シロクマの屑籠

p_shirokuma(熊代亨)のブログです。原稿に追われてブログ記事はちょっと少なめです

地方シューターと『むちむちポーク』との出会い

 
 地方のシューターは、ホームグラウンドのゲーセンにやりたいゲームが入らないと悲惨だ。自宅から何十kmも離れたゲーセンを訪問せざるを得ないこともしばしばである。それ以前の段階として、まず目当てのゲームが一体どこにあるのかを探し回らなければならない。そういう情報はインターネットではなかなか手に入らない。のような試みも始まったばかりの段階だ。
 
 『むちむちポーク』の筐体を探し回った結果、不便なロケーションにようやく発見して本日初プレイと相成った。世界観もゲーム性もゾッコンの出来だ。『鋳薔薇』シリーズで不親切だった諸点を克服してライジング系列のシューティングが帰ってきたとなれば、不便を忍んでゲーセン通いに勤しむほかあるまい。今日は4ボスに遭遇し、そして絶望した。2chのスレッドなどをみるにつけても、鋳薔薇5ボスのような位置づけなのだろう。最終面手前のボスを倒せばクリアはみえてくるとみた。バトルバクレイドや鋳薔薇同様、最終面で2〜3機エクステンドするという仕組みを予測。
 

ゲーム全体に関する印象

 

  • 世界観が“むっちり”に統一されていて違和感が無く、かと言って月並みな印象も無く、脳裏に焼き付くようなインパクトがある。(そちらについてはオタク文化の辺境に咲いた『むちむちポーク』の花 - シロクマの屑籠で詳しく述べた)
  • 勲章システムが随分親切になった。勲章システムが苦手でガレッガ系列のSTGを敬遠していた人も、これなら遊べるんじゃないだろうか。Bボタンさえ押せば勲章を自動回収出来るというのは、攻撃と回避に集中するのに向いている。かと言って、Bボタンを押す必要がある分、勲章回収を意識しないわけにはいかないという絶妙の塩梅。勲章を一個一個拾い集めるシステムは(例えば鋳薔薇のような)勲章が放射状に飛び散る演出と相性が良く無かったわけだが、『むちむちポーク』ならストレス無く誰でも遊ぶことが出来る。
  • ガレッガ以来の難度調整システムも一部緩和された。具体的には、若干の難度上昇を伴いつつも残機を沢山持ち歩けるようになった。これも間口を拡げることに貢献していると思う。かと言って「ゲーム攻略の為に自殺を必要とする」という伝統はスコア稼ぎの為には要請されるようだ。スコアラーには自殺を、無茶してスコアを稼ぐわけではないプレイヤーには福音を。それでもランク上昇が怖い俺としては、序盤は残機を残しすぎずに、三面あたりから頑張ろうかと思ってしまう。
  • ボムシステムも大きく変更となった。ボムチップ集めはライジング系列の伝統を守りつつも、自機がやられた時にはボム2の状態に戻るという仕様。死亡時のボム持ち越しが無いので、ボムを抱えて死ぬのはほぼ無条件に損になった。これは歓迎する人と歓迎しない人がいそうな変更だ。
  • 一方、パワーアップアイテムを回避しなければならないという面倒さが無くなったことはたいていのプレイヤーにとって福音だろう。とりわけ初心者〜初級者には嬉しい変更だ。
  • 画面スプライトのちらつきも幾分改善された模様。まだまだちらつくし、三面中型機の緑機雷が見づらいものの、鋳薔薇が一面から惨めなものだったことを思えば立派。
  • トコトコ歩く地上の豚さんが巧い。出現後、めいめいがバラバラに歩き始める豚さん達を上手に回収するのは大変だ。世界観の表現とゲーム性が融合した演出だと思う。

 

  • 全体としては、鋳薔薇の弱点や不親切さをじゅうぶんに反省して、ゲームそのものの出来映えの次元でも、世界観の次元でも、大きく鋳薔薇を乗り越えたと思う。CAVEの人偉い!というかライジングチームの人が偉いのか!?
  • でも、筐体がフリーズする現象は何とかして欲しかった。四面後半でフリーズとか、もうあり得ない。がっかり。

 

初日の体験(4面ボスまで)

 
【1面】
 まだまだ簡単。スコアラーの人が狂ったように勲章稼ぎをやっているさまが目に浮かぶような敵配置。ラードゲージに慣れないあまり、空中ザコの体当たりを喰らうこと数度あり。欲張らなければ死なないが、ゲームシステム上、欲を出さずにはいられない。ラードゲージの間合いを知るには良い訓練場。
 
【2面】
 給水塔でラードゲージをいかに満たすかでスコアが結構変わってくるので、しっかり給水塔をラードゲージ破壊しながら進むってもんだろう。ボスは完全パターンにはならず、素の弾避け能力が幾らか以上求められる。ボスとの位置関係によっては楽勝だったり、かなりしんどかったりする。少なくともクリアラー水準では、危ない位置取りの時はボムを撃つのを躊躇わないほうがよさそうだ。
 
【3面】
 道中の難度が急に高くなる。だがそれがいい。特に高速二連砲を撃ってくる中型ヘリの高速弾が絶妙で気に入った。二連砲の間に潜り込んだ時、脱出できないほどではないけれどもタイミングや角度が甘いと引っ掛かるぐらいの速度と間隔で撃ってくる。これにザコの攻撃が混じるとかなり嫌らしい。また中型航空機の攻撃も十分に嫌らしい制約力を持っている。しかし制約下で移動を怠るとザコの自機狙い弾にやられるという仕組みが陰険だが、プレイヤーへの課題が明確で好感が持てる。「やることをやっていれば死なないが、やることを怠れば死ぬ」、という宿題はきっちり解かないと。
 ボスはあまり強くないが、それでも油断すれば死ねる程度の攻撃はしてくるし、位置取り次第ではワインダー攻撃が苦しくなるように出来ている。こいつもわるくない。
 
【4面】
 風力発電地帯でいきなりスコアの予感がする4面。だが、風力発電地帯などオマケのような存在だった!難度が高くなると狭い狭い隙間の拡散弾を撃ってくる中ボスや、全方向に弾をばらまいてプレイヤーに嫌がらせをする中型機、かなりの耐久力で圧殺してくる高速機、などなど、様々なバリエーションで楽しませてくれる。後半はバトルガレッガから連綿と受け継がれる、いわゆる「工場ステージ」。難度調整に失敗したガレッガ6面ほどの殺人ゲームではないにせよ、全敵破壊が不可能なほどに画面じゅうが敵と敵弾で埋め尽くされた光景に、クラクラする。難度が高すぎるわけではないが、物量に押しつぶされそうな感覚を楽しむことが出来る。こういうのは慣れても楽しい筈。
 4面ボスは、いちいち楽しい攻撃が多い。が、どうやって倒すんだろこれ?という気分にはなった。多分鋳薔薇5ボスと同じく、ここが“関門”なのだろう。ボムをきっちり使いながら諦めずに攻略しよう。
 
 
 3面以降は息つく暇もないほど忙しく楽しい時間だった。例によって、4面の生存率をどこまで高めるのかが攻略の可否を決定づけるのだろう。少し不便なところのゲーセンに通うのはこの身には難しいことだが、何とかやっつけてやる。

→やっつけられそう(福多塚町の合戦・むちむちポーク二日目 - シロクマの屑籠)。
→やっつけた(むちむちポーク終了 - シロクマの屑籠)