シロクマの屑籠

はてなダイアリーから引っ越してきた、はてな村の精神科医のブログです。

委員長という属性がはびこる所以と、今後の見通し

 
 「生徒会で責任有る行動をとる、モラリッシュな美女」「委員長」という萌えそうな属性について。
 
 特に生真面目なオタク達がしばしば、蝿の王的な「生徒達の力学」よりも「先生達の力学」に傾きがちな学生生活を送る事を、私は経験と見聞によって知っている。

症例2(汎適所属)
症例4(汎適所属)
症例5(汎適所属)
 
 これらのケースのオタク達は皆、スクールカースト或いは“蝿の王的思春期コミュニティ”のなかではあまり上位に位置せずに、先生達の評価に近いところに位置している。これらのケースほどにいじめられたり馬鹿にされたりする事はないにせよ、生徒会室に詰めるオタク*1というものは、概ねこういう心性を持っていたと思う。そしてそういう男性は、オタクのなかには結構多い。
 
 今回、脱オタ各症例のテキストを修正してみて改めて思ったのは、不真面目さやワルさ加減の無い、「正義と校則」を重んじるタイプのオタク達にとって、「委員長」って凄いファンタジーなんじゃないかという事だった。蝿の王的・弱肉強食的な思春期グループに属さない、清冽で有能で美人(←ここ重要)で、他の連中と違ってイケメンだとかブサメンだとかにこだわらない分け隔て無い扱いを(自分たちオタクにも)してくれそうな女性。頼り甲斐のある女性(ひと)なんだけど、ひょっとしたら自分なんかでもお手伝い出来るかもしれないという期待etc…。なんか書いているだけでもときめいてきそうな、ファンタジックな女性像が浮かび上がる。
 
 こうした「生徒会室近辺のコミュニティ事情」を回想すると、萌えオタ界において「委員長」という属性がそれなりの勢力を保っているのもうなずける。オタク達のファンタジーと性欲を勃起するには、これってうってつけのキャラクターじゃないか。クラナドの智代なんかも、色んな意味でしっくりきている。思春期における容赦ない差異化ゲームは、蝿の王を思い起こさせるような残忍さと無惨さを併せ持っているが、そこでどうにもならないスクールカースト下位のオタク達にとって、「蝿の王側の女性」よりは、「先生と秩序の側の女性」として映りやすい「委員長」のほうが恋心や萌えの感情を寄り添わせ易い存在のようにみえる。「侮蔑されやすいオタクだからって差別しないで、ちゃんと相手して貰えそう」な期待をかき立てられそうな感じもするから、(;´Д`)ハァハァするには、なかなか好都合だ。おまけに清楚な感じもありそうだし尚更good。
 
 これからも、中学校や高校の生徒会室近辺がそうした男女によって占められる限り、「委員長」はオタク達の願望を惹起する一属性として生き残り続けそうな気がする。純潔を予感させる巫女や、奉仕を期待させるメイドと同様、「オタクたる自分たちの側に近くて公正で清楚」な印象を期待させる委員長という属性は、まだまだ長生きするんではないだろうか。
 

*1:必ずしも生徒会役員とは限らないのがポイント