シロクマの屑籠

はてなダイアリーから引っ越してきた、はてな村の精神科医のブログです。

艦隊シューティングゲームとしての『アズールレーン』

 
 
 
 
  
gamedeets.com

 
 やまもといちろうさんも『アズールレーン』をやっているのを知って、ちょっと嬉しくなりました。しかし、シューティングゲームばかりやっていた者の一人として引っかかるところがあったので、それにかこつけて、『アズールレーン』についてツベコベ書きます。
 
 

 この『アズールレーン』もシューティングゲームとしてはいけていないのです。

 
 これです。わかるような気もしますが、寂しい了見のようにも思います。
 
 

小艦隊を指揮するシューティングゲームとみれば、よくできている

 
 寂しい了見などと書きましたが、早い話が、私は『アズールレーン』のようなゲームを待っていたのでした。
 
 『艦これ』をプレイし始めて始めて間もなく、私は「これ、駆逐艦や巡洋艦を自機にして、弾幕をかいくぐって空母や戦艦に肉薄攻撃するシューティングゲームが出たら、どんなにいいだろう……」と夢想したものでした。
 
 戦闘機や人間の自機が弾幕をかいくぐるシューティングゲームなら、既にたくさんありますし、やり込んできたつもりですが、艦艇クラスの自機を操作するシューティングゲームはあまりありません。艦艇なら、当たり判定は大きめで、多少の被弾によって沈まない頑丈さがあって、戦闘機や人間に比べて小回りの利かない、鈍重さがあって然るべきでしょう。
 
 そのような「艦艇が自機のシューティングゲーム」といえば、『宇宙戦艦ゴモラ』を思い出す私は、おじさんです。
 
 ところが『艦これ』の場合、大人の事情で二次創作ゲームが発売されそうになくて、吹雪や島風や時雨を自機にしたシューティングゲームを遊べる見込みはありませんでした。アーケード版『艦これ』のリリースによって、それは決定的になり、「いわゆる日本で言われるところのシューティングゲーム」としての『艦これ』は望みを絶たれたと思っていました。
 
 しかし、捨てる神あれば拾う神あり。
 
 『アズールレーン』の戦闘シーンは、私の願望をだいたい形にしたような代物でした。
 


 こういう雰囲気、こういうコンセプトのゲームを遊んでみたかった!

 
 『アズールレーン』の自機は、擬人化されたとはいえ、艦艇です。艦艇の擬人化は『艦これ』で慣らされているので、違和感はありません。
 
 艦艇なので、ちょっと弾幕をかいくぐったぐらいでは沈みません。魚雷や航空爆弾をまともに食うと危ないですが、小さな弾幕にぶつかってもビクともしません。
 
 艦艇なので、色々な攻撃手段があります。通常弾、榴弾、徹甲弾、対空機銃、そして魚雷。自軍の戦艦や空母の攻撃がボムに近い位置づけなのも、戦艦主砲をマニュアル照準できるのも、私が夢想していたとおりでした。
 
 しかもこのゲーム、前衛艦艇が1~3隻なので、小艦隊を指揮している感触があります。単艦単位でダメージを最小化するのでなく、小艦隊全体でダメージをコントロールするような機動をプレイヤーに問うてくる場面がしばしばあります。打たれ弱い飛行機や人間の自機を、精密に動かして弾幕を避けるのもシューティングゲームですが、打たれ強い小艦隊を、全体のダメージを最小化するように動かしていくのも、それはそれでシューティングゲームとして趣があります。『アズールレーン』の雰囲気は、そういうゲームコンセプトとうまく噛み合っているように私には思われました。
 
 


トロい重巡は、急には止まれない。それがいいんだよ。

 
 それでいて、シューティングゲームが脈々と磨き続けてきた“おもてなし”も引き継いでいると感じました。どこかで見たような弾幕、どこかで見たような攻撃。だからといって、悪いものじゃあありません。艦艇だから、いざとなれば弾幕のカーテンを突っ切るという選択だってできるし。実際、そうすると快感を覚えます。
  
 航空攻撃やスキル発動に乗じた肉薄攻撃の際には、シューティングゲームの「攻め」の部分が楽しめて、「ひとり上手」な感覚に酔いしれたりもできます。
 
 このゲームの本態は、レベリングやマネジメントのたぐいがモノをいう「シューティングRPG」なので、シューティングゲームのプレイヤースキルを磨く以上に、装備を整えたりレベルを上げたりすることのほうが重要なのは否めません。しかし、スマホというインターフェースで、より広い範囲のプレイヤーに、気軽に遊んでもらえるシューティングゲームとしては、こんな感じが良いのでしょう。いまどき、スマホで、カリカリに尖ったシューティングゲームをマゾっ気全開に遊びたい人なんて、あまりいないでしょうから。
 
