シロクマの屑籠

p_shirokuma(熊代亨)のブログです。原稿に追われてブログ記事はちょっと少なめです

誰が為の徒競走

 
 小学校などの教育という場において、「誰もが並んでゴールイン」という信じ難い蛮行が執り行われた一時期に関して。
 
 あの蛮行を立案・実行した大人達というのは、いったい誰の為に「皆が並んでゴールイン」という蛮行を選び実行したのだろうか。子ども達の成長を祈ってなのだろうか。親のためだろうか。自分の理想のためだろうか。彼らに言葉で問いかけてみれば「あなた、何馬鹿なこと言ってるんですか。勿論子どものためです。子どものためを思って、皆が並んでゴールインするように決めたんです」と答えるに違いない。私はその答えを聞いて、「はい、わかりました。失礼いたしました」と答えることだろう。一連の予定調和として(カーテンの内側について、誰も知る術は無いのだから)。
 
 ところで、誰のためなのか分からない奉仕や平等主義やボランティアに憑り付かれた人達を私はみかけることがある。彼らの、あのいきいきした顔を眺めながらも、私はいつものように問うてみる。
  
 「あなた、何馬鹿なこと言ってるんですか。勿論○○のためです。○○のためを思って、私達は日夜がんばっているんですよ」
 「はい、わかりました。失礼いたしました」
  
 カーテンの内側については、誰も知る術は無いのだから。口にするなら、私はただの非礼な人物。誰のための徒競争。