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シロクマの屑籠

はてなダイアリーから引っ越してきた、はてな村の精神科医のブログです。

読みたい本を読む時間がない&かわいそうな積読書たち

 
 
 読みたい本がない
 
 リンク先には、不思議な悩みが綴られている。読みたい本がわからないなら読まなくても良さそうなものだけれど、それでもリンク先の人は「読みたい本を探したい」らしい。ただ、
 

Q:本を読むのって「知識欲」を満たすためなの?
少なくとも俺はそうだってだけ。本読む動機なんて人それぞれじゃね?所詮ただの紙束なんだから動機に拘ったってね

 と書かれたとおりなら、わざわざ本を選ぶ必然性は乏しいかもしれない。
 
 リンク先のひとは漫画は読んでいるらしいなので、まずは漫画を読みまくればいいんじゃなかろうか。歴史、経済、グルメ、社会、なんだって漫画になっているご時世だから、本が読めなくても漫画で知識欲は満たせるでしょう? それで足りなければテレビやインターネットだっていい。こと、目的が「自分の知識欲を満たす」なら、本なんて所詮ただの紙束なんだから媒体に拘ったってね。
 
 それでも本が読みたいなら、好きな漫画に出てきて気になった書籍や人物を、Amazonで検索すればいいんじゃなかろうか。気になった本があれば買ってみればいいし、いきなり買うのがためらわれるならAmazonで目をつけた本*1を書店で手に取ってみて、気に入ったら買い求めればいい。
 
 興味も縁も無いところから本を選ぶのは難しい。それこそ当てずっぽうになってしまう。でも、漫画やテレビやインターネットで気になった本や著者や人物について書店の本棚を調べてまわれば、いくらか取っ掛かりができる。たぶん、そうやって本を選んでもアタリハズレは避けられないけれど、漫画選びやアニメ選びと同じく、回数を重ねれば“打率”は上がってくると思う。
 
 

  • 読みたい本を読む時間がない

 
 それにしても、そんなに本を読みたいものなんだろうか。
 
 知識欲。それはわかる。
 
 でも、本を読んでおのれの知識にコンバートする作業は楽しいばかりではなく、しんどいところもある。
 
 本を読むには時間が必要だけど、気力や集中力だって要る。頭が痛くなってくることもある。消化試合になってしまった本の後半100ページを読むのはつらいものだ。それでも、本を読もうというのか。
 
 自分がまだ若かった頃は、読みたい本があっても「読み切れない」ことが多かった。気力や集中力や時間は今よりあったけれども、理解力や知識が乏しく、一冊一冊から汲み取れる量が少なかった。
 
 それから数十年が経って、今まで手が出せなかった本にも手が出せるようになったけれども、今度は本を読むための時間が足りなくなってしまった。いや、インターネットを減らせば本を読む時間は確保できるのだけれど、気力や集中力のみちた状態を読書に割り当てるのがしんどい。
 
 本当に読みたい本のなかには、ベストコンディションで臨まなければ読みきれそうにないものも多い。そういう本は“一日のなかでいちばん大事な時間”という希少なリソースを食ってしまうので、勢い、「読みたいけれども時間や体力の都合で後回しになってしまう本」が発生してしまう。
 
 

  • かわいそうな積読書たち

 
 そんなわけで、買い求めた書籍の5%ぐらいは、「積読書」となって本棚に沈殿していく。なまじ、読みたいと思って買っただけに捨てにくく、じりじり本棚を占領していく恐ろしい奴らだ。なるべく積まないように頑張っても、年間数冊程度はどうしても積んでしまう。
 
 せっかくなので、うちの積読書達をあげてみる。
 

21世紀の資本

21世紀の資本

 
 たぶん、たくさんのご家庭で沈殿物になっている一冊。個人主義と資本主義の来しかた行く末について参考になると思って購入するも、「これを読む前に、他を読んでからのほうが良さそうだぞ?」と感じて放置決定。版元がみすず書房なので、「みすず書房にお布施をしたから満足」な気分になっているのかも。実際に読める日は来るのか?
 
