シロクマの屑籠

はてなダイアリーから引っ越してきた、はてな村の精神科医のブログです。

 
 コミュニケーションにおいて非言語コミュニケーション分野が重視されるような状況が進行した場合、非言語コミュニケーションに影響を与える「見た目(ファッションも含まれる)」がコミュニケーションに与える影響が相対的に高くなるだろう。非言語コミュニケーションを経由して相互に入出力を行う時、見た目が知らないうちにコミュニケーションに影響を与えるのは殆ど避けられない、それが正当なものか否かはともかく。
 
 いわゆるコミュニケーションスキルというものは非言語コミュニケーションスキルが多々含まれるものであり、いわゆる空気を読むという営みにも非言語コミュニケーション性能が駆使されている。
 
 良いか悪いかを抜きにして、ポストモダン的状況においてはコミュニケーションスキルは益々多用されることが予想されるので(本家の後続テキストに書く予定)、とどのつまり見た目による影響は今後ますます強くなると思われる*1。となると、見た目への投資や見た目にまつわる執着は今後ますます強くなりそうに感じられる。現に男も女もますます美醜に意識と資金と暇を費やしつつあり、その傾向は都市圏においてより顕著なのをみると、やっぱりそうなのかなぁと思わずにはいられない。
 

*1:だとすれば、そのような見た目によるバイアスを有利にする技術や是正する技術が要請されるに違いない。現に、ダイエットや整形手術などの技術は既に存在するが、もっと抜本的な技術が今後登場するかもしれない。現在の見た目バイアスに関するテクノロジーは、専ら自分に関する他者のバイアスをより有利にするための技術ばかりだが、将来は対象のそうした「見た目」によるバイアスを排除してプレーンな評価を実現する為の技術も生まれるかもしれない。目隠しすればいいですって?いやいやそれじゃ必要なノンバーバル情報を見落としてしまうわけで(そうそう、声の美しい醜いのバイアスもカットしたいですね)。テッド・チャン『顔と美醜について―ドキュメンタリー―』に登場するカリーのような機能を果たす、バイアス是正装置が面接などで有効になるかもしれない。尤も、そのようなバイアスカット機能は差異化の軸をAからBにうつすだけのもののような気もするけど、思いっきり技術が進歩したら実際に可能かも、しれない。