症例13(汎適所属)
久しぶりに団塊ジュニア世代の脱オタ症例の体験談を頂きましたのでアップロードさせて頂きました。今回のMさんの感性とコンテンツ選択は、同時代を生きたオタクの卵たちにとって「よくわかるもの」だと思いますし、コミュニケーションに関するリソースが乏しい者が抑圧される感覚も「よくわかる」ものなのではないでしょうか。Mさんは1970年代生まれであり、脱オタ症例報告集のなかでは比較的高齢の部類に属します。一般に、1970年代生まれの脱オタ報告例は
・脱オタに長時間を要している
・思春期前期〜中期にかけて、多かれ少なかれ抑圧された経験を持つ
・オタク趣味やオタクコンテンツが、心的適応の維持・向上に何らかの寄与をしている
という特徴を持っていますが、Mさんの場合も例外ではありません。Mさんの場合は、中学校ぐらいまでは「オタクのビニールハウス」とでも言うべき保護された環境でまずまず幸福に過ごしていましたが、オタク関連以外にリソースの投下のないまま迎えた高校生時に躓いてしまいます。そして社会人生活初年度において悲惨な境遇を迎えてしまいます。
その後、Mさんは最も苦しい状況から少しづつ時間をかけて立ち直っていきます。
ちなみにオタク趣味はさらにエスカレートし、声優、コミケ、エロ同人、エロゲー雑誌等にも手を出しました。買わなかったのはPC本体ぐらいです。当然、自分の部屋はカオスを極め、散らかり放題です。何故かは判りませんが、疲れた、色んなものを諦めた、周りから取り残された心には2次元が効く効く!効きまくるのです!
このようにオタクコンテンツに頼ったところも多々あった一方で、友人を通して紹介されたコミュニケーションに関するリソースを吸収したり、異性と出会ったりと、トライアンドエラーと試行錯誤を繰り返しながら一歩思春期を歩いています。文中、Mさんは自分の現在の境遇を「遅咲き」と評しました。確かに遅咲きかもしれませんが、臆することはありません、Mさんの時間は確かに(そして速く)流れているのですから。
より詳しいMさんの経緯をご覧になりたい方は、リンク先をどうぞ。