シロクマの屑籠

p_shirokuma(熊代亨)のブログです。原稿に追われてブログ記事はちょっと少なめです

契約社会・専門家社会の論理と子育てについて

「夫婦に満点を求める社会」の無理ゲー感 - シロクマの屑籠 こちらの記事のさらに元記事の筆者さんから、はてなブックマーク上で、お返事を頂きました。これについて、日頃から思っていることをお伝えしたい気がしたので、以下に記してみます。 元記事の著者…

ネットで薬を調べまくる患者さんも、自分が何を知らないのかまでは知らない

最近は、スマホやタブレット片手に、インターネットで薬や精神疾患について調べながら来院される患者さんが増えました。薬の名前をペラペラ列挙し、先生あれどうですか、これどうですかと、あたかも製薬会社のセールスマンのようです。 副作用もよく調べてま…

結婚や子育てを考える“おのぼりさん”に、どうか幸あれ。

『地方創生』は結局インチキじゃないか?: やまもといちろうBLOG(ブログ) リンク先の主旨には賛成だ。「地方創生」とは言うけれども、助成金をただばらまくだけではまずかろうし、廃村が免れないエリアと中核都市然としたエリアを一緒くたに論じられるわけ…

「ただし、お金や判断力や体力に恵まれていたら」

自由。それは良いものである。 ただし、お金と判断力と体力に恵まれていたら。 自由。それは取り扱いに注意しなければならない。 お金にも判断力にも体力にも恵まれていないなら、尚更だ。 お金や判断力や体力に自信のある人々が、自由の徹底を叫ぶのは、私…

“ボダ”の一人歩き――本当に境界性パーソナリティ障害なのか

ネット上で、境界性パーソナリティ障害を指す「ボダ」という俗語が流通し始めたのはいつ頃だっただろうか。今では、このボダという俗語もすっかり定着し、あちらこちらで、あまり良くない意味合いで用いられている。境界性パーソナリティ障害の難しさが、そ…

“ちきりんブロック”も案外悪くないのかも

ちきりんは、なぜ嫌われる? - あざなえるなわのごとし ちきりんは何故これほどまで必死なのか - クソログ 最近立て続けにブロガー・ちきりん氏についての考察を見かけた。ちきりん氏の本心を読み取ることはできないとしても、こうして、ちきりん氏について…

カテゴリー「ワイン」を新設します

そろそろ、ワイン関連の記事が溜まってきた&これからまだ増えそうなので、カテゴリーとして独立させることにしました。 とりあえず、以下の記事をカテゴライズしておきます。 嬉しい日も悲しい日もシャンパンを呑んでいた - シロクマの屑籠 くたびれた金曜…

スマホが普及した頃に起こった「ネット文化圏の融合」について

ネットコミュニケーションが変わっても、「私」はあまり変わらなかった - シロクマの屑籠 昨日アップロードした文章を読み直してふと思ったんだけど、スマホが普及してきた時期あたりから、二つのインターネットサブカルチャー、あるいは二つのネット文化圏…

「良い大学に行きたければ、恵まれた家庭に生まれなさい」――成人の自由にもとづく新しい“世襲制”

釣りっぽいタイトルだけど、実際、そうなってきている。形式としては子どもの自由な学業選択は成立しているが、実情としては、生まれた家庭の環境によって大きなハンディやボーナスがつくようになっていて、個人の努力で覆すのは大変難しい。そのさまは、さ…

「噛ませ犬記事」の真贋なんて、どうでもいいんじゃないの?

ライフハックネタの上での「グローバルエリートwwwww」と、実際の人間は違うよという当たり前の話。 - 深淵 誰か、こういう事をはてなブックマーク上じゃなくてブログ記事で書いてくる人がいないかなーとほんのり待っていましたが、そうですか、houyhnhmさん…

なんだよ、グローバルエリートって躁状態なのか?

グローバルエリートはみんな実践! 来年から絶対に身につけたい早起きの習慣と朝の時間の活用法 - この世の果てブログ 「デマこいてんじゃねぇ!」 リンク先の文書を読んで思わず叫んでしまった。 リンク先の書き手はグローバルエリートを自称し、“早朝ライ…

考えをブログに書く行為と、自分だけの日記帳に書く行為を、使い分ければいいじゃない

現在進行形の出来事をブログで語る、語り部の負うリスクについて - ←ズイショ→ いや、仰りたいことは分かるんだけど、ブログに「自分の考え中のことを書く」ってのは、そんなに難しくもないし、考え方によっては罪深くもないと思いますよ。 確かに、奥行きの…

キャラとペルソナ、「本当の自分」、記憶の一貫性

先日、twitterをやっていたら以下のようなreplyを頂いた。 @twit_shirokuma はじめまして。現代は「本当の自分」を表現する方法がたくさんありすぎて、少しずつ使いわけをしているうちに本当の自分から遠ざかってしまっている気がしました。TwitterやFaceboo…

私って“尖った”ブロガーですか?

