「貴女が僕を愛している?」
「冗談じゃない」
「貴女は、僕の持っている色んな資源を欲しがっているだけじゃないか!」
「僕の、潜在的資本力を、僕の、潜在的健康性を、僕の、社会適応能力を、」
「それらは僕の服であって、僕の道具であって、僕の方便であって」
「いつもそうやって貴女は、僕を選り好む。目に映った好ましい所だけを貪る」
「…そんなのはもう沢山なんだ!」
そう言って高志は押し入れの扉を開けた。
どたどたどた。
寿司詰めになっていたエロゲー箱がたまらず転がり落ちて、部屋の中に散乱した。
「ひっ!」
足元に転がったエロゲ箱をみて悲鳴をあげる麻衣。
『幼女監禁』『メイド調教』『皇女陵辱』の文字に気が遠のく。
「貴女は、僕を愛している、と言ったね」
「確かにフェラーリも僕の一部かもしれないけれどさ、こういうのも僕の一部として
喜んでくれるんだよね?麻衣?」
高志は、呆然と立ちつくす麻衣のうなじに手を伸ばす。
おこりのように身体を震わせる彼女の反応が高志には苛立たしく、しかしやはり煽情的にみえてならないのだった。