シロクマの屑籠

p_shirokuma(熊代亨)のブログです。原稿に追われてブログ記事はちょっと少なめです

【大はてなコロシアムの、プロレスと剣闘試合】

 私はプロレスが苦手だし、プロレスを目指したことがない。もしプロレスラーと対峙したとしても、私は観客のために大きく振りかぶって剣を振るったり、計算づくで相手にダウンを奪わせたりすることが出来ず、プロレスやネタを期待する善良な読者の皆さんにエンターテイメントを提供することができない。喩えると、私は観客達のワクテカには目もくれず、相手レスラーのみぞおちを凶器で狙い続け、マットに沈んだとみるや戦闘不能になるまでメッタ刺しにするタイプなんだと思う。ハンドアックスはなんか野蛮っぽくて嫌いなので、腕力の無い私でも使えそうなダガーで頚動脈を狙おう。もちろん、プロレスラーが攻撃して来たときには、相手が本気で殺しにかかってくるという前提で防戦を試みてしまうのだろう。はたして防戦が上手くいくかどうかは別にして、私は一度のダウンも許さない気持ちでレスラーの魔手を避けようとするだろう。
 
 でもまあ、これは仕方ないのかもしれない。私はプロレスを志向せずに刺し合いを志向し続けてきたので、discussionは自ずと無味乾燥な刺し合いを狙ったものになってしまう。ローマ剣闘士の刺し合いではなく、誰が視ているかを忖度せず、いかに効率的相手を刺すかに意識が向いてしまう。少なくとも、一連のショーとして観客にアドレナリンを提供するような意識は乏しい。もちろん路地裏の刺し合いでも、滑稽に転べばみんなは私を笑ってくれるだろう。だが、狙って転べるほど器用ではないし、相手との文脈で「これはプロレスなんですよ」という空気を読むのが下手なので、相手が真剣勝負を望んでいる時にも勘違いプロレスを演じてしまいそうで怖い*1
 
 私には、ネタやプロレスを提供するという感性も志向もあまりにも欠落している。どうやらはてなは、discussionではなくfixed gameに向いた媒体らしいと私は思いはじめているのだが、私はいっこうにプロレスラーになれず、剣闘士にもなれず、大して上手くもないダガーを振り回している。折角プロレスに向いた諸環境が整っているなら、プロレスを(レスラーとしても)楽しみたいものだが、不器用で怖がりな私にはちょっと難しいのかもしれない。さりとて努力してまでfixed gameを目指したいとも思わない&きっと向いていないので、集客力のあるコロシアムをこの地に建設しようとか、そんな事を企てるのはよそうと思う。
 
 それに、自分がプロレスラーになれず、コロシアムも建設できないなら、人んちのコロシアムの観客席に座って野次ればいいんだろうと思う。でも私は野次ったり茶化したりするだけでは気が済まずに、闘技会場の控え室で戦う準備をしている剣闘士を暗殺したがるのかもかもしれない(あるいはその過程のなかで返り討ちにあうのかもしれない)。ひょっとしたら、観客のまなざしよりも、刺す快感のほうが私が好きなのかな。だったらそれはビョーキだな。もちろん「まなざし病」もそれはそれでビョーキだろうけど。
 

*1:もちろん、そんな勘違いでヒットマンに心臓抉られるのはとっても怖くて辛くて悔しくて無念なことだろう

 私には「更新のネタを探す」という感覚がわからない。吐き出すべき反吐も、吐き出すべき塵も、こんなに沢山あるというのに、どうして探さなければならないのか。探す、ではなく、吐くものを選ぶ、ではないのか。この、無限に湧き上がる妄念と、どこまでも連鎖していて全体像がさっぱり把握出来ない知恵の環を目にした時、むしろ書いても書いてもまとめてもまとめてもスッキリしない憂さに私はしょんぼりする(一方で高揚する)。一生書き続けても、知恵の環は把握しきれないし憂さも晴れないだろう。でも、少しでも連鎖させようと、無駄な足掻きを続けるのだろう。

 そうだ、余裕がなくて賎しくて人のココロが読めないから私は剣闘士になれないんだ。そうだきっとそうに違いない。 →数分後:シロクマ君、そんな風に簡単に自分の葛藤を投げ出して居直ってしまってはいけないよwと天の声。