シロクマの屑籠

p_shirokuma(熊代亨)のブログです。原稿に追われてブログ記事はちょっと少なめです

ずっと横になってたい。しんどい。

ここしばらく、帰宅してからは布団のうえでゴロゴロしてほとんど過ごしていた。世間的にはそう見えないかもしれないが、私の主観ではゴロゴロしていた。活動性が恐ろしく低い一週間だったと思う。 やる気がないから、大部の原稿を書く力が残っていない。慣れ…

twitter(X)の有料化が「オンライン囲い込み」だとしたら

www3.nhk.or.jp twitter の有料化について報じられている。自分のタイムラインを見る限り、これを狂気の沙汰とみなす人のほうが多い様子だが、私のあまのじゃくな部分が「twitter の有料化を合理的な決定とみたうえで、その道理を考えてみたい」と欲しがって…

「都合のいい偶然だけ持って来い」

偶然は、きらいですか。 - 犬だって言いたいことがあるのだ。 偶然はきらいですか、というブログタイトルを読んだ時、私は脊髄神経の早さでこう思った──「都合のいい偶然だけ持って来い」 あらゆるものを見通す弥勒菩薩の視点でみれば、この世には偶然はなく…

主人公に卓越をみずにいられない──『東京最低最悪最高!』

bigcomics.jp (はてなブックマークでの反応:[B! 漫画] 週スピ&月!スピ読切・【読切】東京最低最悪最高!/鳥トマト) 月曜の朝に、この『東京最低最悪最高!』が目に飛び込んできた。現実を忠実に模写した漫画ではあるまい。ただ、読者がぶら下がれそう…

精神科外来の運行と「リズム」について

この文章は同業者の人以外にはほとんど意味をなさないものだと思っていいと思います。

人間は身勝手な危険動物だから、ザリガニを勝手に増やし勝手に殺すのも通常運転

www.asahi.com 虐殺が行われるのを、ただ見ていた。 令和5年の夏のある日のこと。現場には少し前の日からロープが張られ、午前8時頃、作業着姿の中年男性たちが白いハイエースに乗って現れた。発動機の音高く、草刈り機が起動する。土地を覆う植物たちは無…

誰もが表現者になれる時代はとっくに終わってるんだよ

今回の内容は、以前にも誰かが書いていたかもしれない。でもこれから私が書くことを一字一句違わず書いた人はいないはずだから、誰かに届くかもと期待しながら記してみる。 インターネットの普及期と現在を比較して、違っているところを挙げるとしたら何が挙…

書評『眠りつづける少女たち』(の続き)

眠りつづける少女たち――脳神経科医は〈謎の病〉を調査する旅に出た作者:スザンヌ・オサリバン紀伊國屋書店Amazon 今年の6月、共同通信さんのご依頼でスザンヌ・オサリバン『眠り続ける少女たち』の書評を書くミッションに挑んだ。7~8月にかけて全国の新聞に…

今、私が承認欲求と所属欲求について書きたいこと

承認欲求と所属欲求については、これまで、たくさんのことが語られてきた。 特に承認欲求については90年代から四半世紀近く、手垢がつくまで語られまくったと言える。 それはなぜだろう? ひとつにはマズローが90年代の段階でよく知られていたからだろう。マ…

「蛙化現象」は健全か不健全か

orangestar2.hatenadiary.com “蛙化現象”について、アジコさんが漫画+文章を描いてらっしゃった。漫画パートでは昔からの意味である「好きな相手が自分のことを好きだと知った瞬間に恋が醒める」が記されているけど、文章パートでは最近の意味である「相手…

人生二周目の昆虫採集

2023年の夏はとてつもない暑さで、昼間に外で遊んでいたらぶっ倒れてしまいそうだ。必然的に、屋外の活動は早朝か夕方に限られる。海水浴や昆虫採集なら早朝一択だ。早朝なら、海も凪いでいることも多い。 子どもと一緒に、海ではアメフラシやウミウシやカサ…

「俺が借りなきゃ誰が借りる」──図書館の利用、それと貢献

blog.tinect.jp 黄金頭さんがbooks&appsで図書館利用について文章を書いてらっしゃった。エッセイと呼んで似合いの文章だと思う。はてなブログのエッセイストとして、はじめのほうに名前の挙がるブロガーではないだろうか。 図書館の利用については私にも来…

娑婆ウォッチ「デパスやマイスリーの処方が減らない本当の理由」

デパス(エチゾラム)・ソラナックス(アルプラゾラム)・ワイパックス(ロラゼパム)・マイスリー(ゾルピデム)。精神医療の世界では、こうしたベンゾジアゼピン系の薬はできるだけ減らしましょう……とずっと言われ続けていた。依存性があり、副作用もいろいろある…

認知機能がギリギリで保たれている高齢者について少し

ちょっと高齢者の健康についてしゃべりたくなったので、しゃべらせてください。 [B! 医療] 「こんなに急に悪化するとは思わなかった」これから親を看取る人は知っておきたい"老衰死の経過" いつ墜落するかわからない低空飛行中の飛行機の状態 2022年の10月頃、…

娑婆ウォッチ「萌えや推しはどこまで宗教で、どこから宗教ではないか」

オタクは昔も今も色々なキャラクターに親しんできた。「俺の嫁」的に自分のことを受け止めてくれる存在として愛好してきた側面もあれば、「推し」的にリスペクトの対象、あこがれの対象としてみてきた側面もある。鉄オタ、軍オタ、そしてフィギュアを大切に…

