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シロクマの屑籠

はてなダイアリーから引っ越してきた、はてな村の精神科医のブログです。

セガが好きじゃなかった私と、メガドライブ

 
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 こちらの記事によれば、昨日10月29日はセガのゲーム機・メガドライブが世に登場した日らしい。懐かしい気持ちになったと同時に、セガが好きなわけでもないのにメガドライブを買って遊んでいた頃を思い出したので、書き綴っておく。
 
 
 
 1.リンク先の fujipon さんがリストアップしたゲームを観て、「ああ、きっとこの人はセガが好きなんだ!」とのけぞった。いや、メガドライブ所持者で、メガドライブ生誕日にブログ記事を書くぐらいだから、セガファンであることは驚きではない。むしろ当然だろう。そこでのけぞる私のほうが間違っている。
 
 私は、メガドライブを持っていたくせにセガ的なテイストがあまり好きではなかった。それこそ、冒頭動画の「セー!ガー!」な感じのゲーム――『スペースハリアー』『ソニック』『ゴールデンアックス』『獣王記』『ファンタシースター2』、ああいう味付けが苦手だった。
 
 そんな私だから、セガハード愛好家な人々とゲーム談義をしている時には、ちょっと肩身の狭い思いをした。メガドライブをわざわざ買うような人の過半数は、セガ的テイストを嫌っているよりも愛しているので、相槌を求められて「う、うん……」的に曖昧に応じることもあった。
 
 
 2.メガドライブを買おうと思い立ったのは、やりたいゲームが既に2本リリースされていたから。ただそれだけだった。
 
 『MD版 スーパー大戦略』と『サンダーフォースII』。もし、メガドライブがセガマスターシステムのような末路を辿るとしても、PC版大戦略2に遊び心を施したシミュレーションゲームと、X68000の素晴らしい移植作さえ遊べるなら、とりあえず割に合うと思ったのだった。
 
 これら二作品が象徴しているように、私がメガドライブで遊びたかったのはセガとはあまり関係の無いゲーム、自宅では遊べそうにないハードで動いているゲームの移植モノを遊ぶためだった。後にセガサターンを買った理由が“『レイヤーセクション』と『ダライアス外伝』を遊ぶため”だったのも、ドリームキャストを買わなかったのも、つまるところそういう事だ。
 
 私には、ゲームハードやゲームハード会社に忠義だてする、あの気持ちもあまりわからない。ゲームハードが偉いんじゃない。ゲームハード上で動くゲームが偉いんだ!*1ハードウェアは、そのための器に過ぎない――こういう考え方は、当時のゲーム小僧としては珍しくないものだったと思う。それこそ「『ファイナルファンタジー』の次回作が発売されるゲームハードを選ぶ」のと同じノリだったわけで。
 
 ところがセガファンには、そうじゃない、妙な拘りを持つ人がいた。私には面白さの文法がわかりにくいセガのゲームを、非常に大らかな気持ちで遊んでいる人々。彼らがセガを語ってみせる時に垣間見せる光と影の表情は印象深いものだったけれども、同族ではないな、と感じた。
 
 そのうえ私がメガドライブやセガサターンのゲームを遊ぶ時には、いつもアーケードゲーム至上主義がついてまわった。『バトルガレッガ』のような神移植でさえ、アーケードゲームの移植モノ、という意識で眺めていた。こうした意識は『アドバンスド大戦略』や『ギレンの野望』のような作品によってしばしば弱められたけれども、なかなか根絶できなかった。そういう意識が消えたのは、X-box360でゲームを遊ぶようになってからだった。セガじゃないけど。
 
 結局私は、最後までセガファンにはなれなかったのだろう、と思う。
 
 
 3.それでもメガドライブは芳醇なゲーム体験を与えてくれた。スーパーファミコンと比べて、より多くの時間を費やし、より鮮やかな思い出を与えてくれた。別に、スーパーファミコンのゲームが悪かったわけじゃない。でも、遊んだ後に消えない爪痕が残ったのは、メガドライブのゲームだった。
 
