シロクマの屑籠(夏休み体制中)

はてなダイアリーから引っ越してきた、はてな村の精神科医のブログです。

2015年のインターネット&はてな界隈を振り返る会、オフレポ

 
 昨日、ベテランはてなユーザーが集まる「2015年のインターネット&はてな界隈を振り返る会」があったので、私も出席しました。
 
 ネットの衆人環視下では、誰かと一対一で会話しているつもりでも「コミュニティへの言及だ!」「村の政治だ!」「あの人がこう言った/言わなかった」的な誤解が生じてしまうことがあります。が、一定のリテラシーと文脈を共有した人間同士が集まったオフ会でなら、そうしたリスクを気にする必要がありません。忌憚なくインターネットの話をするなら、オフラインのほうがやりやすいですね。
 
 以下、ブログに書いても差し支えなさそうな話題について概略してみます。
 

  • 2015年、インパクトのあったネット事件

 
 ・オタキング愛人事件:ダメージコントロールの失敗、抜群のタイミングでの燃料投下。結果としてスケールの大きな騒動に発展した。

 ・恋愛工学:恋愛工学の有効性うんぬん以上に、シンパ周辺の動きに注目が集まった。最終的に筆者自身のエピソードが加わって、ひとつの世界が完成した感があった*1

 ・ネットの話題や出来事がマスメディアに露出するまでの時間が短くなった。ゼロ年代にはもっとタイムラグがあったはず。今ではマスメディアにすぐ届いてしまう。

 ・今年は「私はこういう生活をしています的なキャラ」を立てたネットタレントの活躍が目立った。こうしたアカウントの活動を見極めるリテラシーがますます求められるようになった。
 →アカウントを公開する側も、ファンの側も、そうしたアカウントにチラつくノイズ・文脈・背景についてあまり気にしていない状況。それがために、しっかりネットウォッチしていると気まずいものがみえてきたりする。
 
 

  • 2015年の非モテ

 
 ・議論が深まりました。
 
  

  • 2015年のオフ会レポート

 
・(2015年に限定されない話かもだけど、)オフ会の旧来のプロトコルやリテラシーの通用しない人によるオフレポを見かけた。オフ会の内容に背びれ尾ひれをつけてネット上で吹聴する人・オフレコというお断りが通じない人は難しい。
 
 

  • 2015年の炎上

 
 ・オリンピックロゴ事件。2ちゃんねるでの照合→facebook→他案件の発掘→テレビで放送され社会的問題へ。今年いちばんの大炎上。
 →新国立競技場の問題で可燃性が高まっていたところに、タイミング良くこれが起きた。オタキング愛人事件などもそうだけど、もとから炎上の土壌ができあがっていたところに着火し、さらなる燃料投下があって社会的大爆発と相成った。
 →ブロガー的には、デザイナーの言及なども多々あったためとっつきやすい話題となり、事実、多数のブロガーが言及した。

 ・難民イラスト問題:たぶん、誰も得をしていない不幸な炎上。

 ・ドローン少年事件:「鉄砲玉のような少年をエンカレッジして馬鹿なことをさせる」が高じて社会的炎上に達した。馬鹿とネット支援者とインターネットの自由について考えさせられる案件だった。

 ・このほか、企業CM、特定のフレーズ、特定の人物、キャラクター、なんでもかんでも炎上した。
 →炎上の土壌として今日のインターネットを考えるなら、わりといつでもなんでも炎上し得る状況になっている。リテラシーリテラシーと叫んでいても、それだけではどうにもならない部分もあるのではないか。
 
 

  • 2015年にインターネットで褒められた人

 
 ・ヨッピーさん。
 →「一線を超えない安心感」「正しいガキ大将」「人をネタにするより自分をネタにする人」
 

  • 2015年の(ネット)デマ

 
 ・茨城県の水害に際しての「マスコミヘリ異常接近」デマ

 ・「京浜東北線にDQNがカバンを投げた」

 ・フィンランドベーシックインカムはデマ情報だった

 →デマが回収されるまでのスピードは今までよりも早くなった。が、デマそのものが一定規模で流布してしまうこと、デマが一定の効果を持ってしまうことは変わらない。
 
 

  • 総評

 
 ほかにも色々な話がありましたが、シロクマ個人としては、「ますますインターネットは難しいメディアになっている」という印象を新たにしました。今回話題にのぼった事件や炎上なども、そうしたインターネットの難しさや恐ろしさを象徴しているように思います。今日のインターネットに対して、もちろん個々人は高いリテラシーをもって臨むべきだけれど、どんなインターネットの達人でもリテラシー100点満点とはいかないし、社会全体として考えればリテラシーを期待するのには限界があるよね、と考えざるを得ません。だから、今はどんな人でも火だるまになっちゃえる状況なんじゃないかなと私は思っています。
 
 個人的には、ここまで可燃性の高くなってしまったネットの土壌を誰がどうするのかが気になります。個々のネット企業によるアーキテクチャの改良だけでは、そろそろ話がおさまらなくなっちゃったり……しませんかね? 今すぐではないでしょうけれど。
 
 ともあれ、インターネットの現状は毎年少しずつ変わっているわけで、そうしたインターネットの変遷を話し合い、こうやって記憶していくのは意義深いことだと思います。参加者の皆さん、ならびに幹事・司会進行役をつとめて下さったid:inumashさん、どうもありがとうございました。機会があったら、またやりましょう!
 
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*1:この、オタキング騒動と恋愛工学騒動に関連して、文化系鬼畜という過去の造語が何度か話題になっていた。今でも有効な造語だと思う。