- コミュニケーションは、どこか剣に似ている
コミュニケーションは常に手段や道具であって、目的ではない。コミュニケーションは、情報・政治力を流通し交換する為のデバイスとして必須だし、充実していればしているほど選択肢と影響力は広がるには違いないけど、それ単体では決して何も為し得ない。
この点、コミュニケーションは剣に似ている。剣は単体では何も為し得ないし、その優劣自体は善でも悪でも無い。だが、剣を持つ者の目的と意志次第では、その剣は邪悪にも最善にもなる。コミュニケーションも全く同様で、その優劣自体は善でも悪でも無い。だが、コミュニケーションを行う者の目的と意志次第で、そのコミュニケーションは幾らでも堕落し得るし、逆に最も立派な目的にも供せられ得る*1。
- タロットカードにおける剣(スペード)のスート
こういった性質を反映してか、タロットの世界では、剣のスート(トランプのスペード)は「闘争や力」だけでなく「情報」や「コミュニケーション」も併せて暗示している。剣スートの各カードは、コミュニケーションや情報にまつわる状況を示しており、誤った“剣”の使い方や愚かな“剣”の使い方が巻き起こす問題について警告する。剣のスートのカードが悪い向きで出た時、占い師はコミュニケーションシーンについて再点検するよう、クライアントに警告することになる。
※この辺りについては、詳しくは→タロット占い・星占いサイトのarcanaのページを参照していただくと良いかもしれない。そのサイトはいいですよー。
剣もコミュニケーション(とそれに付随する政治力)も、能力が高いにこしたことはないが、結局はそれを持つ者の意志次第と言える。強い能力が強い意志なりモラルなりに支えられなければ邪悪に転じるという点でも、剣とコミュニケーションは共通している。邪悪な人間に強い力を持たせればろくな事がないという事例は、皆さんの周囲にも多々転がっていることだろう。タロットカードは警告する――“剣を持つのはいいけど、ちゃんと使わないとろくな事がないよ”“みだりに剣を振るってジェノサイドしてれば、きっと因果は帰ってくるよ”と。コミュニケーションという名の剣を鍛えるのは大いに結構だが、あなたはそれを何の為に、どれぐらい賢明に振るうのだろうか?*2