シロクマの屑籠

p_shirokuma(熊代亨)のブログです。原稿に追われてブログ記事はちょっと少なめです

今更ガンダムSEED鑑賞中・二十話までみた

 
 妹に奨められ、遂にガンダムSEEDを見始めた。二十話までみた限り、これはすごくいいじゃないか。何かいいかというと、キャラクターの短絡と情動に振り回される姿が最高なのだ。そこには、判断、悟性、といったものが常になおざりにされていて、高スペックの塊ともいえるキラでさえその縛りからは自由ではない。いや、むしろ不自由なぐらいだ。コーディネイターの人達の、能力は高いけれども情動やメンタルはお粗末なままの生き様も素晴らしい。どんどん駄目にやってほしい。これから先の話で、コーディネイター側が技術と進化は前方に向かって開かれている、という思い込みが壊滅的な失望と惨めな失敗に変わって行くことを期待しよう。
 
 そしてフレイお嬢様。彼女はガチだ。彼女はカテジナさんと違って考えて動くというアクションが微塵も存在せず、今のところ常に情動やら怨恨やらによって駆動している。だが、その情動やら怨恨やらに、おりこうさんな面々や、キラ自身がいいように振り回されている姿はとてもいい。しかも彼女には、どうやら安直なヒロイズムやら他人への想像力の欠如やらの臭いがプンプンする。こいつはくせぇ。是非ともフレイさんには情動の風見鶏として散々揺れ動いてもらって、話の流れを滅茶苦茶にしてほしいものだ。これまでSEEDレビューをみていなかったのは幸いだ。21世紀最初のガンダムに相応しい、ガタガタの、混乱した、右往左往する情動動物達の物語を強く期待したい。ああ先の話が楽しみだ。フレイお嬢様は、これから先どのような所業を重ねられるのだろうか?