シロクマの屑籠

はてなダイアリーから引っ越してきた、はてな村の精神科医のブログです。

美容院で耳をそばだてる楽しみ

 
女性は美容院での会話を楽しんでいるのか? - ARTIFACT@ハテナ系
 
 女性は美容院で会話を楽しんでいるか?間近な女性達に聞いてみたところ、「疲れる」「会話はするけど面倒くさい」という意見が多く聞かれた。会話から何か聞き出さないの?と問うと、「敢えてそこから何かを引きだそうと思っていないからしようがない」という答えも。
 
 尤もなことではある。それでも、僕は美容院での会話を割と楽しんでしまう。美容院の人に会話のイニシアチブを預けちゃうと、なんともかんともな美容院的会話になってしまうので、こちらから話題をふっかけるのがとても好きだ。例えば、接客しているなかで困ってしまうお客さんの話について、なども。医療と美容では、接客のスタンスも、接客に使えるカードも随分違う。困る人の質もけっこう違う。その辺りの情報交換をしてみたり。業種が違う人の、業種の違う話というのはとても楽しいし、色々と“勉強”になる。
 
 他のお客さんがいる時は、耳をそばだてるのが好きだ。意外と面白い話や、突出した自意識、全然違う業種のお話が漏れ聞こえてくる。女子高生、中年おばさん、二児のパパ。悩み事も嬉しい事も全然違うし、その辺りを意識しながら美容師さんが巧みに会話を組み立てていくあたりも非常に参考になる。形式的な部分が多いとはいえ、そこには会話と情報があるし、会話と情報のある限り、僕は退屈せずに、ついつい耳を傾けてしまう。
 
 こういうコミュニケーションは、本来、バーカウンターなどで楽しめば良いことなんだろう。特にバーカウンターの場合は客同士で会話を弾まえることも多いので、そちらで楽しめばいいんだろうけど、僕の耳は若干騒音性難聴気味なので、あまり騒がしいタイプのバーでも、小声推奨のバーでも、相手の会話が聞き取りきれないことが多い。それと、アルコールが入ると脳味噌が一段と弱くなったり、記憶が緩くなったりしてしまうという問題もある。その点、美容院のほうは割と騒がしくなく、ノンアルコールで、バーとも客層が違って面白い。案外、そういう所で拾った情報が、仕事に役立つこともある。
 
 結局は人それぞれなんだろうけど、僕は美容院の会話、かなり好きです。耳をそばだてるのはもっと好きだ。尤も、ショットバーでもラーメン屋でもゲーセンでも同じことで、世間の色々な人達のあれこれな会話を聞けるというのは、とても楽しく、ときに意外な収穫が待っていることも。