(美少女恋愛ゲーム、ライトノベル、などなどの)オタクコンテンツという名のケーキは、「分かり易さでデコレーションされていなければならない」という決まり事に則って殆どがつくられる。名作と言われる作品の表面のデコレーションが平凡であることは少なくなく、むしろ平凡を極めていることすらある。世の中には、その分かり易さのデコレーションというたった一枚の皮だけを視てオタクコンテンツの陳腐さを非難する人もいるけれど、必ず苺が載っていることを理由にショートケーキはどれも駄目だと言うのと同じくらい、それは馬鹿げている。
いつものデコレーションだからと言って侮ってはいけない。口に入れてモグモグやってみるまでは何とも言えない。そして味わう舌が肥えていなければ、たぶん違いがわからない*1。見た目は平凡なショートケーキでも、かなり込み入った味のコンテンツや、たっぷりとマスタードをすりこんだコンテンツがあることを、今度“彼”に教えてあげようと思う。そうですね、まず最初は、彼の大好きな“酸っぱい葡萄味”のモノでもプレゼントしますか。
*1:補足:逆に、分かり難さや複雑さでデコレーションした挙げ句、口に入れてみたら蔗糖の味しかしなかった、という酷いコンテンツに遭遇することも、あるやもしれない