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話は聞かせてもらった!
リンク先で挙げられている作品を全部知っているわけではないが、知っているゲームは名作ばかりなので、きっと筆者にとって「最高のゲーム」だと信じることにした。
ただ、最近発売された最高のゲームというには古く、それでいて時代が幅広い。一瞬、「90年代前半のゲームライターを真似た文章」を疑ったけれども、それにしては発売時期がバラけているし、据置ゲーム機と断りを入れているにしてはアーケードゲームの移植作が多かったりする。
愛好家の語る「最高のゲーム」は、愛好家自身がゲームを遊んだ時期、環境によって左右される。好みも違えば、評価のスタンスも違うだろう。プロのゲーム評論家なら、ゲームそのものの楽しさだけでなく、ゲーム史上の位置づけまで考慮するかもしれない。
……まあ、そんなごたくはどうでも良い。思い入れのあるゲームを「最高のゲーム」として、それぞれが自分の経験からしゃべることのほうが大事で、面白いことだと思う。その人ならではのゲーム体験やゲーム観がかならず「最高のゲーム」に反映されているはずだからだ。
リンク先のリストを見て、私も「最高のゲーム」を挙げてみたくなった。機種や環境の区別をせず、10年単位で区切ってみようと思う。もちろん思いっきり主観的なやつを、だ。「最高のゲーム」は、その人が遊んだ最高の思い出のなかに見いだされるべきだと、私は思うからだ。
80年代
80年代はアーケードゲームとファミコン~スーパーファミコンの時代だった。なにより、日本のパソコンゲームメーカーがほとんど最強だった。
・ゼビウス
本当にやりこんだ最初のゲーム作品で、ゲームの世界に自分が飛び込んでいく感覚を与えてくれた。反復的な暇つぶしでなく「ゲームの世界」を見せてくれた最初のゲームは間違いなくゼビウス。今でもぜんぜん遊べる。
・ドルアーガの塔
「ゲームの世界」をみせてもらうだけでなく、二次創作や脳内補完することを最初に教えてくれたゲーム。大学生時代からはアーケード版をワンコインクリアするのに燃えた。今でもぜんぜん遊べる。
・ザナドゥ
本当の意味で自分が最初に出会ったロールプレイングゲーム。ドラクエ3やウィザードリィもいいし、同じく日本ファルコムが出していたイースやソーサリアンもいい。が、緻密な戦略性と自由度の意外な高さでいえば、やっぱりザナドゥだと思う。
・ゼルダの伝説
任天堂のゲームはいつの時代も面白いけれど、80年代も傑作だらけだ。でもひとつ挙げろと言われたら、ディスクシステム版のゼルダの伝説を挙げたい。これは、個人的な思い入れの強さによるもので、スーパーマリオブラザーズやエキサイトバイクでもおかしくないとは思うけれども。
・提督の決断
1980年代の光栄は、パソコンゲームメーカーとして世界最高水準だったんじゃないだろうか。個人的には提督の決断を挙げるけれども、信長の野望や三国志、大航海時代も捨てがたい。海戦は今やってもぜんぜん遊べる。
・SDガンダム2カプセル戦記
ねとらぼにも書かれているけれども、隠れた傑作。シミュレーションゲームとしての戦略性と、アクションゲームとしての操作性をここまで両立させたゲームをいまだ知らない。今やってもぜんぜん遊べる。
・女神転生2
80年代のJRPGには傑作がたくさんあるけれど、替えの効かない傑作は女神転生2だと思う。なにしろこの作品、21世紀には絶対リリースされない内容だからだ。JRPGの懐の広さと表現の自由さ加減を体現している。ほかは21世紀の佳作で替えがきくが、これは替えがきかない。
90年代
90年代は私にとってアーケードゲームの時代、それも、シューティングゲームを徹底的にやりこんだ時代なので、「最高のゲーム」もそれを反映したものになる。
・ファイナルファンタジー4
ファイナルファンタジーからは、思い入れ的にファイナルファンタジー4を挙げる。スーパーファミコンになってはじめてのファイナルファンタジーだったのでインパクトがあり、なにより、黒魔法のフレアがちゃんと強かったので◎。
・ダライアス外伝
90年代の横スクロールシューティングゲームの最高傑作と言っても間違いではあるまい。今遊ぶと当たり判定の厳しさやバリアの脆さが厳しいけれども、とはいえ奇跡のゲームバランス、当時最高のグラフィックとBGM。
・バトルガレッガ
奇跡のゲームバランスという点では、縦スクロールシューティングゲームのバトルガレッガを挙げるしかない。プレイヤーにかなりの技量を要求するけれども、そこから先の伸びしろがものすごく大きい。今やってもぜんぜん遊べる。
・怒首領蜂
東方シリーズへと繋がる弾幕シューティングゲームのさきがけとなった作品。後続作品と比べると、ルールがシンプルで弾幕も破天荒ではないので、実は現在でも遊びやすいほう。最高の弾幕シューティングゲームのひとつ。