絵本の周波数で宮崎駿アニメを観てみませんか

(この文章は『君たちはどう生きるか』のネタバレをあまり含みません。終盤にちょっと含みますが、twitterほどは含まないでしょう。それから宮崎駿アニメ全体の話についてがメインです) 漫画 君たちはどう生きるか作者:吉野源三郎,羽賀翔一マガジンハウスAm…

トリップしようぜ!鳥だけに──『君たちはどう生きるか』

宮崎駿監督の新作『君たちはどう生きるか』を発作的に観たくなって、初日のチケットを予約して観に行ってきた。 いったん無料パートでネタバレなしに・毒にも薬にもならないことを書いて、有料パートで盛大にネタバレして書きたい放題やってたかぶった気持ち…

娑婆ウォッチ「身体拘束、パターナリズム、日本社会」

p-shirokuma.hatenadiary.com 東京新聞の記事『身体拘束「なぜ心が痛むの?」「地域で見守る?あんた、できんの?」日本精神科病院協会・山崎学会長に直撃したら…』を読んだうえで、精神科病院における身体拘束、ひいては行動制限について文章を書いてみたの…

どんな人が・なぜ身体拘束の対象になっているのか──疾患分類からみえること

東京新聞の記者が日本精神科病院協会(日精協)の会長にインタビューした記事が掲載されていた。 www.tokyo-np.co.jp この記事は、精神科病院での身体拘束を問題視し、その必要性を述べている日精協会長の発言まで問題視するもののようにみえる……が、あまり迫…

娑婆ウォッチ「ブクマし続けるのもある種の才能」

水星の魔女はガンダムという伝統芸能をやってのけた - シロクマの屑籠高齢者がアニメを観ているというのはある種の才能だなと思った。自分はもうクライマックスを倍速でなら観たいってレベルなので、等速で全部見るとかは絶対無理2023/07/04 13:14b.hatena.n…

水星の魔女はガンダムという伝統芸能をやってのけた

<この文章には『機動戦士ガンダム 水星の魔女』のネタバレを含みます> 機動戦士ガンダム 水星の魔女 HG ガンダムキャリバーン 1/144スケール 色分け済みプラモデルBANDAI SPIRITS(バンダイ スピリッツ)Amazon 『機動戦士ガンダム 水星の魔女』第二期がこな…

娑婆ウォッチ「月曜の朝から勤勉な人々」

皆さん、月曜の朝からピシっとした恰好で出勤・通学されていてマジでスゴイ。

はてなブログの有料記事と「自分のゲーム」がちゃんとできるのか問題

blog.hatenablog.com 昨日、「はてなブログで有料記事販売が可能に」というニュースを見かけた。長年、noteで有料記事を書こうか迷っていた私には嬉しいお知らせだ。「ブログ上の有料記事ならではの文章」を吐き出す経路として活用できるなら、喜んで活用し…

「推し」とナルシシズム

【推しの子】 1 (ヤングジャンプコミックスDIGITAL)作者:赤坂アカ,横槍メンゴ集英社Amazon 最近、いや数年前から「推し」という言葉をよく耳にする。10~25年以上前にオタク界隈で流行っていた「萌え」に比較すると、「推し」には公言しやすさがあり、あしざ…

ますます静かに・安全になっていく社会は人間を自由にするか

anond.hatelabo.jp リンク先の文章には、近隣の公園の喧騒に過敏になり、クレームをつけるに至った人の体験談が丁寧に記されている。いつものようにはてなブックマークにはたくさんのコメントが集まっていて、さまざまな意見、見解、感想が入り混じっている。…

忘れる・忘れられることを承知のうえでゲームと向き合うこと

blog.tinect.jp ゲームの個人史って、ものすごく儚いと思いませんか? その点でいえば、ゲームの個人史でなくゲーム史をものしたいと願った人の気持ちは理解できる。と同時に、ゲーム史として・サブカルチャーの「正史」として後世に語り継がれていくものが…

40代になってからも限界はみえない。それでもできることは減っている。

2023年度のGWも終わって、何というでないけれどもくたびれている。このままギアを落とさず5月をやっていくのかーと思うと気分が晴れない。五月病など、あってはならないことだ。 仕事と原稿と家庭に忙殺される日々を振り返って、思う。ああ、すごくできるこ…

タイトルすら読めない人の「声」は今のネットに存在するか

note.com 先日、狂人を名乗っている小山さんが、「論破王」ひろゆきさんとtwitterで「議論」になった一部始終をnoteにまとめてらっしゃった。その内容は、ひろゆきさん自身に焦点を当てるよりも、ひろゆきさんのファン層に焦点を当てた内容だった。 小山さん…

Q:思春期において、承認欲求とどう向き合えば良いのか?

つい先日、こんな質問を読者のかたからいただきました。 1.「承認欲求を持つことは悪いことか」 2.「思春期の年頃において、承認欲求とどう向き合っていけば良いのか」 このブログを長らく読んでいる人には答えの見える質問かもしれませんが、そうでない…

個人による日本随一のブログコレクション、books&apps。

はじめに断っておくと、これは、books&appsを賛美する文章だ。2023年現在、ブログ文化の精髄として、ブロガーの書いてきたものの一番おいしいところを集めたコレクションとして、books&appsは唯一無二の発信場所になっている。 今回、そのbooks&appsを讃える…