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シロクマの屑籠

はてなダイアリーから引っ越してきた、はてな村の精神科医のブログです。

メンタルが弱ってくると、インターネットが難しくなる

コミュニケーション

 
 今日、こんなメンションをtwitterで見かけて、あれっ?と思った。
 
 

 
 
 上記のtwitterアカウントのFTTHさんは、「用心深い、安全なインターネット」が得意な人物だ。ところが今日のFTTHさんは、いつになく冗談がきつい事をtwitterに書き込んでいらっしゃった。居酒屋談義ならともかく、パブリックなインターネット、それも2014年のインターネットでこんな事を書いてしまうと、“世間が黙っちゃいない”だろう。実際、はてなブックマーク上には「これがネット脳」「関西の水害を期待する関東民」といったメンションが書き込まれている。
 
 あの、メタで安全圏なインターネットの得意なFTTHさんが、どうしてこんな危険球を投げるのか?疑問の答えは、twitterにあった。
 
   
 どうやらFTTHさんは、『艦これ』の夏イベントに混入したバグに巻き込まれて、“嫁”であるをロストしてしまったらしいのだ。実にお気の毒で、同情を禁じ得ない。どうりで……。
 
 『艦これ』の夏イベントに疲れ果て、そのうえ“俺の嫁”をロストしてしまえば、精神がブレてしまうのは必定。しかし、図らずもFTTHさんが書いているとおり、今回はあくまでソーシャルゲームのキャラクターをロストしただけなのだ。もっと大きな喪失やショック、不安に直面している時にインターネットに書き込めば、もっとブレたことを書きこんでいたかもしれない。
 
 もちろん、個人としてブレを抑制することも不可能ではない。少なくとも、特定の数分、特定の数時間だけ落ち着き払ったインターネットをやってやれないことは無いだろう。
 
 だが、いつでもどこでもリアルタイムにインターネットできてしまう今日では、そうはいかない。ショックや不安や寝不足の状態に、いつでもどこでもインターネットがついてくる。最低の精神状態で落ち着いたインターネットを二十四時間続けるのは、非常に難しい。なまじ、リアルタイムに書き込めてしまうものだから、つい、どこかで気が緩んだ甘いボールを投げてしまう――。
 
 本件は、ネットに慣れ親しんだ人でさえ、自分自身の精神が動揺している時のインターネットは容易ではないことを示唆している。このように、インターネットの炎上対策やリスク管理について考える際には、精神状態が安定している時のネットユースを前提にするのではなく、動揺している時やショックを受けている時を前提にすべきなのだろう。危ないと思ったら回線を切るか制限すべきだ。ところが、回線を繋ぐのは簡単になったけれども、回線を切るのは意外に難しい!不安定な精神状態の時ほど、つい、インターネットをやってしまう人も多いのではないか。
 
 精神状態が落ち着いているうちのネット炎上対策やリスク対策はそんなに難しくない。本当に難しくて恐ろしいのは、自分自身の精神状態が不安定になっている時のネットユースだ。だから、こういう事例はきちんと他山の石としなければならない。
 
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