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シロクマの屑籠

はてなダイアリーから引っ越してきた、はてな村の精神科医のブログです。

いまどき、男選びの基準がワインってどうなのよ?

 
 

  
 一体何年前のお話かと思いきや、日付は2015年9月26日。なんという時代錯誤……。
 
 いまどき、「アラサーでお気に入りのワインの一本も出てこない云々」で男を値踏みするなんて、シーラカンスのようなお姉さん達である。そんな基準で男性を値踏みしているようでは、見逃してはいけない男を見逃し、駄目な男をアタリと勘違いしてしまいそうだ。
  
 【お気に入りのワインが咄嗟に出てくる男性=アタリ そうでない男性=ハズレ】という判断基準をクリアーするアラサー男性とは、どんな男性か?
 
 ワイン、ことにフランスの名醸地のワインは値段が高い。だから、シーラカンスお姉さん三人組は、【ワインに詳しい=経済力のある男性=アタリ】 と思っているのだろう。だが、バブリーで短絡的な発想だ。そりゃ、なかには身の丈にあったワインの楽しみ方をしている高収入アラサー男性や、職業的な理由でワインに詳しい男性もいるかもしれない。だがそれ以上に、後先考えずに高級ワインに傾倒する浅はかな男性が引っかかってしまうのではないか。
 
 もし、私が女だったら、高級ワインの名前をスラスラ挙げられるアラサー男性にはちょっと警戒するだろう。なぜなら、そいつが放蕩者である可能性が高いからだ――放蕩者は、結婚の対象として最低だし、恋愛の対象としてすら危険である。現在の収入がそこそこ良いとしても、そういう“派手な”ライフスタイルを追求している男性には面倒事も多い。女癖も悪いかもしれない。高収入な男性をターゲットにするのは別に構わないが、なにも、ワインなんて基準にしなくても良いのではないか。
 
 かつて、カネを使ってセンスの良い消費を目指すことが“格好良かった”時代があった。まだ日本じゅうにカネが渦巻き、バブル景気をみずからの力だと勘違いしていた頃の話だ。ブランド品と同様、ワインもまた“恰好つけ”のツールとして利用され、センス競争のために消費されていった。
 
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 だが、そんなのは過去の話だ。ワインをセンス競争に使うのも、ワインを男選びの基準に使うのも、失われた時代の失われた男女がやることでしかない。くだんのお姉様方は、男を値踏みして悦に入る前に、自分自身の感性を点検したほうが良いのではなかろうか。
 
 

アラサーで「完成品」に辿り着く男って、あんまりいないのでは?

 
 だいたい、アラサー男性に一種の「完成品」を求めるのも了見の狭い話だ。
 
 女性に限らず、二十代〜三十代の異性に「完成品」を求める人は珍しくない。異性の成長可能性には目もくれず、男なら「都合の良い美少女」を、女なら「なんでもできる好青年」を期待する――そういう「完成品」や「合格品」を求めて値踏みをし、減点法で異性を眺めていれば、“出会い”なんてあるわけがない。
 
 現実には、二十代〜三十代前半ぐらいの男性に「完成品」を求めても、そんな男はあまりいない。いたとしても、そこで完成しているなら、伸び代の少ない物件の可能性が高い。
 
 数年後にも進歩のなさそうなペルシャ猫やクジャクを選ぶより、いずれ虎になるかもしれない子猫や、いずれ龍にるかもしれないトカゲを選んでみようという気にはならないのだろうか?あるいは、「私が猫を虎にしてやるよ」「このトカゲを育てて龍にしよう」といった気概はないのだろうか?
 
 いや、異性に「完成品」を求めてやまない人間とは、異性と一緒に成長していく甲斐性も、パートナーを育ててみせる的な気概も乏しい人なのかもしれない。あるいは自分自身の鑑識眼に自信がないからこそ、ワイン選びのような、値札のついた特徴に目を付けるしかないのかもしれない。どちらにせよ、それでは幸福なパートナーシップなど難しく、結果として自分自身の成長機会をも逃してしまうのではないだろうか。
 
 

“うまく値踏みしたい”気持ちはわかるけど……

 
 まあ、「アラサーになってお気に入りのワインの一本も……」という発想にも若干の道理は感じなくもない。30歳の男女には未完成の部分があるとはいえ、20歳の男女に比べれば「既に出来上がったもの」が期待されて然るべき年齢だし、まさにその「そろそろ出来上がっているもの」が猫の子か虎の子かを鑑別する一材料にはなるからだ。
 
 だとしても、ワインを判断材料にするのはいかにも古めかしく、センスが無く、レンジの狭い了見と言わざるを得ない。どうせ異性を値踏みしたいなら、もっとマシな着眼点があるんじゃないですか?ワインだのレストランだので男性を値踏みしている人達は、その、古雑誌のキャッチコピーみたいな幸福観と男性鑑別術で本当にハッピーになれるのか、今一度点検してみたほうがいいんじゃないかとも思う。
 
 ちなみに、幸福観をズラしていきたい人は、こちらもどうぞ。そんじゃーね。