シロクマの屑籠

p_shirokuma(熊代亨)のブログです。原稿に追われてブログ記事はちょっと少なめです

女の子がちゃんと攻略していたダライアス外伝

 
 どうして女の子のオタクは腐女子をやらないといけないんだろう - 有給の風邪伝説。
 
 女性のシューターってのは少ないものなんだけど、ダライアス外伝という作品に関しては、何故か女性のプレイヤーをみることがかなり多かったことを記憶している。しかも、コンテニューしながらパロディウスシリーズをやっているような軟派なやつじゃなくて、かなりちゃんとやりこんでいる人がいたのが非常に印象に残っている。何故ダラ外なのか?何故斑鳩や怒首領蜂じゃないのか?正直、ワインコインクリア者の目撃数だけみると、式神の城シリーズやエスプガルーダシリーズよりも多くみかけたような気がする。私の目撃例を挙げると、
 

  • 渋谷でみかけたOLさん。ゾーンJの、4,4,4,3,6もボンバー使って頑張って稼いで、ゾーンOのピラニアの鰭を熱心に剥ぎ取っていた。そこでミスって後は平凡に、しかしオニキンメ改を張り付き&ボンバーで綺麗に瞬殺していた。

  

  • 私の敬愛する女性も、フウセンウナギまでは何とか到達し、ワンコインクリア。タツノオトシゴに苦戦しているうちに中止へ。

 

  • クジラ(Great Thing)でドリルミサイル稼ぎしている化け物みたいな女の人がいた。スコア稼ぎに関する限り、私よりも上手にみえた。信じられない。

 

  • 同じく、暗記必須のクラゲステージを攻略してパーツをちまちま剥がしていた女性もみたことがある。

 
 何故、ダライアス外伝がこんなに女性に人気だったのだろうか?ここまで上手なプレイヤーをみかけたシューティングゲームは、はっきり言ってみたことがない。私なりに原因を考えると、
 
1.当時としてはズバ抜けたグラフィックとBGM
 当時のシューティングゲームとしては出色のグラフィックと演出、BGMの融合は、当時のタイトーの底力を示すものだったと思う。これらの視覚的演出に魅了された可能性。また、ZUNTATAのダライアス外伝のCDの出来はすばらしく、BGMでもがんばってたんじゃないかと思う。
 
2.実は簡単な難易度と、苦手なゾーンを避けられる自由度
 ボンバーを適切に用いて、地上の敵をまめに掃除する習慣さえつけておけば、案外ダライアス外伝は簡単だったりする。少なくともアーケードの美しい画面のシューティングで、あそこまで簡単に進めたゲームはそう多くない。苦手なゾーンは避けたっていいわけだし。こうしたお手軽さも女性プレイヤーには嬉しいことだったのかもしれない。
 
3.おさかな天国
 そして何より、ダライアスのボスは他の多くのSTGのボスと異なり、馴染み深い海の生物ばかりだという点に注意。バックストーリーを知る必要も無い、メカフェチである必要もない。ただ、目の前のボスが魚であるとわかればいいという、この簡略さ!メカにはゲシュタルトを形成しない女性達でも、魚は有意味なゲシュタルトを形成しやすい対象として認知されるだろう。ここら辺も、女性プレイヤーがちょっと触ってみようという気にさせてくれたのだろうか。そういえば、ボスの各攻撃もまた、それぞれの魚らしい攻撃が多くていい感じだったよね。
 
 こうした特長を持っていたからこそ、ダライアス外伝は女性プレイヤーを比較的多く獲得できたんじゃないかと思った。今は東方が女性プレイヤーにも門戸を開いているが、格闘ゲーム花盛りのあの時代においては、シューティングは男性のものという印象が強かった。そんな中、シーラカンスの鱗を剥がし、カガミダイの鰭を破壊する女性プレイヤーは輝いてみえたものである。もう、彼女達に会うことはない。式神の城でみかける女性は、コンテニューしてる「人種の違う女性」ばかりであって、ダラ外当時のようなストイックな攻略プレイヤーは滅多にみかけない。ダラ外時代が良いというわけではないにせよ、あの頃であったような女戦士にまた会ってみたいなぁと思うことが多い。あの頃はキモオタだった僕も少しはコミュニケーションがとれるようになってると思うから、何らかのコンタクトもとってみたいところだなぁ。