シロクマの屑籠

はてなダイアリーから引っ越してきた、はてな村の精神科医のブログです。

twitterを楽しむ為の幾つかのドクトリン(基本方針)

 
 twitterがいよいよ流行しはじめているようだ。この、SNSともblogともちょっと違ったコミュニケーションツールを使い始める人は、twitterをどんなコミュニケーションツールとして使うのだろうか。もちろんtwitterの使い方・楽しみ方は多様であって然るべきだし、実際にtwitterを使っている人達をみると、色々な使われ方をしているさまを観察することが出来る。以下に、実際にtwitter上にみられる人達を参考にしてまとめた、twitterを楽しむうえで有効そうな幾つかのドクトリン(Doctrine:政治や外交における基本方針。または軍事の世界では戦闘教義)を紹介してみようと思う。
 
【1.さえずりドクトリン】
 twitter(囀る)という言葉通り、自分が書きたいことをとにかく書き散らすことを基本方針とする使い方。twitterは、吐きたいことを短文にまとめて吐く場所としては最適だ。ブロック機能を適切に用いるならば、吐いても大丈夫な仲間にだけ可視化することが出来るので、炎上リスクも小さく抑えることが出来るだろう*1。しかし独りよがりを繰り返している限りは、どうしてもfollowingしあう関係を広げるには不向きだし、mixiやblogでも同じことが可能だったりするので、mixiやblogをそういう使い方に使っている人が、わざわざtwitterに来てまで同じ事をする意味があるのかは分からない。ぶっちゃけ、独り言をとにかく書きたいというのであれば、別にチラシの裏だって構わないわけだし。
 
 良い点:友達が少なくても大丈夫、書きたい事を書き散らすことが出来る、馬鹿な事を書いても炎上リスクも小さい。

 問題点:blogやmixiやチラシの裏でだって出来る。twitter上で交友関係を広げるには不向き。ちょっとさみしいかも。
 

【2.猫の集会ドクトリン】
 相互followerをある程度持つことができる人は、たくさんのfollowerと一緒にtwitterをやることによって、とりあえず独りじゃない感じ・居場所確保の気分を体験することが出来る。twitterは(mixiなどにありがちな)コメント返報が義務化していない*2ので、お互いに気を遣わぬまま、ある程度好きなことを呟きあって、たまにお返事しあうぐらいのルーズな繋がりを体験するのに向いている。mixiほど気を遣いあうことは無いけれども、緩やかにfollower達と繋がっている感覚をライブ感をもって体験するには、twitterはなかなか向いていると思う。「独りでいるのは寂しいけど、気遣いしあって疲れるのも嫌」、という人にはちょうど良い居場所を提供するのではないだろうか。個人的には、twitterの最もポピュラーな使い方ではないかと思っている。猫の集会マジお勧め
 
 良い点:ある程度気侭な発言権を持ったまま、居場所感覚を獲得できる。ライブ感も得られる。比較的followerを選ばない。
 問題点:ある程度の人数のfollowerがいないと、居場所感・ライブ感が減退しやすい。度を越えた独りよがりは締め出しをくらうリスクを孕んでいるので、若干は気を遣う。
 
【3.情報収集ドクトリン】
 猫の集会では物足りないという人のなかから、twitterを使って情報収集をしたいと思う人も出てくることだろう。趣味が同じ人やアンテナの敏感な人をfollowingすることによって、ブログの記事ネタを探したり、これから流行しそうなサービスやアイテムの情報を獲得したりする一助としてtwitterを役立る、という使い方もある。ただし、この使い方は猫の集会に比べるとちょっと難しい所がある。というのも、twitterで流れてくる情報はまさに「アイデアの断片」「記事の原料」なので、新聞記事やブログ記事ほどのまとまりを持っていない。なので、情報を選別・咀嚼する力の無い人は、どれが重要なキー発言なのかを見逃してしまったり、なんとなく感心はするけれども通り過ぎてしまう可能性を含んでいる。短い文章から情報収集する素養が求められるドクトリンだろう。
 
 良い点:ブログ記事にすらなってないような色々な情報やアイデアを先回りして入手出来るかもしれない。

 問題点:情報を選別・咀嚼できなければ難しい。アンテナの敏感な人が、見知らぬあなたにfollowを許諾してくれるとは限らない。
 

【4.覇権主義ドクトリン】
 猫の集会では物足りない人の為の、もう一つのtwitterの使い方。人を惹き付ける発言をtwitter内部で繰り返し*3、followerを増やし、さらにはfollower達に対する己の影響力(政治力)を確保していこう、という基本方針に則ってtwitterを活用する方法である*4。twitterのなかでいわば「大手」「アルファtwitter」を目指していくこのドクトリンは、確かに巧くいけば何某かの政治力や影響力をそこで獲得することは出来るかもしれない。しかし、それはブログ界隈やmixi上でも十分に可能なことでもあるので、わざわざtwitterというツールの上でも敢えてやる必要性があるのかどうか吟味したうえで、やったほうが良いだろう。こういう覇権主義的・政治戦略的な使い方をする以上、あなたのtwitterライフは“気侭な呟きを許されない”“いつも格好をつけて”“パジャマ姿のログを書き込めない”ものになってしまう点に注意。mixiやblogで既に覇権主義ドクトリンをとっている人が、疲れを癒すためにtwitterにやってきたという場合などは、2.猫の集会ドクトリンや5.隠れ家ドクトリンを選択したほうが精神衛生には良いと思うがいかが?
 
