シロクマの屑籠

p_shirokuma(熊代亨)のブログです。原稿に追われてブログ記事はちょっと少なめです

もし、騒動を起こす素養をアルファブロガーって呼ぶなら、そんなにいいもんじゃない

 
 さらば、「はてな」よ。 - 団劇スデメキルヤ伝外超
 サードブロガーに、なりませんか。 - 犬だって言いたいことがあるのだ。
 
 今日は忙しいので私信をザーっと書く。
 
 
 もし、俺がアルファブロガーとやらだとして、2005年のブログ開闢から、もっといえば2001年のウェブサイト開闢から、人目を集めやすい性質だったのかといったら、たぶんそうじゃなかったんじゃないかとは思う。昔はもっと静かだった。「誰が書いたか」なんて言葉の蚊帳の外に何年も何年もいたような気がする。
 
 ただ、「脱オタクファッション」「非モテ」の議論が一番盛んだった頃、ブログに転向して、だんだん気づいてきたことがある。それは、自分には、どうやら騒動を起こす傾向があるらしいってことだ。ちょっと辻説法しているつもりが、いつの間にか隣のおっさんと喧嘩になっていて、がやがやと野次馬があつまってくる。
 
 そうだ、「騒動」だ。
 
 俺のようにローカルな水準か、もっと大きな水準かはさておいて、何をやっても騒動になりやすい人ってのは確かにいると思う。ある面では、コンビニ店長もそうだ。イケダハヤト氏だってそうだった(過去形にして良いかはまだわからないが)。otsuneさんもそうだと思う。
 
 昨日、otsuneさんについて書いた記事は、あれは私には私なりの意図があって書いたもので、揉め事タグが欲しくて書いたものではない。だが結果として、騒動や村祭りとして受け取った人が少なくなかったようだ。気づいたら人だかりができていて、俺は当惑した。と同時に、ふと思った。またゴタゴタしてしまった、と。
 
 目立ちたがり屋を夢見る人にとって、意図せぬブログエントリまでもが騒動や村祭りになってしまうことは魅力的なことかもしれない。そういう性質をアルファブロガーの素養と呼ぶのなら、案外、俺はその素養とやらを持っているのかもしれない。そういえば、脱オタクファッション-非モテ議論の時も、ちょっと何かを書き出したら、カンカン照りになってつっかかってくる人がいたものだ。でも、こんな素養、あって良いものとは思えない。「なんだなんだ?またあいつが揉め事起こしているのかー?」――そうやってネットウォッチャーが寄って来るような素養に、未来はあるだろうか。幸福はあるだろうか。
 
 id:yarukimedesuさん、あなたはただ騒々しさに憧れているんだろうか。
 「またあいつ、ネットの限界集落でガタガタ言ってるよ」と言われたいのだろうか?
 それらとは違った何かをアルファブロガーという語彙に仮託しているんだろうか?
 
 アルファかベータかガンマかわからないが、もしyarukimedesuさんに騒動を起こしやすい性質がないなら、むしろ静謐のブロガーをやればいいんじゃないんだろうか。少なくとも、個人の性向や長短には違いがあるのだから、俺の猿真似をやっても劣化コピーにしかならないし、そんな事はやってもしようがないものでしかない。そして騒々しくない人は騒々しくない人としての長所を生かし、短所を補っていく方向で、自分のやりたいことをやりたいようにネット上でやればいいんじゃないかとも思う。
 
 逆に言えば、コンビニ店長みたいな、匿名に帰っても勝手に人が寄って来るような性質の人は、その性質と付き合ってネットライフを考えるしかない。どちらにしても、逃げ道なんてないし、あるのは適応だけだろう。いつものネットライフに帰り、自分のペースでSNSを嗜もう、そしてブログに好き勝手なことを書こう――それでいいんじゃなかろうか。それ以上も、それ以下も、俺達にはないんじゃないのか。