2025年10月17日をもって、このブログ『シロクマの屑籠』は20周年を迎えました。
私が20年間ブログを続けられたのは、第一に、このブログを読んでくださる方々、特にはてなダイアリー・はてなブログ・はてなブックマークをとおして繋がり合ってきた知己の皆さんと常連読者さんのおかげです。長きにわたってご一緒してくださった常連読者の皆様、ありがたいトラックバックやリンクを送ってくださる方々、暖かい言葉をかけてくださったり、貴重なご教唆をわけてくださったりする方々に、深く御礼申し上げます。
しかし振り返って、20年という歳月は短くはありません。
この間にブログブームは沈静化し、Youtube、ニコニコ動画、そしてSNSが代わって栄えていきました。歳月は、私と私をとりまく環境を変えてしまい、ネットコミュニケーションの趨勢まで変えてしまいました。20年前と同じインターネットを『シロクマの屑籠』でやってのけることは、もはやできません。今の私、今のネットコミュニケーションの趨勢にふさわしいことしか書けなくなってしまったことを歯がゆく思う夜もあります。そして幾人かの知己は鬼籍に入り、より多くの人がブログをやめてSNSに立ち去ってしまいました。インターネットも諸行無常ですね。古い時代のウェブサイトが丸ごとごっそりなくなってしまうニュースを見かけるたび、そのように思います。
それだけに、当たり前のようにブログが書けることはありがたいこと・かけがえないことです。大事なことなので書きますが、こうして空気を吸うようにブログが書けるのは、 (株)はてな が はてなブログ というネットサービスを継続してくださるおかげでもあります。私は、(株)はてな に足を向けて寝られない感じです。ありがとうございます、いつも大変お世話になっております。そしてこれからもよろしくお願いします。
これからの『シロクマの屑籠』と私の方針について
ブログが20周年を迎えた一方で私は50歳となり、自分が文章を書ける時間の残り少なさを自覚するようになりました。もしかしたら、60歳になっても健筆をふるっている可能性はあるかもしれません。ですが、インターネットも人の命も諸行無常ですし、私は自分の集中力の減退や持久力の減退についてはっきりと自覚するようにもなりました。ですから、もうしばらくは『シロクマの屑籠』を現在と同じ指針で書きますが、ある時期からは、現在とは異なる指針と更新頻度に切り替えようと思っています。
まずひとつ。
すぐではありませんが、私は、この『シロクマの屑籠』で「連載」を始める可能性があります。「連載」は論説文かもしれませんし小説かもしれません。どちらの場合も各章の最初のパラグラフを無料公開とし、残りの文章はサブスクリプションの対象とするでしょう。「連載」を始める理由は、商業出版に馴染まないものや、商業出版にどのみち手が届きそうにないもので、ひとまとまりの作品として出力してみたいものを出力する場が欲しいからです。もしかしたら、まったく同じ内容をカクヨムやnoteあたりで公開するかもしれませんが、基本的には、手に馴染んだインターフェースであるはてなブログで先発することを検討しています。
ふたつ。
更新頻度が維持できなくなるかもしれません。『シロクマの屑籠』には現在、不特定多数の方に読んでいただくことを想定したもの・常連読者さんやリンク先の方に読んでいただければ十分なもの・私自身が再読できさえすればそれで構わないものが混在しています。このうち、不特定多数の方に読んでいただくことを想定したもののカテゴリーの文章は、ますます少なくなると思われます。私には時間がもうあまりないので、私が考えたいことを・考えられるうちに・考えなければならないと思うようになりました。それが上手くいくのかいかないのかはわかりません。が、もっと自分自身の関心事に利用するかたちでブログを書かなければならないと、最近は危機感を募らせています。
みっつ。
私が現在集積中の知識のストレージとして、サブスクリプションの対象領域、要は有料領域をもっと活用します。この歳になってもなお、私にはインターネットの調子者がやめられないところがあって、自分の知識のストレージについても、誰かの目に留まる状態(それでいてそこまで多くの人が読まない状態)にしておいたほうが、その知識のストレージ作業にやる気が出るのです。これからに向けて知識を集積させるプロセスの一環として、無料記事と有料記事の双方をもっと活用し、未来の自分に知識を残しつつ、もらってきたばかりの知識をいったん(キーボードをとおして)身体化する過程として生かしたいのです。
これらが、私の選手生命ならぬブロガー生命を延ばすのか縮めるのかはまだわかりませんし、本当にこのとおりにできるのかも定かではありません。しかし、私の50代は一度きりで、60代になれば体力的制約やワインの悪影響などから、きっと今ほど文章は書けないものと推定します。そもそも、私がいつまでブログを書けるのかなんてまったくわからないのです。なので、これからはもっと私自身のためになるようなブログの書き方、更新の仕方を心がけて、命の炎をここで燃やしたいと思います。
おかげさまで、短いようで、すごくすごく長い20年間を過ごさせていただきました。読者の皆さんに、改めて深謝申し上げます。
『シロクマの屑籠』は、まだちょっとだけ続けるつもりです。引き続き、どうかよろしくお願いいたします。