 良い点:twitterで発言権と政治力を獲得できる。mixiやblogで覇権を握れなかった人(笑)にも復活戦が与えられる、かもしれない。

 問題点:人を惹き付ける要素を持っていなければ実行不可能。疲れを癒すtwitterライフが不可能になってしまう(twitter上の発言にまで気を遣いまくる羽目に陥る)。ログが長大になりがち。
 

【5.隠れ家ドクトリン】
 twitter覇権主義とは正反対の基本方針。オープンなコミュニケーションツールを既にblogやSNSなどで獲得している人の場合、気安い人だけを集めた秘密の隠れ家としてtwitterを活用する、というドクトリンもアリだと思う。オープンなコミュニケーション可能性はblogやSNSに委ねることにして、twitterは完全クローズドの隠れ家として運用すれば、狭い範囲でだけやりとりしたい情報や、特定の人との間だけで共有したい情報をやりとりすることが出来る。また、followerを少なく絞ることによって、大量のログをチェックしなければならない手間も省くことが出来る。mixiで、後先考えずにマイミク申請に答え続けてしまった挙句、いつの間にか気楽な発言が出来なくなってしまった人の落ち延び先としても最適で、狭い範囲とのガチなコミュニケーションを志向したい人向け。枢密院ごっこやゼーレの老人ごっこにも向いています。
 
 良い点:気楽な発言や内緒話をtwitterで仲間と共有できる。枢密院ごっこやゼーレの老人ごっこにも向いている。大量のfollowerのログに悩まされることが無いので、手間隙を省略できる。

 問題点:情報収集のレンジは狭くなってしまう。友達がいないと出来ない。followする人を相当慎重に選ばなければならない。
 
 
【6.思考促進ドクトリン】
 隠れ家ドクトリンをさらに進め、思考を促進する刺激を与えてくれる人達からの情報を狭く深く収集し、お互いに情報・刺激・好奇心を重ねあわせてtwitter上でテキストやアイデアを醸成させる方向に特化させる、という使い方もある。思考を促進するネットツールとしてはblogも当然考えられるが、followする人を絞ったtwitterの場合の、リアルタイムにアイデアが原料レベルで交じり合い、各々の思考に練り上げられていく即時性・融合性はblogに期待しがたい。blogにありがちな、長文をしたためてトラックバックやリンクを送りあうなどというまだるっこしい過程をすっ飛ばし、短い会話のうちにお互いの思考やアイデアが竹の子のように伸びていく体験----twitterライフのなかで一度でもこれを体験すると、twitterがblogやSNSでは代替の難しい面白さを含んでいると改めて感じることだろう。知的刺激を十分に与えあえるfollower、過度に流れすぎないログ、そしてfollowerの力も拝借しながらアイデアを膨らませようという好奇心、などが揃えば、そこがあなた(とfollowerの)思考促進の場、アイデアを交換するフォーラムとして機能しはじめるかもしれない。もちろん、followerという自分以外の人とのアイデアの交換があるからこそ、自分一人で考えたのでは有り得なかった新しい結論に到達する機会にも恵まれよう。
 
 良い点:followerとのリアルタイムなアイデア交換を通して、各々の思考をその場で大きく練り上げるチャンスを得る。

 問題点:followerの選び方によってかなり左右される。いつも考えてばかりだと疲れる。
 

自分の身の丈と願望に合ったtwitterライフを

 
 以上、twitterライフの基本方針として六つのドクトリンを紹介してみた。友達の数・followerの人数・自分の力量・(ログを読む為の)時間的余裕、などといった“身の丈”と、猫の集会・情報収集・思考促進、などといったtwitterに期待するものを踏まえて基本方針を定めると、不満の少ないtwitterライフを実現しやすいのではないだろうか。勿論、以上の六つ以外にもドクトリンの定め方はあるだろうし、サブアカウントを取得して複数のドクトリンを同時に達成させる方法だってあるだろう*5。限られた時間と体力のなかで、全ての要件を満たそうとするのは多分無理だとすれば、自分の身の丈と願望(或いは目的)をしっかり見据えたうえで、自分なりの基本方針を見定めていくってもんだろう。
 
 結局のところ、mixiやblogがそうであるように、twitterも使う人次第、使い方次第で毒にも薬にもなり得る。リラクゼーション、居場所の確保、思考促進といった助けになるのか、我利我利亡者、疎外感の吹き溜まり、時間の無駄遣い、といった災いの場となるのかは、あなたの舵取り次第と言えるし、あなたの選んだドクトリンが身の丈や願望にフィットしているか次第ともいえるのではないだろうか。
 

*1:ログが残らない、というtwitterの性質も炎上リスクを小さくしやすい、と思ったらログは残るそうです。id:otsuneさんありがとう!

*2:稀に例外有り

*3:またはtwitterの外の世界でのネームバリューなどにおんぶにだっこで

*4:人が群れ集う空間である限り、twitterといえども、そこは政治的駆け引きの舞台となる素養は秘めている

*5:当然、それ相応の時間とエネルギーは必要だが