はてなで有名になりたい
匿名ダイアリーを書くような人間が「はてなで有名になりたい」とは、とんだお笑い草ですね。それとも、アカウント名を名乗るのも恥ずかしいのでしょうか?
そんな恥ずかしがりが有名を夢見るなんてとんでもない!有名とは、本来、恥ずかしいものです。恥の感覚を強く伴うものです。恥ずかしがりな人にとって、有名とは、ただそれだけで息苦しい状態です。
あなたのような、匿名ダイアリーに「はてなで有名になりたい」と書く人は、有名である事に耐えられないタイプに違いありません。ちょっと注目が集まっただけで承認欲求の快楽と渇望がドロドロになった、おそろしい感覚に囚われるでしょう。で、炎上未満のボヤ騒ぎで恥の感覚に耐えきれなくなってアカウントを非公開にするのが関の山ではないでしょうか。
もちろん、すべてのネットユーザーが恥の感覚に直面するわけではありません。心臓がビス止めの人達・恥知らずな人達・感性の鈍感な人達は、どれだけ有名になっても、恥の感覚に苦しみません。有名が是とされる世界観において、「恥知らず」って素晴らしい才能ですよね?どれだけ人目を惹いても恥ずかしくない・息苦しくない人は、アクセスアップに喜びしか感じず、壇上でスポットライトを浴びていても誇らしいとしか感じません。いわゆるネットで有名人な人達を眺めていると、こうした“恥耐性”が強い人が多いように感じます。
タイトルに“パンツ脱げ”って書いたのは、“恥の感覚をどうにかしろ”ってことです。
かりに、あなたが素晴らしい文筆の素養や瑞々しい感性の持ち主だったとしても、恥の感覚を手放せず、臆病な自尊心を抱えているなら、ただそれだけで、あなたは「有名」からは遠いと言わざるを得ません。「有名」に向かってステップアップしようとするたび、恥の感覚に足元がふらつき、臆病な自尊心にブレーキをかけられるであろうあなたは、ダイヤモンドの原石のような才能を持っていても「有名」にはなれないでしょう。
だからさっさと“パンツ脱げ”よ。
“おちんちんびろーん”まではいかなくても構いませんよ。でも、アカウント名ぐらいは名乗れるようになるべきだし、どのような形式であれ、人目に触れる恥ずかしさと折り合いをつけるトレーニングは必要でしょう。
この私にしても、本当はブックマークを集めるたび・人目に触れるたび「ああ、恥ずかしい恥ずかしい。俺は恥知らずな人間だなぁ」と自意識が疼くんですが、“はてな村”で蠱毒のような日々を過ごしているうちに、ネガティブなコメントが殺到しても「おう!燃えたか!」ぐらいにしか感じない程度の“恥耐性”をゲットできました。「私は恥知らずになりました」をポジティブに言い換えたような気がしますが……ここでは気にしない事にします。とにかく、修練によって“恥耐性”を身に付ける余地はあるみたいなので、匿名ダイアリーなんぞに籠ってないで、“パンツを脱ぐ”練習からスタートしてはいかがでしょうか。
はてなで有名になりたいなら強い意志で“パンツを脱げ”
でもって、あなたは「はてなで有名になりたい」わけですよね?
じゃあ、尚更“パンツを脱ぐ”しかありませんよ!
“パンツを脱いで”あなたの執着、あなたの情念、あなたの関心を赤裸々に曝しなさいよ。
はてなブログやはてなブックマーク等で名前を憶えて貰いたかったら*1、とにかく自分が持っている手札を曝すしかないと思うんですよ。カネやPVに執着しているなら、執着丸出しで狂ったようにブログを更新すべきだし、先行者から何が学び取れるのか考え、実践すべきです。カネやPVに興味が無いなら、モテない苦しみを書き綴ったり、世間への呪詛を書き綴ったって構いません。特定のサブカルチャーへの悦びや恨みをブックマーク上にぶつけたって構わない。
なんであれ、強い執着・避けがたい情念・本能のごとき関心があなたのアカウントにこびりついていれば、周囲のはてなユーザーは「なんだか一生懸命な人がいるゾ!」と否応なく反応するでしょう。ちょっとダーティーな手段やきわどい表現を心がけ、あたり構わず喧嘩を売ってまわっていれば、有名になるスピードは数倍になります。そのかわり、あなたが耐えなければならない恥の総量も大きくなってしまいますが*2。
ともあれ、そうやって熱意をもってブログを綴り、ブックマークを続けていれば、あなたの知名度はおのずと高くなるはずです――少なくともはてなブックマークの常連の間では。そして「ああ、またあの○○さんが吠えてるぜ」「○○さん、芸風変わらないなー」ぐらいまで到達すれば、もう「はてなで有名」と言って差し支えないのではないでしょうか。
はてなのコミュニティの優しいところは、文才に恵まれた女子大生のたぐいが“パンツを脱ぐ”のでなく、残念な中年男性やテンプレ芸人のたぐいが“パンツを脱ぐ”のでも、強い意志で行動していれば知名度が浸透していく点です。はてなで知名度を獲得する鍵は、芸の巧拙や知恵の優劣ではなく、意志の強弱です。強い意志で“パンツを脱ぎ続ける”者が、人々の記憶に残っていきます。
自分の執着、自分の情念、自分の関心を恥ずかしがり、オズオズと開陳している人がオンライン空間で有名になることはあり得ません。さあ、臆病な自尊心を克服して、パンツを脱いで立ち上がるのです。
……ところで「はてなで有名」になって、なんか良いことってありましたっけ?
*1:それにしても、ずいぶんローカルな「有名」ですね。でも、そういうローカルな「有名」を欲しがる人が、私はちょっと好きです。もふもふ。