シロクマの屑籠

p_shirokuma(熊代亨)のブログです。現在、忙しいうえブログは実験モードに移行しています。

伝わりすぎる、伝えすぎる、このネットという場所について

これから書くことは個人的なエッセイだが、そのエッセイがネット上に置かれるため、タイトルにあるように、伝わり過ぎてしまうかもしれない。文章が指し示した内容どおり伝わるかは定かではないし、私が書いている際に考えていたとおりに伝わるのかも定かで…

「僕たちの文明では感情は精神疾患」まであと何歩?

私の気持ちは、誰のもの?(熊代亨:精神科医)#もやもやする気持ちへの処方箋|「こころ」のための専門メディア 金子書房 リンク先は、金子書房さんのnote記事に寄稿させていただいた「私の気持ちは誰のもの?」という文章だ。 社会から不適切な感情がどん…

梅雨の雨、雲、におい、どれも好きだ

雨の降る季節はあらゆるものにカビが生え、洗濯物が乾きにくくなり、水害が起こることもある。気圧の変化や温度の変化のせいで、私の場合、自律神経も失調気味になってしまうからいただけない。生活する、という点でみれば梅雨は厄介な季節でしかない。 けれ…

「日本スゴイ」や「ネトウヨ」にみる、アイデンティティの間隙

blogos.com リンク先はBLOGOSさん向けの書き下ろし記事です。拙著『何者かになりたい』の後半章に関連した、中年期~老年期のアイデンティティの話題を記しています。BLOGOS編集部さんから「中年の危機」に重心を置いて欲しいとリクエストいただいたので、そ…

シロクマの閉塞について──アジコさんからお手紙をいただき気づいたこと

個人的なお手紙にご返信くださり、ありがとうございました。ゆうべ眠れず0時半ぐらいにPCを開いたら以下のタイトルが目に飛び込んできて、びっくりしました。 orangestar.hatenadiary.jp 再読し、ありがたいものをいただいたと感じました。私はアジコさんと…

今だけ人に戻ってアジコさんにお手紙を

orangestar.hatenadiary.jp こんにちは、小島アジコさん。はてな村・はてな界隈についてこういう文章を書く人はすっかり減りました。なので私はアジコさんあてに手紙を書きます。書いた理由は、書きたかったからです。 (上) 昔、アジコさんは『はてな村奇譚…

2021年のガンダムの見せ方、それとテロリズム──『閃光のハサウェイ』

gundam-hathaway.net 『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ』の映画版をふと、見に行きたくなったので見に行った。 『閃光のハサウェイ』は、もちろん小説版が出た頃に読んでいる。つまらなかったわけではないけども深い印象は残らなかった。そもそも小説版…

「何者かになりたい」人に必要なコミュニケーション能力

何者かになりたい作者:熊代 亨イースト・プレスAmazon おかげさまで、熊代亨『何者かになりたい』が本日発売されました。若い人をメインの想定読者とした本ですが、後半パートの「中年期から先の何者問題」の箇所はアラサー・アラフォー世代によく刺さるよう…

「倍速視聴はオタクじゃない」わかった。じゃあ理想のオタクって何?

gendai.ismedia.jp 講談社ビジネスに掲載された『「オタク」になりたい若者たち。』という記事に批判が集まっているのをtwitterとはてなブックマークで見かけた。 記事曰く、現代の若者は普通がなくなった状況のなかで無個性を嫌い、オタクになりたがるのだ…

ネットサービスによって「何者かになりたい」気持ちが(結構)変わる話

kensuu.com 先週末、ネットサービスを作っているけんすうさんが"「何者かになりたくなる」SNSはそろそろ衰退していくのではないか"、というタイトルの記事をnoteで書いておられた。 タイトルにもあるとおり、これは予測ではなく予感として読むべきものなのだ…

もし書くことがなくなったら、俺らは一体なんなんだ

書くことがなくなった - phaの日記 リンク先の文章がアップロードされた時、半目でそっと、逃げるように全文を読んだ。読んではいけないものを読んだ気分になった。 それから丸一日が経ち、寝る前に再び「書くことがなくなった」というタイトルを思い出して…

スーパーカブ、頭文字D、ゆるキャン△、それぞれが描いた景色

supercub-anime.com 先日、アニメ『スーパーカブ』を見始めて、描かれている景色にガツンとやられた。物語が進展していくうちに少し和らいだと思いかけたけれども、修学旅行編を見るにつけても、いやいや、やっぱり『スーパーカブ』は2021年のある側面を上手…

『FILT』さんに、佐藤優さんとの対談記事が掲載されました

filt.jp webマガジン『FILT』さんにて、作家の佐藤優さんとの対談記事がアップロードされています。この対談記事は、拙著『健康的で清潔で、道徳的な秩序ある社会の不自由さについて』に近いもので、時代が変わると社会の通念が変わり、生きづらさも変わって…

『何者かになりたい』が出版されます

何者かになりたい作者:熊代 亨発売日: 2021/06/12メディア: 単行本(ソフトカバー) このたび私は、「何者かになりたい」という願い、「何者にもなれない」という悩みについての本を出していただく運びとなりました。 SNS時代の「何者」とは、いまどきのアイ…

社会適応や役割が嘘や自己否定になってしまう人の世界と、そうでない人の世界(のわかりあえなさ)

ta-nishi.hatenablog.com リンク先の文章には、弱者男性論者は社会適応に対してあまりにも潔癖すぎる、といったタイトルになっている。が、タイトルどおりの内容ではなく、 ・筆者自身の社会適応に対する潔癖性の話 ・過去の脱オタクファッション (略して脱…