・スターブレード
ナムコがバブル景気の勢いでつくりあげた、ポリゴン宇宙戦闘ゲーム。奥行きのある特殊ディスプレイのおかげで、ゲーセンでしか絶対に体験できない宇宙戦闘ができた。据置ゲーム機に移植されているけれども、あの奥行きはゲーセン版以外無理。
・千年王国の興亡
第二次世界大戦モノの大戦略系シミュレーションゲームとしては、これがバランス良かった。メガドライブのアドバンスド大戦略は待ち時間が長すぎるし、アドバンスド大戦略98はスケールが大きすぎる。
00年代
00年代は、エロゲーなどに端を発したヴィジュアルノベルが完成していった時期、だと思う。それと海外のゲーム会社がいよいよ力をつけてきた。
・ガンパレードマーチ
革新的なゲームデザインとストーリー。オーパーツみたいなゲームだと思う。このゲームデザインのまま2020年代に新作を作っても、ぜんぜん楽しいはず。きれいなグラフィックで遊んでみたい。
・CLANNAD
エロゲーに端を発したヴィジュアルノベルの傑作のひとつなのは間違いない。「Airか、CLANNADか」と問われたら、めちゃくちゃ迷うが、家族や親子について考えさせられるゲームといえばこれしかない。いまだ、替えのきかない作品。
・斑鳩
「完成度の高いシューティングゲーム」をひとつ挙げろと言われたらこれだろう。2018年にリトライしたけれども全く色あせないゲーム体験だった。国宝にすべき日本のゲームがあるとしたら、斑鳩は有力候補だと思う。世界に誇れる日本のゲームだ。
・シヴィライゼーション4
外国のシミュレーションゲームとして、初めてハマったのはシヴィライゼーション3だったけれど、完成度とリピート度ではこちら。適度にアンバランスなので続編よりもこっちのほうが楽しいと感じる。
・ヨーロッパユニバーサリス3
歴史の大河に身を置けるシミュレーション装置。それと、西洋のルールに基づいた残酷無比なパワーゲームを骨の髄まで味わえる。シヴィライゼーションとは全く違った趣がある。
・シュタインズ・ゲート
日本のヴィジュアルノベル文化の到達点にして、00年代の終わりの傑作。今やってみると、00年代文化のタイムカプセルみたいで、その点でも「最高のゲーム」。キャラクターデザインも当時としては先進的だったと思う。
10年代
2010年代は仕事が忙しくなり、ソーシャルゲームの影響を良くも悪くも受けてしまった。全体として、2010年代の佳作や傑作はバランスが優れている。ただ、それだけに、昔のような野蛮なゲームは少ない。運任せな要素のあるゲームのほうが野蛮で好ましいとさえ思う。
・ダライアスバーストAC
steamに移植されたダライアスバーストCSともども、横スクロールシューティングゲームとしては最高峰、特にゲーセンの環境では没入感が高い。ステージ構成も2010年代風に練られていて、今でもぜんぜん遊べる。
・Skyrim
素晴らしいロールプレイングゲームだと思う。グラフィックは最新作に劣るけれども、グラフィック以前の世界観や世界デザインが優れていたことがかえって判明した。続編が出たら絶対にやる。世界最高峰のロールプレイングゲームのひとつ。
・Minecraft
Skyrimの少し後に触ってみて、唸らされた。現在でもアップデートが続き、modによる改造のおかげで楽しみはまだ続いている。単純作業の気持ちよさとびっくりドッキリな意外性、その場しのぎと計画性の両面が楽しめるゲームでもある。すごい。
・Fate Grand Order
自分が遊んだソーシャルゲームのなかでは艦これとFGO、どちらも捨てがたい。けれどもヴィジュアルノベルの遺産を受け継いでいるFGOを挙げる。ソーシャルゲーム然とした危険性も含め、推すに値すると思った。
・スプラトゥーン2
FPSの殺伐とした雰囲気を敬遠していた自分にもちゃんとのめりこめて、キャラクターやゲームのデザインも磨かれまくっていた作品。任天堂はこんな素晴らしいゲームを2010年代になってもリリースできるのだから、本当にありがたい。ますますの飛躍を祈念申し上げたい。
万人に勧められる「最高のゲーム」ではないけれども
90年代にシューティングゲームがたくさんノミネートされていたり、危険性を伴うソーシャルゲームを挙げてあったり、この「最高のゲーム」リストは万人に勧められるものではない。FPSがスプラトゥーン2だけなのは、FPSファンの人からすれば憤慨モノだろう。それでも一人のゲーム愛好家にとって間違いなく最高のゲームばかりを挙げたつもりだし、誰かにはきっとわかってもらえるリストだと思う。
「最高のゲーム」のリストは、愛好家の数だけある。けれども、他の愛好家のリストのどこかが琴線に触れるってことは必ずあるはずなので、私たちはもっと「最高のゲーム」についておしゃべりしたっていいんではないだろうか。