涼宮ハルヒの憂鬱 ブルーレイ コンプリート BOX (初回限定生産) [Blu-ray]
- 出版社/メーカー: 角川映画
- 発売日: 2010/11/26
- メディア: Blu-ray
- 購入: 30人 クリック: 881回
- この商品を含むブログ (118件) を見る
今年はアニメ『涼宮ハルヒの憂鬱』が放送されて十周年にあたるらしい。そのせいか、先日、深夜に第一話の再放送を見かけた。
久しぶりにみる『ハルヒ』は絵柄がちょっと古めかしかった。あんなにピカピカしているようにみえた朝比奈みくるも長門有希も、くすんだ、90年代に近いキャラクターデザインにみえて、ああ、歳月が流れたのだと感じた。
けれども、第一話の凝ったつくりには流石に唸らされるものがあった。そうか、こんな凝ったものを俺は十年前にもう観ていたのか! 最初は古道具を眺めるような気持ちで眺めていたつもりが、いつしか、本気でテレビにかじりついていた。
そしてエンディングテーマ。古い。確かに古いのだが、古いなりに魅了された。90年代に近いエッセンスと10年代に近いエッセンスの混淆。圧倒的じゃないか。その日はそれですっかり目が覚めてしまい、なかなか眠れなかった。
成人したアニメキャラの「その後」を想像するのが好きだ
で、ここからが本題だが、私は贔屓のアニメキャラクターの後日譚を勝手に想像するのが好きだ。
『涼宮ハルヒの憂鬱』のなかで一番贔屓のキャラクターは、まさに涼宮ハルヒだった。
小説版が2003年に発売され、アニメ版が2006年に放送されたから、作中で16歳ぐらいだったと考えると、2016年には29歳か26歳だ。どちらにしても、いわゆる「アラサー」と呼ばれるような年頃になっているだろう。ここでは小説版をもとに、涼宮ハルヒは29歳だと想像する。
私は贔屓のキャラクターには幸福になって欲しいという願望があるので、ハルヒの後日譚は自動的に幸福なものになる。
29歳のハルヒは結婚しているだろうか?しているかもしれないし、していないかもしれない。
ただ、もし結婚するなら二十代の前半のうちに結婚して、とっくに子育てを始めているんじゃないだろうか。
ハルヒはなんでも出来る能力と、なんにでも首を突っ込む好奇心を持っていた。くわえて、分別や社会性が少しずつ身についているようにも見受けられたから、順当にいけば、大変に魅力的な女性に成長しているだろう。そして作中描写から考えるに、身辺で起こる不思議な現象は落ち着いていったと予想される。
しかし、不思議な現象があろうがなかろうが涼宮ハルヒの人生が「つまらなくなる」とは考えられない。高い能力、好奇心の強さ、高い行動力が組み合わさった彼女人生は、起伏を恐れない、攻めの人生だろう。好奇心と行動力に導かれ、早々に結婚“してみて”出産“してみる”ことは大いにあり得るように思われる。
母親になったハルヒは、意外とうまくやるんじゃないだろうか。ハルヒは非言語コミュニケーション能力が豊かだし、子どもという存在自体が彼女の好奇心をくすぐるだろう。相性は悪くない。彼女の高いポテンシャルは、子育ての苦労に耐えるにも、子育てを一層楽しいものにしていくにも役に立つだろう。
キョンと結婚していようがいまいが、若く、美しく、快活で、子育ての上手い母親として、たぶん働きながら、うまいことやっているのではないだろうか。
ハルヒが結婚していない場合も想定してみよう。
それはそれで、彼女の好奇心と行動力が反映された“派手な人生”になっていそうだ。
最初のうちこそ勤め人をやっているかもしれないが、妙な人脈をつくりあげて独立しているような気がする。ハルヒは「ひとつのことが滅法できる」タイプではなく「なんでも相当なところまでできて行動力がある」タイプだ。呼吸するようにリーダーシップを発揮し、なんだかんだ言っても人を見る目があるハルヒのことだから、世の中を面白くするようなことを成功裏にやっているだろうし、彼女の周りには面白い人物が集っているだろう。
どうあれ私は、十年後のハルヒの生活も非常に面白そうだとしか想像できない。そのとき、SOS団のメンバーとどのような交際が続いているのかはわからないが、ハルヒ自身が「楽しい人間」の権化のような存在だから、どこで何をしていようが、きっと楽しい29歳を過ごしているはずだ。
『涼宮ハルヒの憂鬱』に限らず、歳月はアニメやゲームのキャラクターを古臭くしてしまう。でも、それを逆手にとって、十年後、二十年後のキャラクター達の後日譚やエピローグに思いを馳せるのは、歳月が経てばこその楽しみだ。自分が歳を取るにつれて、キャラクター達も歳を取っていく――それって、楽しいことだと思う。