 

スーパー大戦略 MD 【メガドライブ】

スーパー大戦略 MD 【メガドライブ】

 ことの始まり。PC-8801やPC-9801系の『スーパー大戦略』には無い要素があって、なおかつPC系の『大戦略2』よりグラフィックが美しい!しかも、兵装ひとつひとつにもきちんと名称がついている!……アメリカ系の航空機ならサイドワインダーやMk83爆弾、フランス系の航空機ならマトラマジックや30mmADEN……といった具合にだ。このゲームは、後の『アドバンスド大戦略』シリーズに通じるようなディテールへの拘りがあって、ユニットを動かす人間をワクワクさせる要素に富んでいた*2
 
 しかも最新鋭兵器の追加コマンドや、セガオリジナルの隠れキャラまでついている!
 
 このゲームについてきた兵器マニュアルも重要だった。取扱説明書の後半、小冊子程度の兵器マニュアルには、登場兵器についての簡単な解説がついていて、穴が空くほど読みまくった。読んでも読んでも飽きなくて、これが現代兵器の基礎知識の第一歩になった。紛失してしまったのが大変悔やまれる。
 
 
サンダーフォース2  MD 【メガドライブ】

サンダーフォース2 MD 【メガドライブ】

 これもメガドライブ購入の後押しになった。X68000版とはかなり違っていて、特にトップビューのモードは全く別物なんだけど、こちらは初代『サンダーフォース』の面影を引きずっていて、楽しく遊べるものだった。メガドライブ版のパワーアップはバランスが良く、さまざまな遊び方が出来た。シューティングゲームの基礎技能を身に付けていく一助にもなったと思う。
 
 
ソーサリアン MD 【メガドライブ】

ソーサリアン MD 【メガドライブ】

 PC版では遊ぶ機会が無かった『ソーサリアン』は、メガドライブ版が初体験。とても遊びやすいと感じた。魔法のグラフィックが美しく、一年間ほど魔法合成のレシピづくりに奔走した。BGMもすごく良くて、今でも時々思い出す。
 
 
サンダーフォース3  MD 【メガドライブ】

サンダーフォース3 MD 【メガドライブ】

 メガドライブオリジナルのシューティングゲーム、『サンダーフォース3』。暗記重視のパターンゲーだったけれども、アドリブに頼りがちな当時の私には必要な修練だった。サンダーフォース3で修練を重ねたからこそ『R-TYPE』をやっつけることができたわけで。
 
 暗記にうるさいゲームとはいえ、シビアな判定のゲームでは無く、いわゆる理不尽なシーンも少なく、しかも練習すれば着実に上達する感じがあったので、家庭用シューティングとしては見事な部類に入ったと思う。『カース』なんかとは全然違う。
 
  初代『アドバンスド大戦略』。このゲームがメガドライブで一番思い出に残っていて、一番時間を費やした。30分ほどかけて自分のターンを遊び、コンピュータの長い長い思考時間中*3は勉強して過ごす……というのが高校時代のパターンだった。セガ臭さを感じさせないBGM、すごく出来の良い戦闘画面*4、進化と改良、電撃戦を遊ばせる気満点のマップシステム、分厚い兵器マニュアルと、至れり尽くせりだった。とんでもない意欲作だったと思う。
 
 史実どおりのキャンペーンがもたらす一種独特の感慨については、たくさんの人が語っているので、ここでは省略するとして、このゲーム、なにげに「エディタ機能」も凄かった。バグってしまわないようにするにはコツを習得する必要があったけれど*5、コツさえ掴んでしまえば、マップも軍隊もかなり自由にデザインできた。人間同士の対戦、なかなか使えない兵器のテスト、米帝架空マップ、「籠城ごっこ」、等々、遊び方はさまざまだった。
 
