シロクマの屑籠

p_shirokuma(熊代亨)のブログです。原稿に追われてブログ記事はちょっと少なめです

短文

女達の真言

“わらわが戦えと言った戦場で勝てない男なぞ、要らぬ”

すべてをフィクションとみなして捉える姿勢は、 すべてを真実とみなして捉える姿勢と同じぐらい、滑稽である。

克服困難

「何事にも執着すまい」という執着。

しばしば起こること

禁欲という、快楽。 貞操という、淫乱。 愛情という、打算。 利他という、利己。 献身という、搾取。 論理という、情念。 あなたが“逸脱した者”でない限り、こうした現象は恒常的に発生する。

海は広いという人達と同じです

見よ、「世の中はひどいひどい」と言う人達を。 彼らはあまりに当たり前の事を言っている。 「海は広い」「山は高い」と言っているのと、何も変わらない。 有史以来、娑婆の道理がひどくなかった例など、どこにもない。 海が広く山が高いのと同じぐらい、娑…

人心の荒廃が、かえって彼らの適応能力の高さとフレキシビリティの高さを 示していることがある。彼らは、荒んだ環境に、適応したのだ。

ただもう過ぎに過ぐるもの

ただもう過ぎに過ぐるもの 帆かけたる舟。人の齢。春、夏、秋、冬。 清少納言[枕草子]

善良であるという自覚

「自分は善良な人間である」と確信を持って振る舞うには、何らかの愚かさか、何らかの狡猾さを要する。 ――どちらも揃っていることが最も望ましい。

平易な事実すら、嘘っぽく聞こえる人について

どんなに平易な事実を述べても嘘っぽく、ネタっぽく聞こえる人がいる。かと思えば、荒唐無稽な推測を述べた時さえ、隠された真実を仄めかしているように聞こえる人もいる。 どちらの場合であれ、その人が積み重ねてきた年輪や因果や動機が滲み出てきて、私達…

シロクマ共和国訓令第一号

百年の計とはいわん。 だが、せめて三年から五年先の自分のことを想像して取捨選択しろ。 今の自分が自己実現する必要は全く無い。 だが、将来の自分は今より穏やかな気分でいる「べき」だ。 少なくともそうなる期待値をあげておく「べき」だ。 己自身に命ず…

滑稽さは…

滑稽さは、不名誉以上に、対面を汚す。 ラ・ロシュフコー『人間についての箴言集』

まんまとだまされなかったら

まんまとだまされたかったら、自分は他の奴らより上手だ、と思いこんでおればよい。 ラ・ロシュフコー『人間についての箴言集』

脊髄反射を批判し、優越感を得るという手法

「自分は高等生物だ」と優越性を主張する方法は色々あるが、脊髄反射に終始する人間達を見下す姿勢を示したうえで、そのアングルの正当性を云々する、という方法がある。理性的・合理的・あるいは手の込んだ手法ならば、脊髄反射や本能よりもきっと優れてい…

短い自分のことばへの警句

単に「短い時間で浮かぶこと」を書くぐらいなら書くな。 「長い時間捻り出しても浮かばないこと」なら書いても構わない。

道徳偶像崇拝

自らの優越感を捻り出すために道徳を神と仰ぐ者に、災いあれ。

また逆に

あんなにジェットコースターを楽しみにしているというのに、私はジェットコースターの運動について物理方程式であらわすことに四苦八苦するし、数式をみただけでは胸がときめかない。 同様に、色恋沙汰に交感神経を刺激されるというのに、私は色恋沙汰の力動…

恋の方程式が解けたとしても

バンジージャンプを物理方程式で表現できるからといってスリルがなくならないのと同様、仮に恋や友情を数式化できたとしても、その魅力は決して色褪せまい。

自称、善良な市民

モラリストだの善良だのを称している人達をよく観察してみると、なんのことはない、道徳や利他行為がもたらす利益を損得勘定の関数に入れ忘れる程度に間抜けか、わざと考慮しない程度に狡猾か、どちらかの場合が殆どである。

優越感は、必要には違いない。が…。

思春期男性は、幾ばくかの優越感と「自分承認」を必要としている。だが、それらの無分別無制限な追求によって、少なからぬ男性が破滅の憂き目に遭っている。過ぎたるは及ばざるが如し。

人間は(信じたいと)望むことを信じる。 ユリウス・カエサル[ガリア戦記] (この訳は、「ラテン語の名言名句」の記事一覧 | 山下太郎のラテン語入門に依ります。原文はHomines id quod volunt credunt.だそうで)

吐露

自分が熱心に思っていることを吐露する時こそ、他人の正確な理解を期待しないこと。

嘘をつくための一般的助言

おいそれと嘘をついてはいけない。 滅多に嘘をついてはいけない。 だが、もし嘘をつくなら必中を期するべきだ。 99.9%の本当の間にこっそりと紛れ込ませるべきだ。 信頼を失う可能性が絶対に無いと確信出来る状況下でなければ嘘はついてはいけない。 ここぞ…

「べき」では他人を扱えない

沢山の人間を対象とした計画を実行する時には、人間がどう「あるべきか」やどう「あって欲しいのか」に基づいて計画してはいけない。実際に人間がどう「あるのか」を直視しなければ、その計画はかならず頓挫するだろう。

インストールの手順

まず、その考察がどのぐらい確からしいかを精一杯考えるんだ。 その考察が自分にとって有益かどうかは後でゆっくり考えればいい。 その考察が自分にとって不快かどうかは後でゆっくり感じればいい。

どこかの誰かに捧げる言葉

人間にとっての「感情」は、生物としての利害に基づいて情報入出力をautomaticに調整する、生得的な装置として機能している。 ※勿論、こうした装置が先天的に獲得出来ないケースや、発達の中で適切な刺激によって誘導されなかったりするケースは、あるだろう…

どうみても妄想です。本当にありがとうございました

【どこをどうみても妄想としか思えない言質】 「僕は正しいことだけを記述し続けるんです!」 これは殆ど間違いなく、正気の沙汰ではない。

任意の分野において、自分より優れた人や劣った人をみかけた時の、イヤらしい感謝

優れた人に出会った時には、感謝しましょう。 自分にはない技術やノウハウをコピーするチャンスを私は獲得しましたから。 自分と同じぐらいの人に出会った時には、感謝しましょう。 ともに切磋琢磨するチャンスを私は獲得しましたから。 自分より劣っている…

われわれは、期待があって約束をし、心配があってこれを守る。 ラ・ロシュフコー[人間についての箴言集]

色恋沙汰にいちばん足りないのは、愛だ。 ラ・ロシュフコー[人間についての箴言集]

自意識に香水を

格好をつけたいと思う者はまず、「格好をつける」臭みを消さなければならない。 自意識のすえた臭いをごまかす香水を、ふりかけなければならない。