朝日新聞出版 最新刊行物:雑誌:AERA
もう発売されちゃってますが、最新号のAERAの特集「捨てる哲学」に、私のコメントが掲載されています。正直、そんなに文章量が多いわけじゃないんですが、この「捨てる哲学」特集、なにごとにつけて保持しようとする執着にとらわれがちな人間全般にとって、かなり痛い――というか読み応えのある代物に仕上がっていて、読む人は読んで悶絶したほうがいいんじゃないかと思わせるものがあります。
何もかも擲ってしまうのではなく、本当に大切なものに注力するために捨てること・セレクションすること――これらは社会適応の技法としてきわめて重要なはずですが、集めること・溜め込むこと・たくさんであることを無条件に良しとしているうちに、ゴテゴテとした人生を過ごしている人は少なくないと思います。
もちろんこれはモノに限った話ではなく、人間関係を溜め込む人、インターネットの巡回先を溜め込む人、ソシャゲのキャラクターやデッキをつくっては育てて時間をかけてしまう人、いろんなタイプがいます。捨てるメリット、選ぶメリットについての洞察が欠けているからこそ、そのようにゴテゴテとした状況が生まれてしまうのでしょう。自分が何をすべきか、自分が本当に何をやりたいのかを考え抜いていれば、続けるもの、停止させるもの、捨てるものは自ずとみえてくるはずですが、まあそれが、難しいんですけどね。つい、執着にとらわれてしまう。
そういう諸問題を、「捨てる」をテーマに上手くまとめた雑誌になってました。やっぱり編集が入っている媒体は強いなー。