∩___∩ | ノ ヽ / ● ● | | ( _●_) ミ 彡、 |∪| 、`\ / __ ヽノ /´> ) (___)f^f^f^f^f^f^f^f^f^┐ | |~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ │ | | 知ってるが │ | / | お前の熊度が | | / | 気にクマない | ∪ |___________ | \_)
嘘です。
「萌えは記号だ!」「コスプレは記号だ!」と言っても今ひとつピンと来ない人向けに、今日はクマーでも分かってくれそうな“コスプレ記号論”について、喩え話を書いてみました。興味のある人は、どうぞ。
何のコスプレか意味の通じないコスプレ衣装は要らない
一般的なコスプレ衣装は、そんなに良い材質で出来ているわけでもなければ、裁断が特別に優れているわけでもありません。日常生活で着て過ごすわけでもないので、快適性に優れている必要もあまり無い。その代わり、「あっ!○○ってキャラクターだよね!」と、元のキャラクターを連想させるには最適です。本当にコスプレ慣れした人のカスタムメイドな衣装はともかく、市販のコスプレ衣装は、コスプレキャラクターを的確に想起しやすいように創られていて、それが第一にクリアすべき条件となってます。それがクリア出来なければ、たとえ衣服としてどれほど優れていても、コスプレ衣装としての役目は果たせません。
喩えるなら、コスプレ衣装ってのは「的確な文字列」みたいなものなんです。文字ってのは、意味が通るように適切に並べないと、違った意味になってしまったり意味不明になったりしてしまいます。例えば、ボーカロイドの“初音ミク”を日本語で書く場合には「初音ミク」と書かなきゃ意味が伝わりません。例えば「初音みう」と書くと、全然違う人を指し示してしまいます。
こんな風に。↓
(比較:初音ミクと、初音みう)
- 出版社/メーカー: クリプトン・フューチャー・メディア
- 発売日: 2007/08/31
- メディア: CD-ROM
- 購入: 30人 クリック: 4,650回
- この商品を含むブログ (480件) を見る
- 出版社/メーカー: アイ・シー・エフ
- 発売日: 2006/02/25
- メディア: DVD
- 購入: 1人 クリック: 27回
- この商品を含むブログ (1件) を見る
読む人に、青い髪のボーカロイドを想起してもらいたいなら、多少汚い字でも薄いインクでも丸字フォントでも構わないから、正確に「初音ミク」と綴らなければなりません。逆に不正確な文字列を書いちゃった場合は、どんなに美しい字で綴ったとしても、青い髪のボーカロイドをきちんと思い起こしてもらえません。
コスプレ衣装も、これと殆ど同じなわけです。例えばハルヒコスプレ衣装をみる側の人に、的確に「あっ!涼宮ハルヒのコスプレだ!」と意味が伝わるようなハルヒコスプレしなければ、見る側に意味が伝わりません。絶世の美少女がやろうが最上級の素材の服を選ぼうが、ハルヒコスプレと認知されない限りはハルヒだと誰も気づいてくれません(それどころか自分自身もハルヒになりきれません)。例えばハルヒコスプレを目指している筈なのに、一人称を“わっち”にして狼の耳をつけ足したコスプレイヤーは、文字列に喩えるなら“涼宮ホロ”と記述しているようなもので、誰のコスプレなのか意味が混乱してしまいます。*1。逆に、おじさんコスプレイヤーが粗悪な素材の衣装でハルヒコスプレをやったとしても、腕章・ヘアバンド・県立北高校の制服などといったハルヒをアイデンティファイする記号をきちんとおさえれば「おっさんが涼宮ハルヒのコスプレしてる!」とコスプレの意味を正確に伝えることが出来ます。
服としては粗悪でも、コスプレの意味を通す服として秀逸ならOK
以上のように、意味が通せるかどうかが重要という意味では、コスプレやコスプレ衣装ってのは、文章や記号と非常に似てます。コスプレが記号だなんだと言われるのも、この辺りがあればこそ、と、思っています。また、コスプレ衣装の生地が粗悪だったり、過剰なほどケバケバしかったりするのも、服としては粗悪品でもコスプレの意味を通す為の文字・記号として十分なら、それで使い物になるからこそではないでしょうか。もちろん、少数生産ゆえのコスト問題とか色々あって安っぽい素材になっているという部分もあるでしょうが、かなり高価なコスプレ衣装の場合でさえ、強調されるポイントや手抜きできない注意点は一般的な服装のソレとは幾らかズレてます。そして“良いコスプレ衣装”は、必ずと言って良いほど、コスプレキャラクターを想起させやすいよう細心の注意が払われています。
なお、念のため断っておきますが、コスプレだとはっきり分かる、ということと、そのコスプレイヤーが美しかったり格好よかったりするかどうかは、しばしば一致しません。誰のコスプレなのかはっきり分かるけれども、目を背けたくなるコスプレというのも、世の中にはあるかもしれませんし、そこを逆手にとって様々な表現を広げる剛毅な人もあるかもしれません。例えば、以下のようなクマーは「うわぁ」としかいいようがないですが、こういうのはこういうので味わい深いとおもいます。
[引用元]:http://www.geocities.jp/nipponhousou1242khz/index.html*2
※なお、以下のテキストがすごくおすすめ&参考にしました。
[参考&関連]:http://d.hatena.ne.jp/y_arim/20081010/1223688274