 結局、このゲームはとことん遊び倒すことになって、サターンの『ワールドアドバンスド大戦略』が出る頃まで現役だった。
 
 
雷電伝説  MD 【メガドライブ】

雷電伝説 MD 【メガドライブ】

 アーケードゲームの移植作も沢山遊んでいて、この『雷電伝説』は、アーケード版『雷電』の劣化移植バージョン。ただ劣化移植とはいっても、基本はきっちりおさえていて、当時雷電が移植されたあらゆるハード*6よりも移植度が高かった。スーパーファミコン版とか、本当に非道い移植だったわけで。
 
 
鮫!鮫!鮫! MD 【メガドライブ】

鮫!鮫!鮫! MD 【メガドライブ】

 ゲーセン版の難易度が高すぎる作品の場合、家庭用にデチューンしてあるほうが重宝することも。メガドライブ版の『鮫!鮫!鮫!』もそんなゲームで、東亜プランらしい殺伐難易度が円やかになっていて、高校生時分の私にはちょうど良かった。『TATSUJIN』の移植版も良かったと思う。
 
 
SEGA AGES コラムス アーケードコレクション

SEGA AGES コラムス アーケードコレクション

 私は落ちものパズルが好きではないんだけど、例外的にメガドライブ版『コラムス』だけは遊び抜いた。メガドライブ版の良いところは、モードを変えると宝石の種類を減らせること。デフォルトでは6種類の宝石が降ってくるところを、4〜5種類で遊ぶことができる。4種類モードは『パズドラ』でいう“土日ダンジョン”仕様で、5種類モードが実質的なチュートリアル。このチュートリアルをいじっているうちに同時消しや簡単な連鎖を読み取れるようになり、最終的にはゲーセン版コラムスのカウンターストップ狙いに挑戦できるようになった。
 
 慣れるとなかなかゲームオーバーにならないコラムスだけど、スコアが5000万ぐらいになった頃から*7魔法石が一切出現しなくなる。ここからは精神力と体力勝負(とトイレ勝負)で、いつも万全の準備を整え、バナナオレを傍らに用意しておいて挑戦した。こちらに書いてあるように、コラムスは最終的には精神戦になるゲームだ。精神にムラがあり、根性も足りない私は結局8000万点がベストスコアだった。悔しいけれども、若さも時間も失った今となっては、とても挑戦できない。
 
 けれども、このゲームは精神の持久性を鍛えるうえで、良いトレーニングになったと思う。あまりセガ臭く無かったのも良かった。ちなみに『ばくばくアニマル』と『スタックコラムス』はセガ臭いと思う。
 
 
 4.こうやって書き出してみると、楽しい思い出がたくさんあって、セガへの愛情は無くともメガドライブには大変お世話になったんだなぁ、と改めて思った。他にも、『ヘルツォーク・ツヴァイ』とか『フェリオス』とか、いろいろと思いつくけれども、きりがないので、このへんで。
 
 

*1:そうは言っても、セガサターンのサターンパッドや、X-box360のコントローラには愛着を感じるのだけれど。ハード本体の扱いはぞんざいそのもので、我が家のメガドライブは階段の最上段から下まで落としてしまったことがあって、以来、メガドライブ本体を振るとチリチリという謎の音がするようになった。何か部品が取れたんだろうか?ゲームを動かすには全く支障無い。

*2:普段はあまり使うことのない、鉄道建設や要塞建設といったフィーチャーや、海戦車、山戦車といった特殊な移動範囲の戦車などは、意地でも使ってみたくなった

*3:約一時間

*4:特に砲兵と装甲列車と艦艇の砲撃が素晴らしい。対鑑ミサイルやジェット戦闘機といった新兵器の演出も巧かった。

*5:例:マップ外にユニットがこぼれていかないように注意しなければならない、Me163Cを配置してはいけない、等

*6:富士通のなんとかって名前のPCは別ですよ?でも、あんなの骨董品じゃないですか!

*7:もっと早かったかも