シロクマの屑籠

p_shirokuma(熊代亨)のブログです。原稿に追われてブログ記事はちょっと少なめです

執着

マイルドヤンキーに「貧困」「反知性主義」が短絡される現象について

「マイルドヤンキー」という言葉があぶり出した日本の階層:日経ビジネスオンライン 私もリンク先の視点に賛成だ。 若者文化の表象を理解する糸口として「ヤンキー」「マイルドヤンキー」といった言葉を用いるのは悪く無いと思うし、そこからマーケティング…

自律性や自主性を課題にするべきは、成人じゃなくて子どもでは?

なぜ日本企業の管理職の多くは「変人」を組織から追い出そうとするのか|組織をむしばむ「子ども病」の正体 秋山進|ダイヤモンド・オンライン リンク先の記事には、日本企業で一流の人材を育て上げる要件として、1.自律性や自主性の高い人材の必要性を提…

とにかく生きている。だから「死ぬまでに何をするのか」を考える

人は何のために生きているのか。 - 自省log 「人は何のために生きているのか。」 こんな事を考えてもしようがないというか、問いかたに問題があると思うようになったのは、三十歳になるかならないかの頃だったと思う。「人は何のために生きているのか」とい…

「コミュニケーションできなければならない」という規範意識

絶望感がすごい リンク先の文章は、今日の社会ではありがちな悩みだと思う。人間関係や社会的加齢が自己責任になった以上、「年相応に年を取っていくためにどうするのか」「誰と一緒に人生を歩んでいくのか」といった問題は、すべて自分で判断し、舵取りしな…

私がネットで「承認欲求」を使おうと決めた理由

最後に、「承認欲求と私」というか、この言葉に対する個人的な思い出を書いておく。 先日、あるオフ会で、「承認欲求って言葉が広がったのって、シロクマさんが“戦犯”だよねー」と言われた。私はネット上で承認欲求という言葉を使い始めた言いだしっぺではな…

ネットで「承認欲求」が使われるようになっていった歴史

この記事では、インターネットやメディア上で承認欲求という言葉が使われるようになっていった経緯について、個人的にまとめてみる。 現在、承認欲求という言葉はネットスラングのように用いられている。と同時に、著明な学者さんが「承認」という言葉を使っ…

私達はどのように承認欲求と向き合うべきか

第一回:承認欲求そのものを叩いている人は「残念」 第二回:承認欲求の社会化レベルが問われている 第三回:承認欲求がバカにされる社会と、そこでつくられる精神性について 第四回:私達はどのように承認欲求と向き合うべきか(今回) ここまで、承認欲求に…

承認欲求がバカにされる社会と、そこでつくられる精神性について

先日の記事では、承認欲求が社会化されていくプロセス、熟練度がアップしていくプロセスについてまとめた。今回は、承認欲求、とりわけ思春期前半の逸脱しやすい承認欲求が罵倒されたり排除されたりしやすい社会情況と、その問題について振れてみる。 昨今、…

承認欲求の社会化レベルが問われている

前回示したように、承認欲求そのものを叩くことに意義は無い。だが、承認欲求の充たし方、承認欲求にモチベートされて行う行動には、是非や可否が伴う。 承認欲求が充たしたいからといって劇場型犯罪を犯して良いわけがない。 承認欲求が充たすために通勤電…

承認欲求そのものを叩いている人は「残念」

なぜ承認欲求と自己愛が問題になるのか? - デマこい! リンク先に書いてあるように「承認欲求や自己愛は人間の基本的な心理的欲求」であり、それそのものをバッシングするのは人間の基本的性質をバッシングするに等しい。ところが今日のインターネットでは…

「きっと何者にもなれない時代」の平凡と「あらかじめ何者かが強制された時代」の平凡

以前、深夜アニメで「きっと何者にもなれないお前達に告げる」という台詞が出てきて、ちょっとした人気を博していた。「きっと何者にもなれないお前達」という台詞がインパクトをもって受け止められたということは、多くの視聴者が「何者かになりたい」自意…

比較検討:『母がしんどい』と『毒親育ち』

母がしんどい作者: 田房永子出版社/メーカー: 新人物往来社発売日: 2012/03/24メディア: 単行本(ソフトカバー)購入: 10人 クリック: 144回この商品を含むブログ (33件) を見る毒親育ち作者: 松本耳子出版社/メーカー: 扶桑社発売日: 2013/04/18メディア: …

黒っぽいレトリックを駆使してPVを稼いでいるブロガーは、どこでブログを書いてもウンコまみれになるのでは

今のスタンスではてなブログで書き続けてると、潰れるだろうなと思った話 - 体調わる子のお知らせ掲示板 批判コメなんて9割は「読む価値ない」んだからほっときゃいいのに - 中川龍のヒマつぶしブログ 2013年12月6日〜8日に観測された「ブログもうやめたい…

スマホをスマートに使いこなすのは(特に中年には)難しい

http://toyokeizai.net/articles/-/20210 セレブの間で、「スマホ絶ち」が流行っているという記事を見た。そりゃそうだろうな、と思った。そもそも今まで、スマホなどというデジタルガジェットを、四十代、五十代の人がわざわざ買い求めること自体、どこかお…

私にはイオンが眩しすぎる

http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20131102-00000002-pseven-bus_all イオンに限らず、最近のショッピングモールは暖かい照明に充たされていて、空調も快適だ。あらゆる商品、あらゆるコンテンツ、あらゆるエンターテイメントが、たったひとつの空…