フロイトを読む―年代順に紐解くフロイト著作

フロイトを読む―年代順に紐解くフロイト著作

 
 フロイトは年代ごとに物言いが変わっている人なので、自分がそれをどこまで理解しているか試すつもりで買った。監訳者が偉い人なのでハズレってことはないだろうけれど、書店で調べをつけてからは1ページも開いてない。
 
俺のかーちゃんが17歳になった (電撃文庫)

俺のかーちゃんが17歳になった (電撃文庫)

 
 タイトル買いしてしまったラノベ。ラノベというジャンル自体、漫画や新書やweb小説に押されて積読の対象になりやすくなってしまった。こいつは未開封のまま放置されっぱなし。
 
虐殺器官 (ハヤカワ文庫JA)

虐殺器官 (ハヤカワ文庫JA)

 
 『ハーモニー』が楽しかったので、こちらもたぶん読めると期待して買ったはいいけど、サツバツとした作品よりもキャッキャウフフな作品が好きな自分自身を顧みると手が伸びず、でもまあ買ってあるからいいや、と思って今日に至る。周囲のtwitterアカウントから聞こえてくる「ボンクラ」という言葉が気になるが……。
 
昨日までの世界(上)―文明の源流と人類の未来

昨日までの世界(上)―文明の源流と人類の未来

 
 『銃・病原菌・鉄』のダイアモンドさんの新作。50ページ目で頓挫。つまらなそうな本ではないんだけど、読者を引っ張ってどこかに連れていってくれるタイプの本でもなく。そうこうしているうちに下巻の行方がわからなくなってしまい、優先順位から脱落し今に至る。下巻はどこにあるんだろう……。
 
鏡 バルトルシャイティス著作集(4)

鏡 バルトルシャイティス著作集(4)

 
 これも自宅のどこかにあるけれども行方不明な本。「積読」というより「埋読」。
 
パンとワインを巡り 神話が巡る―古代地中海文化の血と肉 (中公新書)

パンとワインを巡り 神話が巡る―古代地中海文化の血と肉 (中公新書)

 
 パンとワインを巡る神話の本。「パンとワイン」の本を期待して買ったら、まじめに「パンとワインの神話」の本だった。小旅行中に半分読み、それなり満足したけれども、次に小旅行があるまではたぶん読まない。おいしそうじゃないのがいけない(が、そんなものを期待してはいけないんだろう)。
 
レメディオス・バロ―絵画のエクリチュール・フェミニン

レメディオス・バロ―絵画のエクリチュール・フェミニン

 
 本屋で見かけ、「こういう本は後先を考えず、まずは保護だ!」と思って買ったら、案の定、安心してしまい腐海の苗床になってしまった。
 
監獄の誕生―監視と処罰

監獄の誕生―監視と処罰

 
 そろそろ読むべき時が来たと思い、予備読書をスタートし本体もゲットしたけれども、気力充実している時に読まなければと思ったきりそのまんま。もう一つか二つフラグが立たないと読めそうにない。
 
ポスト資本主義――科学・人間・社会の未来 (岩波新書)

ポスト資本主義――科学・人間・社会の未来 (岩波新書)

 
 筆者が言いたいことは大体わかったけれども、なんとなくページが進まないというか、「はぁ、そうでございますか」状態になって、最後の50ページが進まない。現在、消化不良状態。
 
 

  • 図書の不良債権

 
 「読まずに積んでいるだけの本」なんてものは愚行の象徴、スペースの不良債権というほかない。「それなら売ってしまえ」という人もいるかもだけど、どれも自分が欲しくて買った本だし、売った本をまた買い直す行為にはウンザリしているので*2、結局、自宅のキャパシティを圧迫し続けるんだろうと思う。
 
 「読みたい本がない」って悩みも大変だろうけど、「読みたい本を読む時間がない」「読みたい本が溜まっていく」も大変。ほかの人達は一体どうやって付き合っているんだろう? 

*1:とそれに関連のありそうなコーナー丸ごとを

*2:ちなみに速水健朗さんの本は買い直し率が高くて、『自分探しが止まらない』に至っては三回買い直している。