ご好評を頂いている融解するオタク・サブカル・ヤンキー ファスト風土適応論に、今回、心理畑の方から感想を頂き、びっくりしました。ありがとうございます。 http://d.hatena.ne.jp/sutare/20141009/p1 リンク先がそれです。書籍の概略をしっかり紹介してい…

人生の友としてインターネットをどう取り扱うか

最近、インターネットの使い方が難しいと感じるようになってきた。それなり、ネットユースについては注意深くあろうとしていたつもりだけれど、見積もりが甘かった。いずれ、ついていけなくなるような気がする。 ネットは、思ったよりも簡単じゃない。 「そ…

忙しさのなかで「自分がつくられていく」感覚

ブログを書いている時間が惜しい時ほどブログを書きたくなるのって、なんなんでしょうね。それはさておき。 毎日、やる事がたくさんあって休む暇も無く働き続けていると、「自分って何?」「自分のやっている事の意味」とか悩まなくなってくる。 やらなけれ…

栄華を誇った人でさえ、唐突に死んでいく

理研の笹井さんについては、これまでも、これからも多くの事が語られるのだろう。STAP細胞云々については、特に書く事は無い。ただ、大きな才能の消失を悼むより、期待も予測もされなかったはずの一個人の死に、頭を垂れたい。 ニュースを知った時、世の無常…

現在の常識は未来の非常識

2030年、老人も自治体も"尊厳死"しかない | 真のリベラルを探して | 東洋経済オンライン | 新世代リーダーのためのビジネスサイト リンク先の文章を読んで、「ああ、やまもといちろう さんも近未来にディストピアを想定していらっしゃるのか」と、納得した。…

「暗記のカラクリ」に馴染むまで、基礎医学は悪夢だった

なんとなく医学部に入った人は多いんだろうな 私もなんとなく医学部に入った後、基礎医学に散々苦しめられたクチなので、何度も頷きながら読んだ。 リンク先の筆者は、数学のテストで公式を自作しながら解いたという。私はそこまで器用じゃなかったけれど、…

イケダハヤトさんの煽りキャラは、何歳まで有効か

イケダハヤトはなぜ嫌われるのか? エレファントブックス新書作者: イケダハヤト出版社/メーカー: エレファントブックス発売日: 2014/06/01メディア: Kindle版この商品を含むブログ (1件) を見る 先日、電子書籍のエレファントブックスさんから「新刊が発売…

地域社会で見かけた「謎の余所者」

じきに忘れてしまうのが恐いので、今のうちに文章化を試みておく。 私が子ども時代を過ごしたのは、いかにも「地域社会」っぽい集落だった。成人達にとって、しがらみは大きかっただろう。それでも、いわゆる「家格」的なものが支配的ではなくなっていたので…

移民を前提とした先進国/移民を前提としない新興国、それぞれの少子高齢化

「ファスト風土が、末端から壊死していく」 - シロクマの屑籠 上記の続きとして、少子高齢化にまつわる文脈やお国事情の違いを意識しながら、まとまりの無いことを書いてみる。 宗教や民主主義などもそうだが、ある思想やシステムを別の国に移植すると、移植…

「ファスト風土が、末端から壊死していく」

極点社会 ~新たな人口減少クライシス~ - NHK クローズアップ現代 先日のNHK 『クローズアップ現代』は、東京への一極集中と過疎地の消滅、そして日本全体の出生率低下についての特集だった。かじりつくように視聴した。 地方の幹線道路沿いに住んでいると…

「弱さ」は悪ではない。苦ではある。

弱いことは悪なのか : web-g.org リンク先では、父親による子殺しのケースを提示しつつ、「弱さ」は悪か否かを読者に問いかけている。「自分ならどう答えるだろう?」としばらく考えるうちに、「弱さ」は悪ではないけれど、「弱さ」を抱えながら生きていくの…

今、インターネットおじさん(おばさん)として問われていること

インターネットおっさんとしての生き方 ~36歳を迎えて | @raf00 リンク先は、黎明期からインターネットと付き合いながらおじさんやおばさんになった人には無視しにくい文章だ。 かつて、インターネットは若者の国だった。少なくとも、マスボリュームという…

次の思春期のために。次の次の思春期のために。

Marginal Soldier: 大人になんてなりたくない:「若作りうつ」社会 拙著「若作りうつ」社会 (講談社現代新書)をお読み頂き、ありがとうございました。ご感想を拝見しながら、年の取り方と未来について、箇条書き的に書き連ねたくなったので、やってみます。 …

「“「若作りうつ」社会”を読んだ。」を読んだ。

”「若作りうつ」社会”(シロクマ先生の新著)を読んだ。 拙著に早くも感想を頂きました。匿名ダイアリーですが、筆者はid:internusさんとの事です。ありがとうございます。 拙著を手に取られる方って、たぶん三十代〜五十代ぐらいと想像していたので、二十代…

PVの金貨、PVの銀貨、PVの銅貨

このブログの年間PV数は、かなりショボい。 大手ブログにはほど遠く、中堅ブログを名乗るのも難しい。 けれどもこのブログのお陰で、私はたくさんの知己を得て、有意義な意見交換をさせて頂き、単著を出すこともできた。もし、PV数が絶対的基準だったとした…

google検索の神様は誰を贔屓して、誰を見放すのか

「ググレカス」が世界を変える/ネットのコンテンツは「紙と放送の時代」と何が違うか。 - デマこい! Rootportさんは、テクノロジーの進歩・事物の明るい部分をブログに書かれることが多くて、それは好ましい性質だといつも思う。『デマこいてんじゃねぇ!』が…

土人というより「土人的な」。ヤンキーというより「ヤンキー的な」。

http://marginalsoldier.blogspot.jp/2013/12/blog-post_25.html リンク先の文章は、日本の地方の生活から目標が失われ、刹那的な欲求によって衝き動かされる生活が蔓延しつつあると指摘している。正午さんは厳しいレトリックを用いてらっしゃるが、論旨その…