シロクマの屑籠

はてな村から引っ越してきた精神科医シロクマ(熊代亨)のブログです。

他人の利害や感情に関心が無いタイプの「空気読めない人」への第一選択薬

 
 自分の思念と感情と都合にしか関心を持てない人は、他人のそれらを知ることがないし、知ろうともしない。よって他人の利害や苦楽には疎くなるしかないわけで、「空気が読めない」人間になる可能性が極めて高い。こういう人は、感情や利害のレベルにおいて「手鏡で自分だけチェックし続けている人」なわけで、他人のステータスや動向に関心を持たず、だからいつになっても空気が読めない。否、そもそも彼らは空気を読もうとしてないし、空気に興味すら持っていない。
 
 逆に言えば、空気が読めない人間を発見した場合、その人が「自分自身にしか興味の無い人」である可能性を疑っておいたほうがよさげだ。他の人間の利害や感情を参照し考慮することなく、自分自身の思念と感情と都合だけを一心不乱に眺め続けていて空気が読めない人は、相手の都合や利害を計算に入れずに動くことが多かろうし、だからこそ付き合いにくい相手だろう。空気が読めない人間(のようにみえる人)のなかには幾つかの類型がある*1だろうが、こういった他人の都合や感情がそもそも視野に入らないタイプこそは文字通り自己中心的な行動に走りやすく、だからこそお近づきになりたくない手合いである。
 
 一方で、このタイプの空気読めない人が空気を読めるようにするための第一選択薬ってはっきりしているとは思う。その処方とは、「他人の感情や都合に関心を向けてみよう」というものである。「いやそれが出来ないんだ、僕は僕の事以外はどうでもいいんだ」という人の場合は、せめて「他人の感情や都合を知ってそれを利用しよう」と考えてもらえばよいか*2。人間は互いに利害と感情と都合を持って動いているので、それを観察・管制したうえで自分のコミュニケーション上のカードを選んでいったほうが上手くいくに決まっている。「自分の利害と感情」しか関心を示さない人というのは、麻雀に喩えるなら周りのプレイヤーの捨て牌や鳴き牌をみない雀士のようなもので、それじゃ上手くいくはずが無い(麻雀だったら、周りのプレイヤーの動きをもっとみなさいよ、河を読みなさいよというアドバイスになりますよね)。他人の感情や動向に関心を向け始めたところで、全部読みきれる人はどこにもいないし、最初はなかなか上手くいかないだろうけど、まず関心を向けてそれに対応しよう、というところから全ては始まるんだと思う。関心や興味なくして上達はあり得ない。「空気読めない」といわれる人で、自分の感情や都合しかモニタリングできていない自己中心な人は、まず他人に関心を向けるところからスタートってものだろう。あるいは他人に関心を向ける機会をどうやって獲得するのか。
 

*1:なかには空気を読みきったうえで敢えて空気を操作・変化させるべく一石を投ずる人もいるが、そういう人は必要に応じてスタンスを変化させるので鑑別出来る

*2:いーや、本当はそれはずるくて困った人間を増やすだけのような気がする。でも当人の適応だけを考えるなら、こういうろくでもないアドバイスもアリなんだろう