シロクマの屑籠

p_shirokuma(熊代亨)のブログです。原稿に追われてブログ記事はちょっと少なめです

『信州自遊塾』さんにて、ネット社会の人間への影響についてお話します

 

 
2024年に続いて、今年も松本市でおしゃべりをすることとなりました。今回のお題は「ネット社会は人間の精神にどう影響する? ~スマホ、ゲーム、SNS、AI、etc~」となっています。
 
 
日時:2024年7月6日(日) 14:00-16:30(開場13:30)
松本市中央公民館 一般500円 (※信州自遊塾会員・大学生以下は無料)

長野県、特に中信地方の方で、加速する情報技術やAIといったものの未来についてご関心がある方がいらっしゃったら、来場いただけたら嬉しいです。なお、今回は第二部で芥川賞作家の伊藤たかみさんとフリーディスカッションがあります。伊藤たかみさんは1971年生まれ、私よりもちょっと年上の世代にあたります。私が1975年生まれですから4年の違いですが、インターネットの黎明期~普及期において、この差は小さくないと私は想像しています。世代の違い、活動領域の違い、大学生時代に経験したことの違い*1がインターネットの体験にも反映されているでしょう。どうあれ、ざっくばらんにインターネットの話をさせていただきたく思います。
 
第一部は、私が「講演」することになっていますが、そんなに格式ばったものではないと自認しています。ただし、インターネット、SNS,ゲーム、AIについての見通しについて手抜かりなく、遠慮なく、忌憚なくお話する予定です。たとえばAIは、いわゆるシンギュラリティやAGIといったものが到来すれば大変なことになりますが、到来しなくても大変なことになる、否、もうなりつつある、というのが私の意見です。今、AIを積極的に使っているのは、いわゆるイノベーター理論でいうところのイノベーター~アーリーアダプターで、ようやくアーリーマジョリティが触りはじめたところ……といった状況かと思いますが、たとえば現在のSNSやスマホのように、レイトマジョリティやラガードにまで普及する段階になれば、AIの使われ方も、AIの影響も違った風になるでしょう。
 
AIをはじめとする情報技術は、そうしたハイテクを縦横無尽に使い尽くす意志と能力を持った人に影響するだけではありません。そうしたハイテクをそこまで使いこなせない人、むしろそれらに振り回される人までもが使い始めざるを得なくなることで顕在化していく影響もあるよう思います。情報技術は、その技術の純粋な技術的可能性だけでなく、普及過程や社会での受け取られ方によっても未来を変えてきました。これからもそうでしょう。そういうこともお話しできたらと思います。
 
なお、インターネット依存やゲーム症といったものについてもある程度は触れるつもりですが、それらの社会的位置づけじたいも情報技術の普及過程のなかで位置づけられてきたものなので、それらの診断や治療の話よりも、そうしたものが顕在化してきたこれまでと、もっと情報技術が進んだこれからでどうなるのかに重きを置いてしゃべりたいと思ってます。
 
今回の話のある部分は
 

 
拙著『ないものとされた世代のわたしたち』の第五章の内容に沿っています。ご来場いただけないけれども内容の雰囲気を知りたいって方は、こちらを読んでみるのもアリかもしれません。
 
前回同様、目線をあくまで未来に向けながらおしゃべりできたらと思います。
 

*1:私は大学生時代を長野の信州大学で、伊藤さんは東京の早稲田大学で過ごしています