シロクマの屑籠

p_shirokuma(熊代亨)のブログです。原稿に追われてブログ記事はちょっと少なめです

コミュニケーション

“ネットde真実”は遠くなりにけり

1.あらかじめ断っておくと、いつの時代にもインターネットには事実でも真実でも無い書き込みがたくさんあった。例えばパソコン通信上の文面や、ウェブサイト同士の友誼を掲げた文面で、本心とも事実とも一致しないような玉虫色の言葉が弄されることなど、…

メンタルが弱ってくると、インターネットが難しくなる

今日、こんなメンションをtwitterで見かけて、あれっ?と思った。 そうだ、艦これ地獄で把握してなかったんだけど大阪方面の水害で知事閣下とか市長猊下はなんか面白いことやった?(適切な対処は期待してないし無理なので報告不要)2014-08-11 13:29:41 via…

間合いを詰めすぎると、うまくいかない

友達関係でも夫婦関係でもそうだが、親密さを求めてお互いの心理的な間合いを縮めすぎると「重くなる」。自分の振る舞いも、相手の振る舞いも、どんどん鬱陶しいものになっていく。 仲の良さと対人関係の間合いの近さはイコールではない。 間合いが遠いけれ…

叱る側の責任には興味ありません。叱られる際の効率性に興味があります。

昨日の記事に、以下のコメントがついているのを観て、しばらくボンヤリしました。 叱り手の能力次第じゃね?「(意味が)伝わらないのは送り手の責任であって、受け手の責任じゃねぇ」ってとこ。ついでに叱るのは叱り手の損が多いからじゃね?損が大きければ…

日常コミュニケーションの抽象度増大問題

マジョリティが二次創作や脳内補完に親しんでいる社会 - シロクマの屑籠 脳内補完トレーニング装置としてのコンピュータゲーム - シロクマの屑籠 最近、コンテンツ消費やキャラクター消費の世界では、「少ない情報量でつくられたキャラクターやストーリーを…

「あいさつ」と「既読スルー問題」

こないだ、LINEやfacebookの「既読スルー問題」をテレビで見かけた。いつもなら「相変わらずしんどいオンラインコミュニケーションしているな」で考えるのをやめてしまっていただろうけれど、ちょうど直前、あいさつについて調べ物をしたせいか、両者に関連…

ネットでは、給湯室談義が権力を帯びるようになり、ワイドショー人間が権力者になる

昨日の続き。 これまでの社会では、ほとんどの人間がワイドショー的なお喋りに耽っていようとも、たいして問題になることはなかった。 もともと人間は、ある程度までワイドショー的だ。給湯室談義も、床屋談義も、居酒屋談義も、かしこまって専門的に喋るわ…

なんでも手当たり次第に言及しているアカウントは、ワイドショーの劣化コピーになってしまう

ブログやtwitterを眺めていると、ワイドショーを劣化させたようなアカウントをしばしば見かける。ありとあらゆる話題に言及しているけれども、どれもこれも底が浅く、皮相的で、読者におもねるところ甚だしいようなアカウントだ。時事の話題、ネットの話題に…

「メンヘラ芸」はプリントアウトして主治医に見せるべき症候では。

メンヘラをネタにインターネットで人気者になることについて : 戦争だ、90年代に戻してやる http://hallucinyan.hatenablog.com/entry/2014/03/08/150824 上記リンク先の文章は、「メンヘラ芸」「メンヘル芸人」的なものに警鐘を鳴らす目的で書かれたものと…

「努力」についてまわる高度経済成長期の呪い

「努力は必ず報われる」の残酷さは「報われないならそれは努力ではない」にある。2014-02-15 19:14:57 via Keitai Web 「努力」。 この言葉をやたらと礼賛する人がいる。 努力さえすれば必ずなんとかなる。人間、努力が肝心だ。努力せよ、努力せよ、努力せよ…

育児お役立ちアイテムは何を与え、何を奪うのか――マクルーハン的に

空気清浄機は新米パパママには必須品だった(別の用途で) - 新米パパのイクメン(育児)日誌 生身の人間では気付きにくいものが、機械やセンサーの性能によってカバーされる――有史以来、繰り返されてきたことだと思う。上記リンク先は、空気清浄機のセンサ…

「コミュニケーションできなければならない」という規範意識

絶望感がすごい リンク先の文章は、今日の社会ではありがちな悩みだと思う。人間関係や社会的加齢が自己責任になった以上、「年相応に年を取っていくためにどうするのか」「誰と一緒に人生を歩んでいくのか」といった問題は、すべて自分で判断し、舵取りしな…

ネットは深夜番組じゃなくなった。アングラでもなくなった。

ここ最近、なんとなくネット炎上の質感が変わったような気がしていてモヤモヤしていた。けれども今日、twitterでやりとりしているうちに、やっとモヤモヤ(の一部)を言語化できたような気がしたので、書いておく。 昔のネットは深夜番組、今のネットはゴール…

相手の目を見ないのは、言葉に耳を傾けていない以上の情報喪失

「目は口ほどにモノを言う」という諺もあるけれど、目は口以上にたくさんの情報をアウトプットし、耳以上にたくさんの情報をインプットしている。言葉では何十秒もかかる意思疎通が、目では一瞬で済むこともあるし、口でウソをついているのとは違った情報が…

もし「第三のブログ」があるとしたら

2013年の秋から12月にかけて、はてなブロゴスフィア、特にはてなブログ周辺では「サードブロガー」という新語を巡って様々な言葉が飛び交っていた。あまり巻き込まれたくない話題だったので静観していたけれど、そろそろ話題として落ち着いたようにみえるの…

