このたび私は、承認欲求などをメインテーマとした『認められたい』という本を出版します。
- 作者: 熊代亨
- 出版社/メーカー: ヴィレッジブックス
- 発売日: 2017/02/28
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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定価:1575円
単行本(ソフトカバー): 191ページ
出版社: ヴィレッジブックス ※表表紙はこんな感じ
人間は、「認められたい」という気持ちと無縁ではいられません。
とりわけ現代社会では、他人に誉めてもらいたい・注目されたいといった承認欲求が取り沙汰され、オンラインでもオフラインでも、この欲求をめぐってさまざまな悲喜劇が繰り返されています。
今の日本社会では、衣・食・住や安全といった生活に必要なモノが充実しているので、それらに飢えている人はあまりいません。しかしだからこそ、モノへの欲求以上に、「認められたい」という人間関係にまつわる欲求に飢えている人は多いのではないでしょうか。
「認められたい」に飢えている人が多いということは、それだけ、モチベーションの源としても重要だということです。モチベーションの源として重要だということは、この気持ちの取り扱い次第でスキルアップの程度や社会適応の幅も大きく変わってしまう、ということです。
そうした見地にもとづき、この本は「認められたい」気持ちのメカニズムや付き合い方について、「認められたい」に飢えている人を想定読者として書き綴ったものです。「認められたい」のに認めてもらえない、承認欲求に飢えて困っている人に、ひとつのソリューションをご提供しているつもりです。
以下に、第六章までの一覧と、章ごとのサブタイトルを紹介します。
【はじめに】
【第1章】承認欲求
・みんな大好き承認欲求
・のび太、ジャイアン、出木杉くんに差がつく理由
・承認欲求の時代がやってきた
・認められたいからネットを使う
・承認欲求の暴走 ― 低レベルではうまくいかない
・承認欲求は貯められない!
・承認欲求が低レベルなのはこんな人
【第2章】承認欲求を充たす条件
・「見た目」良ければそれで良し?
・承認欲求を充たしやすい人
・承認は一日にしてならず
・手っ取り早い承認と、その副作用
・長所には消費期限がある
・コミュニケーション強者も弱者になる
・承認欲求の達人とは?
・褒められまくる超人はほんの一握り
【第3章】所属欲求
・幸せの鍵は承認欲求だけではない
・昔の日本は所属欲求で回っていた
・個人主義と承認欲求、その行き着いた果てに
・「普通に暮らしている人達」をお手本にする
・承認欲求と所属欲求が噛み合って世の中は回っている
・所属欲求もスキルアップのモチベーションにできる
・所属欲求が低レベルなのはこんな人
・目指すべきは「身近な人を大切にすること」
【第4章】承認欲求/所属欲求のレベルアップ
・「認められたい」はレベルアップする
・子ども、若者のレベルが低いのは当たり前
・レベルの差は何をもたらすのか
・自己実現欲求なんて芽生えない
・レベルアップは幼い頃に始まっている
・必要なのは「適度な欲求不満」
・ネットでもレベルアップはできるけれど……
・子どものレベルアップのために親ができること
・恋愛で「認められたい」は充たせない!?
・人生は「認められたい」のレベルで決まる
【第5章】コミュニケーション能力を育てるための七つの基礎
1. 挨拶と礼儀作法
2.「ありがとう」
3.「ごめんなさい」
4.「できません」
5.コピペ
6.外に出よう
7.体調を管理しよう
・時間をかける
・モテなくてもいいんです
【第6章】人間関係の距離感
・ほどほどの距離感を見失った「認められたい」は難しい
・人間関係の急接近は要注意!
・自分がしんどい関係は相手もしんどい
・「毒親」と「ヤマアラシのジレンマ」
・しんどい「ヤマアラシのジレンマ」を回避するには
・「ひとつの絆」よりも「複数の絆」を
・距離が遠ければそれで良し?
・間合いに「幅」を持たせよう
※続きは書店にてご覧ください
ごらんのとおり、この本では「認められたい=承認欲求」とはなっていません。
「認められたい=承認欲求&所属欲求」、つまりマズローの欲求段階説でいえば真ん中二つが「認められたい」に相当するという前提でまとめています。なぜなら、「認められたい」という欲求には、個人として褒められたい気持ちだけでなく、誇れるメンバーシップの一員でありたい・無視されたくない・好きなものを共有する人がいて欲しい といった、もっと集合的な気持ちも含まれてるように見受けられるからです。
個人主義を絶対視している人は、「認められたい=承認欲求」と考えたがるかもしれません。ですが、それでは片手落ちです。たとえば、仲間同士で集まってウェイウェイしている人々の充実感には、承認欲求と所属欲求の両方が混在しているのではないでしょうか。
現代社会にたくさんいる、承認欲求に飢えている人々の問題にしても、承認欲求の充たし方だけが問題なのではなく、所属欲求の充たし方の拙劣さ、あるいは欠落にも多くを因っていると思うのです。
こうした「認められたい」のマネジメントやソリューションについて、マズローの著書だけを参考にしては不十分だったので、この本では、H.コフートの自己愛理論を屋台骨として採用しています。ですが、コフートの用語は難しくて読みにくいので、承認欲求という言葉を聞きかじったことがあれば十分読めるよう、アレンジしました。
「読んだとたんに承認欲求に飢えなくなる本」ではありませんが、「いつか、承認欲求に飢えない自分になりたい人のための参考書」「認められたい気持ちをプラスの力に変えて、スキルアップや精神的成長をしていきたい人のためのテキストブック」としてはマトモで現実的な内容だと思います。もし、タイムマシンがあったら、学生時代の私自身に届けたいですね。
「認められたい」に一喜一憂している人に、この本をオススメします。