世の中には、苦くて素晴らしいリキュールがたくさんある。「どうして苦いリキュールなんて飲むの?」と首を傾げる人もいるだろうが、一線を越えたらやめられなくなる。
春夏秋冬、苦いリキュール
・春はシャルトリューズをよく呑む。
シャルトリューズ ヴェール グリーン 55度 並行 700ml |
ハーブの苦みと蜂蜜の甘さが合体したシャルトリューズは、ソーダで割れば涼しい食前酒になるし、ストレートかオンザロックならナイトキャップになる*1。カクテルのレシピでは、ドライジンと合わせた“グリーンアラスカ”が有名だけど、習慣的に呑んでいると、いろいろな飲み物と混ぜても平気になってくる。個人的には、オレンジジュースで割っても意外といけていると思う。
シャルトリューズ エリキシル ヴァジェタル 69度 100ml_あす楽 |
シャルトリューズ ヴェールVEP リキュール 1000ml 54度 |
・夏になるとカンパリを飲みたくなる。
カンパリ 25度 正規 1000ml(1L) あす楽 |
カンパリオレンジとスプモーニ。カンパリの苦さが苦手なお客人には、このあたりを提供する。だからといってカンパリの魅力が失われるわけでもない。苦いリキュールは、どんな相棒と組んでも自分の味を見失わない。
ネグローニ。ジンとベルモットとカンパリを混ぜると、酒好きのための食前酒ができあがる。苦いリキュール党としては、カンパリの割合は多めにしておきたいし、いっそ、カンパリ単体でオンザロックというのも素晴らしい。
・食欲の秋は、ごちそうのお供になりそうなものを。
フェルネット ブランカ 700ml 39度 |
特にリンク先のリキュールは甘みがほとんど消え失せて、「薬を飲んでいるような」感覚をおぼえる。最初に飲んだ時は「誰がこんなモン呑むんだ……」と思っていたけれども、夕暮れにオンザロックで呑んだら抜群の食前酒になった。そして苦いリキュールの常として、妙な習慣性がある。苦さの余韻として、リコリスらしい風味が鼻をぬけていくのもたまらない。
・冬は寒いので何を呑んだって構わないが、コアントローがいい。
コアントロー 40度 700ml 【箱なし】【カクテル お酒 ディナー 手土産 リキュール パーティ】【ワインならリカオー】 |
もちろん夏に呑むなら、ソーダで割ってレモンを搾ったりミントの葉っぱを放り込んだり、爽やか路線でも構わない。コーヒー割りもそうだが、ちょっとやそっと混ぜたぐらいではコアントローの風味は消えてしまわない。好きなように混ぜましょう。
コアントローはそこらの安物キュラソーと違って、単体でもぜんぜんいける。就寝前にリキュールグラス一杯のコアントローを呑むと幸せな気分になる。
苦いリキュールの魅力
苦いリキュールには幾つもの利点がある。列挙すると、
1.食欲が刺激される
苦いリキュールは食欲を刺激する。たいてい、ソーダで薄めただけで素晴らしい食前酒になる。カンパリソーダはその典型で、コース料理の前に一杯やっておくとバッチリだ。
2.たくさん飲めない
苦いリキュールはガブガブ飲めない。私のようなこらえ性の乏しい酒飲みには、これがありがたい。食前か食後、少しだけグラスに注いで、一日の楽しみを2%増やすためのお酒に徹することができる。アルコールの弊害を減らしながら楽しむには適している。
3.コストパフォーマンスは良い
たくさん呑む気にならないから、コストパフォーマンスにも優れている。苦いリキュールの多くはアルコール度数が強く、日持ちもするので、キャップをあけて数ヶ月はビクともしない。ちょびっとずつ・大切に楽しむにはぴったりだ。
4.飲み方のバリエーションが豊か
苦いリキュールは、一部の不透明なタイプを除いて、ストレートでもオンザロックでもソーダ割りでも楽しめる*2。またカクテルの材料として他のお酒やジュースに混ぜられるので、飲む際のバリエーションにも事欠かない。苦いリキュールを一本用意しておくだけで色々楽しめる。
5.飽きない
これらの帰結として、苦いリキュールには飽きにくい。というより、苦みがやみつきになって飽きなくなる。
……といったものだ。
苦みの彼岸の法悦
ともあれ、苦いリキュールは良い。リキュールの苦みは、最初、人をひるませる。だが一度慣れてしまえばこれほど心強く、なじみ深いテイストもない。チビチビと、末永く楽しむにはぴったり*3。