模倣・自作・車輪の再発明の重要性

「ごっこ遊び」って悪いこと?/自己満足で終わらないために - デマこい! リンク先に書いてある「模倣」の重要性。 模倣は、文章上達にとても役立つ。ただ、模倣やコピーだけで上達するのではない。そのあたりについて、補足してみたい欲求が沸いてきたので…

ネット掲示板とスーパーマーケットの掲示板は結構似ている

最近はたいていのスーパーマーケットに“お客様の声”を掲示するスペースがあって、たくさんの声が寄せられている。「お店のサービス向上のために」と銘打たれた、お客様からの、匿名の書き込みの群れ。「あれが欲しい」「この商品が置いてない」といったシン…

みんなちがってみんないい――「集団」になれても「団体」になれない私達

消費社会の神話と構造 普及版作者: ジャンボードリヤール,Jean Baudrillard,今村仁司,塚原史出版社/メーカー: 紀伊國屋書店発売日: 1995/02メディア: 単行本購入: 12人 クリック: 108回この商品を含むブログ (72件) を見る 立場の弱い人間、苦しい境遇の人間…

毒舌は危ない香辛料で、濫用すれば因果が回ってくる

優等生が言ってることはつまらない - Hagex-day info インターネットじゅうのゲスい文章や悪徳ブロガーに目を光らせているネットウォッチャーのhagexさん。彼がリンク先でこんな事を言ってました。 「優等生の言ってることはつまらない。」 「毒舌は面白いし…

“はてな村”から、村長・年寄の社会機能に思いを馳せてみる

足掛け十数年に渡ってネットウォッチャーをしている人のなかには、ネット上で起こった揉め事や出来事を概ね記憶し、ネット上の生き字引のような役割を果たしている人がいる。 例えば、(株)はてなのネットサービス上で“村長”と呼び親しまれていた人物――ここで…

google検索は召喚術で、あなたの詠唱能力が試されている

google検索は召喚魔法の呪文詠唱みたいなもので、googleはユーザーの詠唱能力を試している。熟練ウィザードのスペルキャストには、インターネットの森羅万象を。駆け出しの魔法使いが唱えたありきたりのワードには、ありきたりのものを。 「google検索はユー…

エアリプライの危険性と対策

昨日、id:a-parkさんと「ネットリテラシーの怖い話をするオフ会」を開催した。こういう記事を書いている御仁だけあって、ネットリテラシーに対する鋭い意識、ネットアカウントの脈拍を感知しプロファイルする能力の高さは凄かった。機会があったら、また連絡…

はてなブックマークの多様性は、そんなに馬鹿にしたものじゃない

はてブは井の中の蛙の集まり 一時期、「はてなブックマーク」なんてロクなものじゃないと思っていた。誹謗中傷や名誉毀損は論外として、読解力皆無のコメントや見当違いのコメントを見かけるたび、うんざりさせられたからだ。 リンク先も、しようもないブッ…

「ネットがつまらない」≒「自分がつまらない」

ネットもつまらなくなった 「ネットがつまらない」=「自分がつまらない」は言い過ぎとしても、「ネットがつまらない」=「自分のネットユースがつまらない」「自分の眺めているネットがつまらない」なので、ネットそのものが問題というより、その人自身の所…

孤独なニュータウンの近未来――もし、アメリカの後を追いかけているとしたら

地方にこもる若者たち 都会と田舎の間に出現した新しい社会 (朝日新書)作者: 阿部真大出版社/メーカー: 朝日新聞出版発売日: 2013/06/13メディア: 新書この商品を含むブログ (19件) を見る 生活環境を語るアングルとして「都市」「地方」という二分法が有効…

「自分のブログやSNSを読み返す習慣」とネットライフ安定性

ネットで温度が高くない平熱の人の文章を読んで、自分の位置を確認する : ARTIFACT ―人工事実― リンク先は、「インターネット上で平熱の人の文章を読むこと」の効能からはじまり、ノウハウ蓄積の重要性やネットに書き綴る動機の話まで盛りだくさんだ。継続的…

ネット世代それぞれの面白さ/ネットインフラそれぞれの面白さ

こないだ、インターネットがベテランな人とオフ会をしていて、現在のインターネットの“面白さ”を巡る話になった。ネットの古参・新参にありがちな「どうしてこんなものが面白いのか」問題について。 ネット世代それぞれの面白さ、コアユーザー/ライトユーザ…

スマートフォンやタブレットばかり使っていると頭が悪くなるんじゃないか

「いいね!」に慣らされて俺はバカになってしまいそうだ - シロクマの屑籠 ついでに、スマートフォンやタブレットばかり使っていると頭が悪くなるかもしれない問題――言い換えると“日頃使っているインターフェースに思考が影響を受ける問題”――についてまとめ…

「いいね!」に慣らされて俺はバカになってしまいそうだ

Facebookの「いいね!」やtwitterの「リツイート」「お気に入り*1」に慣れ親しんでいるうちに、自分の頭で考えるのを面倒くさがるようになった気がする。 Facebook上でなにか面白い文章・考えさせられる文章を見かけた時、私は「いいね!」をクリックする。t…

ブログを更新するほど、思考が豊かになっていく――インプット手段としてのブログについて

数年前、私のブログに「そうやって(ブログに)知識を全部吐き出してしまえ」とコメントした人がいた。その人にとって、ブログとは知識をアウトプットするもの・ネタを吐き出すものだったらしい。 もし、ブログが蘊蓄自慢や知識のお披露目会みたいなものだった…