悪くいうメンションが20%を超えないネットライフを心がける

(※画像は悪くいうメンションが高まりすぎたネットライフのイメージです)これから書くことは、以前にも書いたかもしれないし、20%という数字も思いつきのものだ。厳しい基準を好む人は10%で、緩い基準がいい人は30%にしてもいいかもしれない。 twitterやは…

女体化キャラ・競争社会のロマン・令和男性の生きづらさ

今さら『宇宙よりも遠い場所』を観ているのだけど、これはアクティブを自負する理系の人には心地よく自己投影できるたまらない作品だったろうなあ。大きな舞台へ飛躍せんとする人間の足を引っ張る小人物の存在にも目配せが行き届いていると感じるが、そこで…

そうだ「ヤンキー的なもの」は規範だったのだった。

ゆうべ、twitterをぼんやり眺めていた時に、哲学者の千葉雅也さんの何気ないツイートが流れてきた。今日は、そこから色々と考えさせられたことをログとして残しておきたい。 学校をサボって昼に出かけていた、だがヤンキーではない、というのが僕にはわから…

ある研修医が見た就職氷河期の記憶

芽吹いてきた新緑を眺めていて、ふと、昔話がしたくなった。 別に珍しい話ではない。 一人の研修医から見た、就職氷河期当時の思い出話についてだ。 1. 私が研修医になる前から、それは始まりかけていた。私は医学部にこもりっきりなのが性に合わなくて、…

『ウマ娘』をやっていると目が痛くなる

先日も書いたとおり、ゲーム『ウマ娘』は本当によくできた、つい夢中になりたくなるゲームだ。プレイヤー同士のリーグ戦にも楽しみがあり、正しくソーシャルゲームしている。だから時間とお金がコントロールできるゲーム愛好家には、勧め甲斐のあるゲームだ…

ウマ娘プリティーダービー、雑感

うちに『ウマ娘プリティーダービー』*1がやって来て40日ほどが経った。 一度、今の段階で『ウマ娘』について感じていることを書いてみたくなったので書いてみる。 とにかく丁寧、とにかくかわいい 『ウマ娘』はジュニア~クラシック~シニアの3年間にわたっ…

イタリアの食堂で出てくるシャバシャバなワインの良さ

イタリアの食堂、それも気取らない食堂には、めちゃくちゃ安くてなんとなく旨い、シャバシャバしたしたワインが用意されている。グラスで2ユーロぐらい、カラフで頼んで5ユーロぐらいの、いわゆるハウスワインってやつだ。ランチのお供に最適で、後のコーヒ…

シン・エヴァンゲリオンにかこつけた惣流アスカの昔話

NEON GENESIS EVANGELION 3アーティスト:TVサントラ,高橋洋子,Aya,Aki,Rei発売日: 1996/05/22メディア: CD ※この文章はシン・エヴァンゲリオンの感想というよりTV版・旧劇場版『新世紀エヴァンゲリオン』の昔話ですが、シン・エヴァンゲリオンのネタバレも含…

「時代に傷をつける」のか、「一握りの砂」になるのか

インターネットは明るくなってしまった | Books&Apps goldheadさんの文章がbooks&appsに投稿されていた。約半分は「インターネットが明るくなった」話で約半分は「ブログでも動画配信でもなんでもいいから、自分の刻み付けたライフを見せつけろ、時代に傷を…

ありがとう、シン・エヴァンゲリオン

※この文章は、ネタバレなしのシン・エヴァンゲリオンの視聴後のつぶやきです。 公式サイトに「さらば、すべてのエヴァンゲリオン」と大書された『シン・エヴァンゲリオン』が公開されたので、見に行った。21世紀に公開された新劇場版のヱヴァンゲリヲンとし…

解呪と供養のためにシン・エヴァンゲリオンを観に行く

『シン・エヴァンゲリオン劇場版』本予告・改【公式】 公開情報と延期情報が行ったり来たりしていたシン・エヴァンゲリオン劇場版の日がとうとう近づいてきた。 シン・ヱヴァンゲリヲンではなくシン・エヴァンゲリオン。 10年ほど前は、こういうカタカナの違…

「TPOのできた発達障害な人でも働きにくい社会」とそのコンセンサス

私の場合、診察室はもとより、私生活でも「大人の発達障害」と診断された人によく出会う。私が好きで好きでしようがないインターネットやサブカルチャーの領域にも「大人の発達障害」と診断される人がごまんといて、彼らなりに活躍していたり苦労していたり…

健康長寿は必ず良い? ──『老いなき世界』に感じた怖さ

LIFESPAN(ライフスパン)―老いなき世界作者:デビッド・A・シンクレア,マシュー・D・ラプラント発売日: 2020/09/01メディア: Kindle版 去年の秋に発売された『ライフスパン 老いなき世界』という本のことを再び考え始めてしまった。一読し、twitte…

オタク中年化問題 in 2021

私のライフワークのひとつは、オタクの社会適応について考えることでした。今でも「キモオタ」といった言葉が残っているとおり、かつてオタクは、社会不適応の象徴のように語られていました。 実際問題として、世間のほとんどの人が関心を寄せない子ども向け…

朝日新聞『耕論』にて「ほどよい距離感」についてお話しました

夜になってしまい宣伝になっていませんが、1月8日の朝日新聞『耕論』にて、いまどきの距離感についてインタビューいただいたものを掲載していただきました。文化人類学者の小川さやかさん、芸人の土屋伸之さんのインタビューと一緒に読むと着眼点がいろいろ…