シロクマの屑籠

はてなダイアリーから引っ越してきた、はてな村の精神科医のブログです。

コミュニケーションが剣だって事を示す実例

 降ってきた!いいもん拾いました!
2006-04-15 - 九尾のネコ鞭
 
 ほら、タロットの世界では、コミュニケーション=剣だったよね - シロクマの屑籠の良い例が降ってきた!コミュニケーションシーンにおいて、剣もまた言語と同じような働きをし得るという事、逆に言語コミュニケーションもまたなかなか暴力に似ているところがある事を私は感じ取ったのでした。
 

しかし、「コミュニケーション能力」とは「影響力」なのか?もしそうならば、私は人に拳銃を突きつけて、高らかに宣言しよう。「今、俺にはコミュニケーション能力がある。」

 
 そうですid:maroyakasaさん、これはとても典型的ですよ!シンプルで最も有効なコミュニケーションで、拳銃を突きつけた奴は、相手の行動を自分にとって都合の良いように変更する最適の手段だと類推してそうやっているんでしょう!拳銃を突きつけた奴はこう言っているわけね。「俺の言う事聞けるよな?この空気、おまえには読めるよな?わかってるよな、ズドンだぞ?あん?」と。
 
 例えば銀行強盗の場面において。彼は人質の客に拳銃を向ける。拳銃と低い声音と殺気をちらつかせながら「俺の空気を読めよな、わかってんだろうな」と銀行員達に主張するこのプロセスは、銀行員の行動を自分にとって有益なものに変更するための(暴力的)コミュニケーションに他なりません。この場面において、拳銃は(脅し文句などと同様)コミュニケーションを成功裏にすすめるうえで重大な一要素として役立っている。似たような事態は僕らの近所にも色々ある筈ですよね。学校だったら握り拳や「集団黙殺」だって構わない。暴力も含めたコミュニケーションの数々は、個人個人の適応を他者を通して向上させる事を目的とした手段として(実際は)あちこちで用いられてます。「空気嫁」というメッセージを押しつけ、場の政治力を封じてしまうタイプのコミュニケーションだって、一応コミュニケーションには違いないし。善か悪かと言ったら、多分そういうやり方は(近代民主主義の世界に育った私達にとっては)悪と呼称されるそうな気がするんですが、コミュニケーションのなかにはそういったありがたくない目的のものも含まれている事は、改めて確認しておきたいです。そして鉄で出来ているか言葉で出来ているかはともかくとして、コミュニケーションの媒体は「剣」であるという事も。
 
 しかしid:maroyakasaさんが学校でもみてきた通り、ろくでもない奴がろくでもない事にコミュニケーションを駆使する時、それも強い力(暴力含む)をもって仕掛けて来る時、圧政や虐殺や私刑が繰り広げられることになるわけですよね。それってやっぱりいいことじゃないと思います(特に思春期蝿の王的コミュニティとか)。ろくでなしに強い力を与えるとろくな事がない。「崇め奉るコミュニケーション能力」は、いずれも振り回せば人が傷つくような、首筋にちらつかせて相手を土下座させられるような、そういう力を秘めてます。猫なで声も、香水の香りも、拳銃も、偉い人の引用も、全部「ブラッドソード」になれるという脅威。
 
 だからほんとは、コミュニケーション能力なんて、選ばれた人だけが持てばいいのにと思うことがあります。剣やペンの政治力を振り回して他人によからぬ影響を与えそうな人間には、剣もペンも制限されればいいのにね*1。でも、悪賢い奴こそが剣やペンにいち早く着眼して、しかもそういう悪い奴に限って最大限に振り回すんだからたまったものじゃない。尤も、悪い奴だから剣を振り回すっていうのは案外逆で、剣なりペンなりの強い力が手に入るからこそ、“ひとつの指輪”に魅入られた人達のように狂い始めちゃうのかもしれないけどね。ああ、娑婆世界。
 

【追記】:ブクマでみつけたやつ
2006年04月16日 id:Masao_hate [コミュニケーション] まぁなんにしろ、「空気読め」なんて言うヤツが一番コミュニケーション能力が低いという事実は、満場一致で可決しました。

 「一番コミュニケーション能力が低い」を、「一番コミュニケーション能力を悪用している」に書き換えたら、シロクマのおっさんも納得しそうです。
 

*1:だけど何が選ばれた人で何がよからぬ人かが分からないのが現代社会と言われるとうーんと困ってしまうんだけど