シロクマの屑籠

はてな村から引っ越してきた精神科医シロクマ(熊代亨)のブログです。

どこまで棘がとれたんだろうか?

 
あのとき僕は「日本のアニメは世界一だよねっ!」と頷いてあげるべきだったのだ - シロクマの屑籠
 
 最近の俺は、オフ会に出る時には「たいていのオフ会参加者は楽しもうと思って来ているし、オフ会はやっぱり楽しい場であったほうがいいよね」と思っている。また、「日常のblogやサイトのやりとりでは対立しても、そういったものを抜きにして個人間で認め合うことや絆を築くことは可能だよね」とも思っている。2006年に出席したオフ会では、そういう発想を意識しながら沢山のオフ会に出席したことと思う。意識しているうちは甘いと仰る人もいるかもしれないけど、意識しないと同族嫌悪や自意識が顔を出す程度に俺は未熟者なので、当分は随意的な枠付けという保険をかけておこう、と思う。
 
 見解やサイト上の殴り合いがあろうとも、まず個人としての意見を持った他人であることは認める事が出来る。とりわけ、人対人というオフ会の場でなら、普段はチャンネルが合わない人に対しても、何らかのとっかかりを得ることが出来るかもしれない。blog上やウェブサイト上では書きたい放題で、他人の文章に違和感があったら平然と反論してしまう癖が治らない俺だけど、オフ会においては、意見の相違があるにしてもそこに集ったという事を大切にしていきたい、とは随意下で思っている(無意識においてはどうかって言ったら、それは分かったもんじゃないし、無意識レベルの自分はそれほど清廉ではあるまいと疑ってかかっている)。
 
 しかし、こういったオフ会心得を持つに至ったのも、リンク先の件があってのことだ。もし、自己肯定をオタク語りに仮託している彼の輝く瞳を、現実で塗りつぶしてしまったという反省経験がなかったら、俺は今も「現実!現実!」という名のもとに、同族嫌悪の優越感ゲームを繰り広げていたかもしれない。そして、友達になる可能性のある人との縁を、失っていたかもしれない。俺はもちろん今も不完全で、自意識過剰で、同族嫌悪を抱えた人間なわけだが、あの頃の自分よりは、幾らかなりともマシな振る舞いが出来るようになったと思う。そのお陰で、オタクや非モテを自称する多くの人と知己になるチャンスを拾いやすくもなっていたらいいんだけれど、実際にどうなのかは定かではない。
 
 とはいえ、2006年のオフ会で俺と初対面になった人達のなかで「シロクマは思ったよりもひでぇ奴ではない」と思った人がいたとしたら、それは過去に私がやらかした非道いことの故かもしれない。現在の俺の適応なりコミュニケーションなりの背後には、こうした過去の犠牲なり罪なり失敗なりがうずたかく堆積していることを俺は忘れない。自分は、過たなければしばしば気づかないし、おそらくは過っても気づかないことすらある、そういう生物だということを肝に銘じながら、今日の適応と、明日のオフ会に臨もう、と思う。