 それでも、小艦隊を自機として動かす時には、ゲームコンセプトと噛み合った艦隊機動に胸が躍ります。日常の周回の際にオートモードを使っているからこそ、マニュアル操作の時は「俺が直接指揮を執る」感があって、楽しい雰囲気です。まさかこんなゲームを中国のゲームメーカーが作ってくれるとは夢にも思いませんでした。かつて、韓国のゲームメーカーが粗悪なコピーシューティングゲーム*1を作っていた頃とは、隔世の感があります。
 
 

『艦これ』と『アズールレーン』を比べて思うこと

 

 そのほか、ついでに書き残しておきたい所感を。
 
 ・twitterで、「『アズールレーン』のほうが『艦これ』よりもインターフェースが全面的に優れている」云々という文章が流れてきたけど、現時点では、そうとも限らないような。
 
 委託・任務・建造・補給あたりについては、『アズールレーン』のほうがスムーズですが、装備の付け直しや艦隊のメンバー入れ替えに関しては、『艦これ』のほうがくっきりしていると感じます。演習/デイリー任務/ハードモード/委託あたりが絡んだ時の出撃表示も、直観的にはわかりにくい。
 
 ただ、このあたりは「スマホメインの『アズールレーン』」と「PCメインのflashゲーである『艦これ』」という前提の違いを含んだ話なので、『アズールレーン』側の努力が足りなかった、とは言いにくい気がします。
 
 
 ・『艦これ』は、遠征をまめにやっていれば燃料や弾薬で困る心配があまり無いゲームでしたが、これが良し悪しで、欲張ると遠征に張り付いてしまうきらいがありました。対して、『アズールレーン』の委託は数をこなせません。これも良し悪しで、燃料がボトルネックになって成長が制限されている感があって、つい、燃料に課金したくなるデザインだと感じます。
 
 
 ・そう、この「つい、課金したくなるデザイン」に関しては、『艦これ』とは比較にならないほど『アズールレーン』は進歩していると感じます。いや、逆に『艦これ』が異様にのんびりしていただけなのかもしれませんが。
 
 『艦これ』で燃料や弾薬に課金をするのは、よほどのプレイヤーだけでした。しかし、『アズールレーン』では、そうではないでしょう。課金資源(ダイヤ)を合理的に使って、プレイヤーにお買い得な買い物をさせるように誘っているのがよくわかります。「ここは、課金するとお得ですよ」と感じさせる場面をそこらじゅうに仕掛けて、プレイヤーに「合理的な課金」をさせたい強い意図が感じられました。
 
 ガチャのような、ギャンブル的な課金だけが快楽を生むわけではありません。とびきりお買い得に課金アイテムを使う、「合理的な課金」も快楽を生みます。課金アイテムを合理的に使ってもらって、それでプレイヤーに気持ち良く現金を払わせて、あわよくば習慣化させるシステムができあがっています。アイテムの割引セールのたぐいもあざとい。
 
 
 ・それに伴って、「詫び石」とは恐ろしいものだなぁと改めて思いました。
 
 詫び石とは、「課金アイテムの快楽」でプレイヤーを誘惑する、悪魔の所業だと思います。ゴメンナサイしながら課金の快楽をプレイヤーに押し付けるのは、善良なプレイヤーをハメる方法として最高ですね。「お試しサンプル」では胡散臭いけれども、「詫び石」なら胡散臭くない。
 
 google検索では、「詫び石 乞食」がレコメンドされてきますが、「詫び石 麻薬 売人」では全然引っかかりません。詫び石って、体裁の良い“麻薬の売人”のやり方だと思うのに。ソーシャルゲームを愛してやまない人達は、このあたり、どう思っているのでしょうか。
 
 
 ・絵柄が2000年代の萌え絵っぽいのも、個人的には嬉しいところでした。髪の毛も色鮮やかで、一昔前のラノベの表紙みたいな雰囲気のキャラクターが多いですね。これに比べると、『艦これ』のキャラクターデザインは先進的というか、2010年代っぽい。しばふ絵をタイトル画面に抜擢したのも、『艦これ』の偉業のひとつだと思います。が、これは結果論でしかなく、当初、『艦これ』がここまで売れるとは誰も思っていなかったのでしょうね。
 
 
 ・そういえば、『艦これ』と『アズールレーン』のキャラクターのどちらがエロいでしょうか。私は、『艦これ』のほうがエロい……というか篭もったようなエロさがあって、えっちなのはいけないと思います。『アズールレーン』は、いくらスカートの丈が短くても健全というか、あけっぴろげというか、爽やかに感じられます。「『アズールレーン』のエロは安全」と言いますか。
 
 
 
 ほかにも、色々ありそうですが、飽きてきたのでこのへんで。
 

*1:注:ここでは『ステッガーワン』のこと