シロクマの屑籠

はてな村から引っ越してきた精神科医シロクマ(熊代亨)のブログです。

萌えアニメを観て(*´Д`)している人間は電灯に集まる昆虫に似ている

 
 さいきんの変換ソフトは、「ハアハア」って打つと(*´Д`)って顔を打ち出してくれるんですね。いや、だいぶ前からか。
 
 それはともかく、自嘲を込めつつ振り返るに、美少女や美少年がたくさん出てくるアニメを観て大喜びしている私達、あるいはキャラクターなるものに心酔している私達って、ものすごく生物っぽいと思う。
  
 ここでいう生物的とは「理性的・合理的に判断し行動する人間」とは対照的な、もっと昆虫的で、反射と反応でもって行動している生物に近い性質を持っていた生物、という意味だ。
 
 自嘲を込めて振り返るに、つくりもののキャラクターに寄り集まって身も心もメロメロになっている人は、「飛んで火にいる夏の虫」に似ていると思う。
 
 炎や電灯に集まる昆虫は、自然界には(原則として)存在しない人工的な明かりに寄せられて集まってくる。人間がアニメを観るのとは違って、それは性欲や承認欲求とは無関係な、もっと単純なメカニズムに基づいて集まってくるわけだが、ともかく、月光より強い人工的な灯りに出会うと、それに引き寄せられてしまうわけだ。それで炎に焼かれ、命を落とすものもいる。
 
 いっぽう、現代社会の人間もまた、自然界には存在しない、コンテンツという名の人工的な刺激をみせられると、それに寄せられて集まってしまう。もちろん、人間は昆虫より複雑にできているので、性欲や承認欲求も含めた、一層ややこしいメカニズムが背景にはあるのだろう。だがメカニズムの違いはあるにせよ、人工的な超刺激を与えられると反射的に引き寄せられて、影響を受けずにいられないという点では、やはり昆虫に似ている。
 
 アニメやソーシャルゲームのキャラクターに限らず、ある種のアイドルタレントやドラマに無我夢中になっている人達だってそうだ。コンテンツとして仕立てられた、自然界には存在しないはずの超刺激をドカーン!とぶつけられて、それでメロメロになってしまっている。
 
 

人間だから超刺激にも耐えられるなんてことはない。

 
 人間は高等な動物とみなされているけれども、超刺激には案外弱い。
 
 「万物の霊長」の性質のなかにも、なんだか下等で、昆虫のことをとやかく言えないような、脊髄反射的なところがある。それが嫌いだと言う人もいるし、それが人間の妙味だと言う人もいる。私はどちらかといえば後者だけど、その、昆虫的・反射的な部分によって世の中が面倒なことになっていることも知っているので、嫌悪する人の気持ちもわからなくはない。
 
 ともあれ、どんなに理性的で合理的な人間を装ってみたところで、しょせん人間は超刺激を与えられるとビクンビクン反応してしまう生物なんだってことは、片時も忘れないでいたいと思う。あのキャラクター、あのコンテンツに夢中になっている自分自身と昆虫とは、どこまで違っていて、どこまで同じだろうか。