ショッピングモールより、まずは自動車、国道だ――ロードサイドの精神性について

朝夕の国道沿いは、いつも渋滞している。とりわけ、地方都市と地方都市を結ぶ幹線道路はうんざりするほど車が溢れかえり、往復にかかる費用と労力は大都市圏の電車通勤に決してひけをとらない。 一頃、いつもの道路、いつもの交叉点で、私はプジョーのロゴを…

「君は正しかったんだよ」と言って貰いたがっている人について

まとまりのある話ではないけれども。 「君は正しかったんだよ」と言って貰いたがっている人が、たぶん沢山いる。 診察室の内側にも外側にも。 もとより、普遍的に正しい生き方は存在しない。正しい生き方は人の数だけ存在する。高収入なら正しい、家庭を持て…

ネットにおける“十年”の重み――消されなかったアカウントだけがネットの歴史になっていく

結局は、続けることだった!Amazon アフィリエイトを4倍にした3つの方法:[雪] リンク先は、「アフィリエイトをずっと貼り続けたら収入がアップしました」という主旨の記事だった。「継続は力なり」「千里の道も一歩から」とは言うけれど、ネット上での小…

私が中高生のネット依存をヤバいと思う理由

ネット依存の中高生、国内に51万人 厚労省推計 :日本経済新聞 厚労省の研究から「中高生のネット依存者が推計52万人」という数字が出た。私はインターネットは学齢期からやっても構わない、むしろやるべきだと思っていたクチなので、この数字には衝撃を受け…

キラキラしてなくても、いいじゃないか。

ネットつまんね話で観測範囲変えろよってのは正論なんだけど、変えた所で目に入るのはまとめ系サイトとかWikipediaとかで。いつもの暮らしから抜けだして地方とか海外行ってみたのに町並みにマクドとかユニクロとか溶け込んでてあれ結局いつもと同じじゃねみ…

「大の大人がゲームをする必然性」を自問自答するのも悪くない

大の大人がゲームをする必要がどこにあるの はてな匿名ダイアリー リンク先の問いはシンプルだ。「大の大人がゲームをする必要があるの?」――もっと楽しい事があるんじゃないか、もっとためになる事があるんじゃないか、もっと奥の深い営みがあるんじゃない…

国道沿いでも、若い人はネットをちゃんと使いこなしてますよ

インターネットは都市部と地方の格差を縮めたか - ボンダイ リンク先は、全国の地方インターネット愛好家を敵に回しそうな文章でした。なに?「田舎の若者はみんなガラケー開いてケータイ小説読んでいる」ですって? いったい何年前の地方ですか。引用文献が…

国道沿いの「退屈」について――『ここは退屈迎えに来て』

ロードサイドと東京を往復するような物語は、ケータイ小説やライトノベルにもそれなりある。けれども自意識を滴らせるような小説にはそれほど出会ったことがない。もし、出会ってしまったなら、きっとひどく感情移入してしまうんだろうなぁと前から思ってい…

ニュータウンに日は暮れて――歴史なき街の、生と死

「日本人が過疎地の人口をニュータウンに移民させるようになって既に四半世紀が過ぎていた。地方都市の周りの巨大なコクドウ沿いは日本人の第二の故郷となり、人々はジャスコで出会い、子を育て、そして死んでいった」2013-05-28 18:02:58 via Twitter for A…

「どうせなら、よく訓練されたナルシストになろうぜ」

巨大な自己愛と、巨大な行動力 - 常夏島日記 http://d.hatena.ne.jp/trobar2108/20130602/1370137241 去年、今年と、私の自己愛の問題に言及した文章をトラックバック経由で送っていただいた。こういうテカテカした心理学的テーマは大好きなので、ごちそうさ…

伸びたのは「余生」であって、「若さ」ではない

最近は、ネットでも「四十歳になった」「健康が気になるようになった」的な文章を目にする。私自身がそういう話題を気にするようになっただけなのか、それとも、黎明期からネットをやっている連中がだいたいそれぐらいの年齢層なのか。 そういえば、ニートの…

「あなたの中二病は、今、どこにいますか?」――大人になってからの中二病ソウル管理問題

中二病でも恋がしたい! (1) [Blu-ray]出版社/メーカー: ポニーキャニオン発売日: 2012/12/19メディア: Blu-ray購入: 1人 クリック: 536回この商品を含むブログ (102件) を見る 一般には、思慮分別のつく年齢になった人は中二病を卒業していく、といわれてい…

自称クズ=理想と現実のギャップに苦しんでいる人

http://anond.hatelabo.jp/20130306163244 リンク先は、就職活動中の大学生が書いた長文だ。文中、「自分はクズ」「人間失格」といった文字がちりばめられ、「どうやったらスティーブジョブズになれるんだよ!」とも書かれている。リンク先の書き手が、精神…

「インターネットではチャンネル争いが起こらない」

テレビを一人で観るようになったのはいつ頃からだったろうか。 昭和30年代の写真を探すと、町角で大勢の人がテレビを見ている風景を見かける。この頃のテレビは、かなりの確率で“みんなで観る”ものだった。一家に一台テレビが普及した後も、テレビはやはり皆…

青春時代を彷徨い続けるオジサンが大人の音楽を騙るなんて、ちゃんちゃらおかしい

俺たちオジさん(オバさん)には今、歌う歌もなければ、聴く歌もない!(富澤一誠) - 個人 - Yahoo!ニュース リンク先では、61歳の音楽評論家が現代のミュージックシーンについて「青春時代の音楽を取り戻して欲しい」「30年程前のあの〈熱狂〉をもう一度」と…