症例16(汎適所属)
今回投稿してくださったPさんは、「恋愛感情と性欲の乖離」を主要なテーマとして投稿してくださった方であって、正直のところ、脱オタ(社会適応上の問題やコミュニケーション上の問題を解決する、という試み)をやったやらないというテキストではありません。しかしとても興味深い事例だなと思い、敢えて紹介させていただきました。
Pさんは(よくある脱オタ者のように)思春期のコミュニケーション競争に敗退したわけでもなければ、異性とのコミュニケーションが絶無だったわけでもありません。ただ、和気藹々と異性とも会話することは出来たものの、恋愛感情を彼女達に抱くことはありませんでしたし、性欲の対象にすることもありませんでした。一方、AVのような実写/エロゲーのような美少女キャラクターメディアを問わず、自慰の対象にすることはあったわけで、性欲が皆無だったというわけではなかったようです。
そしてPさんはTohaertのセリオに対して熱烈な感情を抱くようになります。生まれて始めて抱いた熱情はヒートアップし、セリオというキャラクターが実在しないことを本当に残念にも思っていたようです。しかしこの時もまた、強烈な熱情にも関わらず、性欲とセリオは切り離されていたのでした。
高校時代の異性とのコミュニケーションにしても、セリオへの熱情にしても、思春期初期〜中期の男性にありがちな、恋愛感情と性欲の共存というものはPさんにはみられず、常にどちらか片方だけが顕われていた点に私は着眼します。この、Pさんの特徴的な「恋愛感情と性欲の乖離」について上記リンク先で色々と考察を試みてみました。