シロクマの屑籠

p_shirokuma(熊代亨)のブログです。原稿に追われてブログ記事はちょっと少なめです

素晴らしいワインを飲むと、おしっこの匂いも素晴らしくなる

 
 
 下ネタっぽくて恐縮ですが、今日はおしっこの匂いの話です。
 
 「おしっこの匂いなんてどうでもいい」という人が大多数だと思うでしょうし、普段は私もそうなんですが、時々、おしっこの匂いに感動することがあるのです。
 
 

「素晴らしい白ワインの匂いがするおしっこ」

 
 
 気づいたのは、数年前のことでした。
 
 その日私は、柄にもなく高級なブルゴーニュワインを飲んでいました。ワインなんてただの飲み物に過ぎないわけですが、そのワインは、大理石の神殿で蜂蜜壺をぶちまけたような香りに、石鹸、バタークッキー、ザラメ糖、花束を全部詰め込んだような、七色の香りがドカドカ沸いてくるとんでもない代物でした。なるほど、高級ワインの世界は底なし沼と言わざるを得ません。
 


 
 で、このワインを飲んだ時に、思わぬオマケがついてきたのです。
 
 なんと、自分のおしっこまでもが、大理石の神殿で蜂蜜壺をぶちまけたような、素晴らしい香りになっているじゃないですか!
 
 信じられないことに、石鹸、バタークッキー、ザラメ糖、花束。そういった要素までおしっこから漂っていて、思わず、「おお、シュヴァリエ・モンラッシェの匂いがするおしっこだ!」と叫んでしまいました。
 
 その日は、ワインを飲んではトイレに行って、トイレを充たす芳香までも楽しんでしまったのでした。
 
 

素晴らしい赤ワインを飲むと、全身が素晴らしい匂いで包まれる

 
 この時から、私は飲み食いした後の自分のおしっこの匂いを意識するようになりました。
 
 おしっこは血液から作られて排泄されるものですから、面白いほど飲食物の匂いを反映します。カレーを食べるとカレーの匂い。コーヒーを飲むとコーヒーの匂い。ニンニクを食べればニンニクの匂い、等々……。
 
 さすがにおしっこを飲むわけにはいきませんが、少なくとも香りの面では、飲食物の素晴らしい香りをもう一度確かめるチャンスがあるわけです。
 
 香りの寂しい残念なワインのおしっこは、必ず、寂しい匂いのおしっこになってしまいます。
 
 対照的に、香り豊かで人を虜にするようなワインのおしっこは、やはり、陶然とした匂いが漂っているのでした。
 
 


  
 こういった高級赤ワインをいただいた時には、おしっこだけでなく、身体じゅうから素晴らしい香りが立ち昇って、自分自身が高級ワインになったかのような感覚を覚えました。シャワーを浴びた後も芳香が残り、翌朝のおしっこにまで余韻が漂っていることには、いつも驚いてしまいます。
 
 「素晴らしいワインとは何か」という問いには、いろいろな答えがあるでしょう。が、私なら、その要件のひとつとして「素晴らしいワインたるもの、おしっこの匂いも素晴らしくあるべき」と答えます。
  
 嘘だと思う人は、今日はプレミアムフライデーなので、素晴らしいワインを飲んでトイレで確認してみてください。素晴らしいワインは、おしっこの匂いも素晴らしい――これは本当です!