読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

シロクマの屑籠

はてなダイアリーから引っ越してきた、はてな村の精神科医のブログです。

twitterのリアルタイム投稿は、素人はよしたほうがいい

コミュニケーション

 
 Twitterで他人の動向を書くのは注意したほうがいい - ARTIFACT@ハテナ系
 
 リンク先で指摘されているように、個人のプライバシーに抵触しそうなことをtwitterでつぶやいてしまうリスクは、常に気にかけておきたいと思う。せっかく会いたかった人に会えたオフ会で、自分の迂闊なツイートでその人に迷惑をかけてしまうようなことは誰だってしたくないだろう。
 
 その一方で「個人のプライバシーに抵触しそうなことを投稿しない」という判断はなかなか大変だと思う。「あっ、これtwitterに投稿したい!」って思った瞬間に、それが危険なツイートなのか安全なツイートなのかを見極めるのは難しい。もちろんこれは、オフ会や現場レポートの類に限った話ではない。ひとつひとつのネットへの投稿がどのような影響を*1及ぼすかを判断する行為は、本当はかなり高度な知的活動だと思う。そのことを、みんなどこまで意識しているんだろうか?
 
 特にリアルタイムのレポートをtwitterに投稿するのは「将棋の早指し」に近い
 
 これが、blogやwebsiteなどを介したリアルタイムではないレポートなら、ゆっくり文章を推敲する時間があるぶん、投稿内容のリスクや安全性について吟味するチャンスがある。ところがtwitter、特にリアルタイムな“現場のツイート”の類は、リアルタイムな状況進行に合わせて投稿するので、必然的に文章を推敲する時間が短くなってしまう。少なくとも、スマートフォンなどから“現場のツイート”をする人達には、ツイートを下書きして十分練ってから投稿するような暇は無い。
 
 このあたりが、過去のオフ会レポート――いわゆるオフレポ――とtwitterによるリアルタイム投稿との大きな、そして危険な差だと思う。
 
 もちろん世の中には『twitter社会論』の著者・津田大介さんのように、twitter上でリアルタイムなレポートを連続投稿(いわゆる「tsudaる」)をやってのけている人もいる。津田さんのリアルタイムな連続投稿は、将棋の名人の早指しのごとく、沢山の可能性とリスクを瞬間的に判断しているふしがある。情報収集やコミュニケーションをやってのけながら、ツイートがリスクやデメリットを含まないよう検閲をかけ、なおかつ語彙を選んで投稿しているさまは、さながら高速プロセッサのようだ。
 
 しかし、あんな高度で抑制のきいた知的活動が誰でも真似できるかといったら、答えはNoだろう。自己顕示欲や浮ついた気分に流されることなく、検閲と推敲をきちんと効かせながらリアルタイム投稿を連発するのは達人芸の類だと思っておいたほうが無難ではないか。
 
 

「twitterをリアルタイムではやらない」という対策

 
 こうした問題を回避するにはどうすればいいのか?
 
 いちばんシンプル、かつ有効な方法は「現場からのリアルタイムなtwitterをやらない」に限ると思う。要は「将棋の早指し」のようなtwitterを避け、十分吟味したうえでtwitterを投稿するような習慣を身に着ける、ということだ。同じ人間のツイートでも、「一手三十秒」で投稿するのと時間無制限で投稿するのでは自己検閲の効き方は全然違うし、現場の熱気にのぼせ上がった状態で投稿しないで済む、というメリットもある。*2
 
 こういう事を書くと「twitterはリアルタイムに投稿できるのがメリットだ。馬鹿なこと言うな」といわれるかもしれない。しかし、そういうメリットをローリスクに享受できるのは、それこそ津田さんのような“twitterの早指しの達人”に限られていて、早指しに自信のない多くの人の場合は、リアルタイムに投稿できてしまうリスクやデメリットのほうに意識を配ったほうがいいのではないか。用心深すぎるように思えても、これから先、何年もネットライフを過ごしていくことを思えば用心深いに越したことはないし、オフ会のような場面でのミスツイートは、自分自身だけでなく他人にまで迷惑をかけてしまうかもしれないのだから。
 
 まして、アルコールが入るような場面でのリアルタイム投稿となれば尚更だ。判断力が曇っていい気分になっている状態でのtwitterはいただけない。
 
 それよりは、目の前のイベントなりコミュニケーションなりに意識を集中させ、その場をしっかり楽しんで記憶に刻み付けておくほうが、よほど賢いと私は思う。職業的な事情でどうしてもリアルタイムでtwitterをやらなければならない人以外は、なるべく避けるに越したことは無い。
 
 

どうしても“tsudaりたい”人は…

 
 それでも、どうしてもtwitterをリアルタイムで投稿したいという人もいるかもしれない。そういう人は、書く内容を徹底的に抽象化するなり、参加人物には一切言及しないなり、一度下書きをしてからネットに投稿するなり、慎重すぎるほど慎重な対策を講じるべきだろう。
 
 けれど、そのような対策を講じる以前の問題として、「どうしてもtwitterをリアルタイムで投稿したい」というリスキーな欲求を抑えきれない自分自身を省みたほうがいいんじゃないかという気がする。どのみち、リスクを省みずに欲求に身を任せているような調子では、遅かれ早かれ、酷い目に遭ったり迷惑をかけたりしてしまうだろうし、コミュニケーション上の信頼を勝ち取るのも難しいだろうから。
 

*1:他人または自分自身に

*2:さらに確実なのは、twitterに投稿できるようなツールをそういった場所に持ち込まないことだろう。これなら家に帰るまでは投稿したくてもしようがない。ただし、携帯端末を一切持ち歩かないわけにもいかないので、現実にはそうもいかないだろうが。