巨人の自由、矮人の自由

　
　権力の冠を戴き、知性のマントをはためかせた巨人が、「誰もが自由であれば問題ない。人は須く俺と同じかそれ以上に自由であるべきだ」とのたまうことは、「あやつには相応の自由を与えれば良いのだ。相応でない自由は取り上げてしまえば宜しい」とのたまう傲慢と比べて、実際、どの程度人倫に適っているといえるのだろうか。