シロクマの屑籠

はてなダイアリーから引っ越してきた、はてな村の精神科医のブログです。

「社会的に我々○○は抑圧されている。断固として抑圧を打破すべきだ。」

 
1.まず第一に、あなたは○○なんですか?
2.○○は実際に抑圧されているんですか?抑圧と呼んで捉えるに値する圧力なんですか?
3.社会的に、というマクロな視点と、あなた個人が、というミクロな視点を履き違えてませんか?
4.そもそも、あなたが本当に望んでいるのは社会的抑圧構造の改善なんですか?あなた個人の適応の改善ではないのですか?
5.マクロな社会の改善とミクロな自分の改善が食い違う時、それでもあなたはマクロを選べる程度にはご立派なんですか?

 

 社会がどうなのか・マクロでどうなのかといった問題は、あなた自身の適応に関する問題とは必ずしも一致しない。一致しないのにそれらに固執したところで、あなた自身の適応を長期的に変化させる可能性はまずあり得ない。にも関わらず、自らの願望への問いかけや自らの処世の見直しには背中を向け、他人達がどうなのかやマクロがどうなのかを論じ続ける人達は、一体いつになったら自分自身を振り返ってみるのだろうか?
 
 んんー、「振り返るといろいろと大変なことになる」という事情があるから振り返らない、というなら、お話、わかります。「こんなに社会のこと考えてる俺スゴス」という素振りとしても理解する道もあるかもしれません。相手のことや社会のことだけに言及していれば、それはそれで発言者個人に何らかのメリットをもたらす、という読解は唯一解ではなくとも、ひとつの読解には違いないでしょう。ああごめんなさい、あなたはそんな事を聞かれたいんじゃなくて、○○のことが話したいんだった。ごめんなさいね。だけど僕、○○なんて集団よりも、あなた自身に興味を持っちゃったんですよ。熱心に大きな声で「抑圧だ!」とシュプレヒコールを叫ぶ、そんなあなた個人のことが。