シロクマの屑籠

p_shirokuma(熊代亨)のブログです。原稿に追われてブログ記事はちょっと少なめです

『怒首領蜂大復活』の2周目は別料金でも構わないのでは?

 
 シューティングメーカーは、もっと上手にお金を巻き上げるべき - シロクマの屑籠
 
 例えば『怒首領蜂大復活』は、初心者から最上級者までが楽しく遊べる、シューティングゲームとしては非常に優れた“作品”だと思う。しかし、それはプレイヤー側からみての評価で、ゲームセンター経営者にはまったく嬉しくないゲームだろう。過半数のプレイヤーが100円で何十分も遊んでしまうゲームなんて、電気代やメンテ代を差し引けば“商品”として成立しない。プレイ時間が問題にならない家庭用のゲームではないのだから、稼働時間にみあった金額を稼げなければ赤字になってしまうのだ。
 
 
 長年、シューティングゲームのプレイ単価が100円だったとはいえ、この相場は、他のサービス産業や他のアーケードゲームジャンルと比べてあまりにも安すぎる。かと言って、シューティングゲームの場合、対戦格闘ゲームのように潰しあってもらうわけにもいかない。やはり、プレイ時間にみあった対価をとるしかないのではないか。
 
 例として挙げた『怒首領蜂大復活』にしても、これ、二周目突入の選択時にもう100円取ったっていいんじゃないか?*12周目突入条件を満たしているプレイヤーに、<100円追加すると、スコア持ち越しのままで2周目をプレイできます>とメッセージングしたとしても、本当に面白がっていて、2周目に飢えきっているような連中は100円玉を追加して遊ぶんじゃないかと思う。100円で2周目を遊びたいというプレイヤーの為に、最初から2周目を選べるような選択肢を用意したって構わないんだし。
 
 2周目を追加料金無しで遊ばせるというルールは、昔のループゲームの慣習を引き継いでのものなんだろうけれど、この慣習は時代の変化に釣り合っていないと思う。100円で一周25分というのも、他のゲームジャンルの相場と比べれば安価な話だと思うけれども、100円で全二周50分という、安すぎる時給よりはまだマシだ。しかも、こういう変更を施したとしても、初心者プレイヤーには何の悪影響も発生しない。
 
 ゲームシステムについても、『怒首領蜂大復活』のオートボムは、標準装備ではなく「初心者用」「練習プレイ用」ということにして、“100円追加で装備可能”でも良かったんじゃないか。もうちょっとだけ難易度を下げたうえで、オートボム装備プレイは200円・オートボム無しは100円にすれば、初心者は初心者なりに、シューターはシューターなりに、使ってくれるんじゃないかと思う。*2。隠しモードのストロングスタイルにしても、100円追加で選択可能な仕様に仕上げても良かったのではないか。[慣れない弾幕シューティングゲームでも、弾避けを気軽に楽しめるモード]や[中級者が、いつもより難しいステージをたっぷり練習出来るモード]といったものを用意してくれるなら、追加装備として買う人は買うんじゃないかと思う。
 
 
 「他のゲームだったら、これぐらいのプレイ料金・これぐらいの追加料金」という相場に比べて、ゲーセンのシューティングゲームという分野は古い慣習に縛られすぎていると思うし、プレイヤーに嬉々として追加料金を支払わせる為の創意工夫にも慣れていないと思う。逆に言えば、もの凄く“未開拓”な分野ということでもある。弾幕シューティングメーカーの筆頭とも言えるCAVEあたりが、なにかやってくれたらいいなぁと思う。どのみち、ワンプレイ100円という縛りに縛られたままでは、ゲーセンのシューティングゲームは滅亡まっしぐらなんだから。
 
 
 
 

*1:もっと言うなら、2-5ボスを潰した後に、エキストラステージをプレイするかどうかのシーンでも、もう100円取ったって構わないような気がする

*2:尤も、『怒首領蜂大復活』は、ボム発射かオートボムかによって難易度が変わるというシステムだったので、このオートボム追加料金制にするなら、その辺りも変更する必要はあるだろう。