シロクマの屑籠

p_shirokuma(熊代亨)のブログです。原稿に追われてブログ記事はちょっと少なめです

 
 メタメタとベタベタのどちらか一方だけが極端に進行する人がいる。あるいは、どちらか一方だけを極端に進行させなければならない人がいる。
 

 
 太古の昔から、人間は社会的ルールに基づいて個体間競争を続けてきた。このルールを疎ましく思っている人はいつの世にも絶えないが、ルールが変わることこそあれ、ルールが無くなったことは有史以来一度もない。むろん、競争の無いユートピアというのも想像上の世界でしかなく、百年前も、現在も、人は個体間競争を続けている。百年後もそうだろう。

 判断力や見識やモラルに統御されていないなら、どんなに優れたアビリティも優れていたなりのリスクを伴うことになる。逆に、統御下にあるならば、どんなに劣ったアビリティもそんなに問題ではなくなるし、場合によっては優劣という視点そのものが消えてしまう。“コミュニケーションスキル”を巡る問題も、これが当てはまると思われるのだが、指摘する人があまりいない。今時、判断力だの見識だのモラルだのといった概念は、時代遅れということなのか。