人間の快楽中枢には、他者承認によってβエンドルフィンやドーパミンが分泌されるようなフィードバック回路が、おそらく存在する。この回路の存在によって、他者承認が得られやすい人達は幸せな気分を味わい、それが得られない人達はいつも渇いた不幸を体感することになっている。自然淘汰と性淘汰のふるいは、他者承認が得られてβエンドルフィンで幸せになれた人のgeneだけを生き残らせたので、現代社会を生きている人は、殆ど誰もがこうした傾向を持っている。今後も、他者承認によるβエンドルフィンで幸せになれた人のgeneだけが残やすく、そうでなかった人のgeneが残りにくい趨勢は変わらないので、この行動遺伝学的傾向はいつまでもホモ・サピエンスに残存し続けることだろう。