しんできた。「俺の嫁」的に自分のことを受け止めてくれる存在として愛好してきた側面もあれば、「推し」的にリスペクトの対象、あこがれの対象としてみてきた側面もある。鉄オタ、軍オタ、そしてフィギュアを大切に…

トリップしようぜ!鳥だけに──『君たちはどう生きるか』

宮崎駿監督の新作『君たちはどう生きるか』を発作的に観たくなって、初日のチケットを予約して観に行ってきた。 いったん無料パートでネタバレなしに・毒にも薬にもならないことを書いて、有料パートで盛大にネタバレして書きたい放題やってたかぶった気持ち…

娑婆ウォッチ「身体拘束、パターナリズム、日本社会」

p-shirokuma.hatenadiary.com 東京新聞の記事『身体拘束「なぜ心が痛むの?」「地域で見守る?あんた、できんの?」日本精神科病院協会・山崎学会長に直撃したら…』を読んだうえで、精神科病院における身体拘束、ひいては行動制限について文章を書いてみたの…